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chapter5:Whereabouts of the curse
サミュエルとダリオ その2
しおりを挟む『...術兵士?なんでそんなエリートが???』
と思った瞬間、その男が振り返りロッドをサミュエルに向けて速攻術式を組み放つ、何本もの氷の刃を生み出しサミュエルに向かうも全てかわす。
「なっ!危ねぇっすね!!!」
認識阻害を解除させると、袖からチェーンをジャラ...と伸びる。
「怪しい奴め!」
男は更に術式を組んでサミュエルへ攻撃を仕掛ける。
男の胸にはアークメイジマスターの赤い六芒星の徽章、相貌が燕脂色だと気がつくと面倒くさそうな顔をするサミュエル。
「うっわ...よく見たらアークメイジマスターで赤宿しじゃねえっすか面倒くさい!」
りゃあ認識阻害も役に立たないな、と思いながらチェーンをダリオのロッドを持つ腕目掛けて振る。
術士はよっぽどの能力者でなければロッドや細身の剣が無いと術の出力が欠ける為、先にそれを無効化させようと思ってだ。
「させるか!」
ポケットから札を出し「解除」と男が言うと、防御術式ディフェンシブが発動する。
チェーンが空気の壁により跳ね返されると、サミュエルは舌打ちする。
一度に二種は術式を展開出来なくても、付与させたものを展開させるなら同時も可能だ、サミュエルもそこまで頭が回らななかった。
サミュエル自身は変装やスパイと言った行動がメイン、悪魔を倒す際はどちらかと言うとサポート役が主であまり戦闘向きでは無いし、認識阻害などの
幻術系が効かない分強い術士との戦いは特に相性が悪い。
「面倒くさいなぁ!」
こうなったら何とか逃げ出してこの場をさっさと去る方が良いなと思いながら後ずさる。
「泥棒にしては戦い慣れしてるな」
「泥棒じゃあねえっすよ」
そう言い合っている最中勢いよく男に向かって飛んでいくピッピちゃん。
「ピッピちゃん!」
「ギャア!お前ティナちゃん狙ってた男ギャ!ギャ!」
ピッピちゃんはグシオンの一件を思い出してかそう叫ぶ。
「うわぁ!」
ピッピちゃんがその男の頭に乗って勢い良く突っつき攻撃を始めると、血が滴り始める。
「痛っ!何をするっ!」
「ギャ!お前こそ何の用ギャ!!!」
「俺はウルム国陸軍所属の術兵士ダリオ モルディード少尉!ここの親族であるベルガモ領主代理のシルヴィオ アルカンタルから正式に依頼されここへ出向いたのだ!」
男...ダリオの言葉にピッピちゃんは突っつき攻撃を止める。
「ギャ?ティナちゃんのお兄さんに頼まれたのギャ???」
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サミュエルとピッピちゃんは視線を合わせて同時にそう言う。
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