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chapter4:Older sister, invasion
悪魔ダンダリオン その6
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「お、坊っちゃん達!」
サミュエルは離宮入り口付近で術士や異端審問官達と一緒にいた。
ただ奇妙な事に、その場には小さな女の子の姿もあり、兵士や術士が介抱していた。
「サミュエルどうしたんですか?」
「どうしたもこうしたも...影を倒し続けて最後チェーンで縛り上げて倒したらこの女の子が出て来たんすよ...どうやらお姫様だって兵士達が言ってるっす」
「え!」
「ガキンチョがおんぶしてる子も...」
「すみません!失礼その子の身体のどこかに悪魔の呪いの紋様があるかもしれません!」
ディビッドがお姫様...王女ドロティーアの元に駆け寄る。
まだ8歳の少女がぐったりしている。
銀色の長い髪のほっそりした少女、着ているドレスも上等のもので、高貴な存在である事は容易に分かる。
「すみませんが女性兵士か術士の方、王女の身体を確認してもらえないですか?呪いの紋様が刻まれている可能性があります」
ディビッドの言葉に女性術士数人が名乗り上げ、ローブで隠しながらドロティーア王女の身体を確認する。
「ありました!司祭殿確認してください」
その言葉を聞きディビッドは近寄り、確認する。
先程のリヴェラート王子と同じ首の位置にベルゼビュートの紋様が刻まれている。
「回復と解呪を行います」
ディビッドは紋様に手を当てて回復と解呪を同時に行うと紋様は綺麗に消えてしまった。
「それにしても...何故王子や王女が...」
術士の一人がそう呟く。
そう...一国の...それもこの大国ウルムの王城に住まう高貴な子供達が何故そのような目にあうのか、しかもこれは囮でしかないだろう。
「...さっきの紋様...側妃様の信仰しているベール神の紋様に似ていた気がします」
別の一人がそう言うとディビッドの顔が険しくなる。
「ベール神だと」
ベール神...ウルム北部に隣接する国や近隣の島々で特に信奉されている豊穣神の名前ではあるが、トラウゴット教にとっては忌むべき悪魔であり『蠅の王 ベルゼビュート』を指す。
それこそ、ハイラント...ディビッドの子孫が倒すと決められた大悪魔の一体である。
ディビッド達は大悪魔を厄介...と言う訳の一つが封印されていてもそうやって人々が大悪魔を『神』として崇拝するからである。
しかし悪魔を崇拝し益を得るならば犠牲が伴うのだ、人の死が関わる程に。
王子と王女を兵士達に託すと、ディビッド達は周囲を見回す。
結界は再度張り直した為無事のはずだが、王子王女に紋様を刻んで操っていた存在がいる筈だ...と周囲を見回すが特に何もない。
「...一度側妃達に探りを入れた方がいいっすかねぇ、坊っちゃん」
「いえ、きっとこんな大掛かりな事をするんですよ?きっとまだあるはず」
そんな会話をしている間に離宮側から大きな音が響く。
「!」
「まさかもう封印されている場所に?」
しかし結界は綻びはしたものの破られてはいないし、術士や兵士は全員無事だ...
「何もかも時間稼ぎだったんじゃ...」
とジョナサンが離宮入り口を見てそう呟く。
「行きましょう...」
ディビッドはそう言って離宮内部へと足を運ぶ、それに続いてジョナサンとサミュエルも共に進むのだった。
サミュエルは離宮入り口付近で術士や異端審問官達と一緒にいた。
ただ奇妙な事に、その場には小さな女の子の姿もあり、兵士や術士が介抱していた。
「サミュエルどうしたんですか?」
「どうしたもこうしたも...影を倒し続けて最後チェーンで縛り上げて倒したらこの女の子が出て来たんすよ...どうやらお姫様だって兵士達が言ってるっす」
「え!」
「ガキンチョがおんぶしてる子も...」
「すみません!失礼その子の身体のどこかに悪魔の呪いの紋様があるかもしれません!」
ディビッドがお姫様...王女ドロティーアの元に駆け寄る。
まだ8歳の少女がぐったりしている。
銀色の長い髪のほっそりした少女、着ているドレスも上等のもので、高貴な存在である事は容易に分かる。
「すみませんが女性兵士か術士の方、王女の身体を確認してもらえないですか?呪いの紋様が刻まれている可能性があります」
ディビッドの言葉に女性術士数人が名乗り上げ、ローブで隠しながらドロティーア王女の身体を確認する。
「ありました!司祭殿確認してください」
その言葉を聞きディビッドは近寄り、確認する。
先程のリヴェラート王子と同じ首の位置にベルゼビュートの紋様が刻まれている。
「回復と解呪を行います」
ディビッドは紋様に手を当てて回復と解呪を同時に行うと紋様は綺麗に消えてしまった。
「それにしても...何故王子や王女が...」
術士の一人がそう呟く。
そう...一国の...それもこの大国ウルムの王城に住まう高貴な子供達が何故そのような目にあうのか、しかもこれは囮でしかないだろう。
「...さっきの紋様...側妃様の信仰しているベール神の紋様に似ていた気がします」
別の一人がそう言うとディビッドの顔が険しくなる。
「ベール神だと」
ベール神...ウルム北部に隣接する国や近隣の島々で特に信奉されている豊穣神の名前ではあるが、トラウゴット教にとっては忌むべき悪魔であり『蠅の王 ベルゼビュート』を指す。
それこそ、ハイラント...ディビッドの子孫が倒すと決められた大悪魔の一体である。
ディビッド達は大悪魔を厄介...と言う訳の一つが封印されていてもそうやって人々が大悪魔を『神』として崇拝するからである。
しかし悪魔を崇拝し益を得るならば犠牲が伴うのだ、人の死が関わる程に。
王子と王女を兵士達に託すと、ディビッド達は周囲を見回す。
結界は再度張り直した為無事のはずだが、王子王女に紋様を刻んで操っていた存在がいる筈だ...と周囲を見回すが特に何もない。
「...一度側妃達に探りを入れた方がいいっすかねぇ、坊っちゃん」
「いえ、きっとこんな大掛かりな事をするんですよ?きっとまだあるはず」
そんな会話をしている間に離宮側から大きな音が響く。
「!」
「まさかもう封印されている場所に?」
しかし結界は綻びはしたものの破られてはいないし、術士や兵士は全員無事だ...
「何もかも時間稼ぎだったんじゃ...」
とジョナサンが離宮入り口を見てそう呟く。
「行きましょう...」
ディビッドはそう言って離宮内部へと足を運ぶ、それに続いてジョナサンとサミュエルも共に進むのだった。
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