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chapter5:Whereabouts of the curse
いろいろあるのよ その3
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「創造者にして忠節なる神は慈悲深い方だと言う事を世間に知らしめる為に、リンダウの要人達の減刑と罪深い側妃の子であるリヴェラートを寺院に受け入れさせて貰えるかしら」
「減刑については難しいが第一王子を?...リヴェラートは幽閉させる予定だったが、それも悪くは無いな...」
「王位は決して継がせないとの確約はするし、アーヴァインにもそれ以上の政治利用をさせる事は出来ない様にするわ」
「...別に人質なりだの傀儡を建てるも良いだろうに」
「基本私達は世の政には関与しない立場なのよ?本来なら弟にもそうさせない筈だったけど名目上立場を用意しただけだもの」
「まぁ其方を手に入れる事が出来るならその位はな...」
サヴェリオは笑いながら抱きしめるエステルの頭を頬ずりする。
「ありがとう...エマヌエーレ...」
そう、エステルは言葉を返した。
ーーー
リヴェラートは自室で監禁状態にいた。
今まで王子としての生活を送っていたのに、母であるグラフィーナの愚かな行動故にこうなった事は理解していた。
そう...彼の母が神と信じた邪悪な存在に唆され、愚かな事を行った事をである。
自身も恐ろしい思いをし、首に紋様を刻まれレギオンに乗っ取られてもいた。
リヴェラート自身は父である王にも母である側妃に対しても愛情をかけて貰えずに生活をしていた、むしろ乳母や教師の方が親身になってくれていた。
しかし、その人々も今は来ても貰えない状態だ。
見た目故の王位継承権が無い王子、という評価...しかし顔立ちはサヴェリオにそっくりであり、頭も良い方で術士としての能力持ちだ。
もし王になれなくとも、数少ない王族の一人としての価値が充分にあった。
しかし、悪魔に手を出した母...しかもウルム王家を破滅一歩手前まで追いやったダンダリオンを復活させた罪はいくら騙されたとは言え許されない...謀反も同じだ。
リヴェラートは自身も処刑されるのだろう、と幼いながらも肌で感じ取っていたのだ。
「僕は父上の手により殺されるのだろうか...」
軟禁状態の部屋の窓から外を見る...空はいい天気だが、リヴェラートの気持ちはその空とは対照的なものだった。
ーーー
サヴェリオから約束を取り付け、部屋に戻るエステル。
「サヴェリオ陛下とあんなにも親しい間柄だったのですね」
マキシムはそう尋ねる、自身が知らなかった事だからだ。
「その昔お見合いしたお相手で、他のお相手と違ってしつこかっただけよ?それ以降王様になっても何度か婚姻の申し出が続いたけど、あの時期ディブの事があったからね」
とエステルはため息を吐く。
「減刑については難しいが第一王子を?...リヴェラートは幽閉させる予定だったが、それも悪くは無いな...」
「王位は決して継がせないとの確約はするし、アーヴァインにもそれ以上の政治利用をさせる事は出来ない様にするわ」
「...別に人質なりだの傀儡を建てるも良いだろうに」
「基本私達は世の政には関与しない立場なのよ?本来なら弟にもそうさせない筈だったけど名目上立場を用意しただけだもの」
「まぁ其方を手に入れる事が出来るならその位はな...」
サヴェリオは笑いながら抱きしめるエステルの頭を頬ずりする。
「ありがとう...エマヌエーレ...」
そう、エステルは言葉を返した。
ーーー
リヴェラートは自室で監禁状態にいた。
今まで王子としての生活を送っていたのに、母であるグラフィーナの愚かな行動故にこうなった事は理解していた。
そう...彼の母が神と信じた邪悪な存在に唆され、愚かな事を行った事をである。
自身も恐ろしい思いをし、首に紋様を刻まれレギオンに乗っ取られてもいた。
リヴェラート自身は父である王にも母である側妃に対しても愛情をかけて貰えずに生活をしていた、むしろ乳母や教師の方が親身になってくれていた。
しかし、その人々も今は来ても貰えない状態だ。
見た目故の王位継承権が無い王子、という評価...しかし顔立ちはサヴェリオにそっくりであり、頭も良い方で術士としての能力持ちだ。
もし王になれなくとも、数少ない王族の一人としての価値が充分にあった。
しかし、悪魔に手を出した母...しかもウルム王家を破滅一歩手前まで追いやったダンダリオンを復活させた罪はいくら騙されたとは言え許されない...謀反も同じだ。
リヴェラートは自身も処刑されるのだろう、と幼いながらも肌で感じ取っていたのだ。
「僕は父上の手により殺されるのだろうか...」
軟禁状態の部屋の窓から外を見る...空はいい天気だが、リヴェラートの気持ちはその空とは対照的なものだった。
ーーー
サヴェリオから約束を取り付け、部屋に戻るエステル。
「サヴェリオ陛下とあんなにも親しい間柄だったのですね」
マキシムはそう尋ねる、自身が知らなかった事だからだ。
「その昔お見合いしたお相手で、他のお相手と違ってしつこかっただけよ?それ以降王様になっても何度か婚姻の申し出が続いたけど、あの時期ディブの事があったからね」
とエステルはため息を吐く。
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