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chapter5:Whereabouts of the curse
サミュエルとダリオ その3
しおりを挟む「ああ...そう言えばよく見ればその服装...異端審問官か...」
サミュエルの着ている青と黒の司祭服を見てダリオはそう判断する。
「ええそうっす、ボクはエステル様の僕でありバーレのアルトマイヤー寺院所属、上級異端審問官『青の大鎌』サミュエル カトラル ヒュームっす、今日は悪魔の呪いの一件でここで調べてたんすよ~」
名乗るにしても何処か軽いサミュエルに眉を顰めるダリオ。
「何とも不真面目な奴が多いのか?」
「悪魔と生死を分ける様なドンパチやってりゃこうもなりますって~」
ヘラヘラしながらサミュエルはチェーンをスルスルとしまい込む。
「...あのいけ好かない男みたいだな...」
ダリオはディビッドを思い出して嫌な顔をする、なんだかんだで苦い記憶なのだ。
「ん?まさかディビッド坊ちゃんの事っすか???そればっかりはやめて欲しいっすわ!あんな甘ったれ!」
とサミュエルはプンスカ怒るとダリオは目を丸くする。
「ギャ!ダリオになら話した方が良いギャ!」
「そうっすね、ダリオの旦那ここの地下にヤベェモノがあったんすよ...」
サミュエルは床を指差して詳細を話し始めるのだった。
ーーー
「...きっと地下にフェネクスの封印があったからこそこの場所に建てた屋敷だったんだろうな」
ダリオは車を運転しながら助手席に座るサミュエルにそう話す。
目的は一緒だと分かった事や、ピッピちゃんの中身がエステルである事を説明し、エステルの姿を見せたらダリオの態度は一変した。
王都でサヴェリオがエステルと婚姻関係を結ぶという話はもう伝わっているからだ、実際届く新聞にはその話で持ちきりである。
そして寵愛を受けているエステルに逆らう事はウルム国王サヴェリオに逆らう事と同意義だからだ。
「この地域は不死鳥信仰があるんだ...きっとフェネクスの事を指すのだろうな」
「あー何かこの辺の住民から聴いたっす、国教がトラウゴット教になると排除の対象になるのか心配してたなぁ」
サミュエルは話の内容やあちこちにある不死鳥の彫像を思い出しながら話す。
「そうでなくても今回破られた封印式の件もあるから排除になるぞ?分かると思うがウルムでは土着信仰の神が『悪魔』だった場合法律で即崇拝行為の禁止と偶像の排除...場合によっては弾圧も辞さないからな...」
ダリオはそう話す。
「...もしかしてそれを隠したくてあんな立派なお屋敷建ててたんすかねぇ?」
「そうかもだが、むしろ力を独占したくてそうした可能性も捨てきれんな」
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