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chapter4:Older sister, invasion

夜会 その1

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宮殿のすごい広いダンスホール内。

謁見の間もなかなかの広さだったけど、ここもすごい広いしシャンデリアは豪奢だし、内装はほぼ黄金色で光り輝いてて、何だかすごいわねぇ...一体いくらかかったのかしら。

ここの天上は有名画家がウルム国で信奉されてた神話をモチーフにした絵画が描かれているけど、さっきちらりと『この絵はその内トラウゴット教の内容の物に変えられるだろうね』って噂話が聞こえてきたわ...

まぁサヴェリオ陛下は国教をトラウゴット教にするって決めたからかしらね。

すごい素敵な絵で勿体無い気もするけど、この絵のモチーフの元が悪魔なら仕方ないのかもね。

「ティナ!」

天上の絵を見ているといつもの柔らかい声、スザンナだわ!

「スザンナ!」

「人が多くて探したのよ~良かった!」

やっぱりスザンナと一緒だとホッとできるわね!

「私もよ、謁見の間の事もあったから、怖くて帰られた方も居るようだし」

周囲を見回すといつもこう言う場で見るいけ好かない子達が居ないしね。

「そうよね、いつも居る子とかいないものねぇ」

「まぁ陛下も護らずに謁見の間から逃げた人達を追い出したみたいな事、さっき噂で耳にしたしね」

「ええ!」

まぁ怖い!でもあの迫力のサヴェリオ陛下ですもの、やりかねない気がするわ。

「あ...それでね、さっきの悪魔を倒していた人達の事なんだけどね」

ドキッ!もしかしてスザンナ気がついちゃったのかしら???

「ど...どうしたの?」

「あの四人の中で一番背が高い人なんだけども...」

とスザンナが言いかけた時に場がざわつき始めたわ、あ!サヴェリオ陛下がやって来られたのね!

陛下が演壇に立つから頭を下げる。

「皆の者、顔を上げよ...余に忠誠を誓った臣民の顔を見たい」

その声を受けて顔を上げる、サヴェリオ陛下はとても機嫌がいいみたい。

「さぁ今宵は楽しむが良い」

サヴェリオ陛下はそう言って微笑みを浮かべるわ。

そんな中、入り口付近がざわつく。

ふと其方を見るとエステルお姉様がとても綺麗なドレスを身につけて現れたわ!

それこそ白から薄い水色のグラデーションの入った素敵なマーメイドタイプのドレスでスタイルが良いからとても綺麗に見えるわ....

そしてお姉様をエスコートしているのは...ディビッド!

深い藍色のロングコートの夜会服が何だか王子様みたい...すごい手の込んだ銀の糸で刺繍されているわね。

「あ、もしかしてディビッドさんとエステルさんって」

とスザンナは驚きながら二人を見てるわ。

「そうなのよ」

と私的には何とも言えない顔で言うしかなかったわ。

それにしても並んで歩く姿、やっぱり素敵よね。

その二人後ろにはマキシムさん達3人がさっきと同じ姿でついて来ているわね。

ディビッドはエステルお姉様を陛下の元へ連れて行くと、エステルお姉様の手をサヴェリオ陛下が取るわ。

「エステル、その姿も美しいな」

「ありがとうございます、陛下」

「其方は余の妻ぞ?エマヌエーレと...」

陛下がファーストネーム呼びをさせようとするなんて...正妃様ですら呼ばせないのに、寵愛が伺えるわ。

周囲の参加者も騒つくわね。

今日この場で正妃様は身重だからだけど、側妃様達も姿を見せない所を考えると、エステルお姉様をそばに置きたいからなのかしら...

正妃様のご親族の方...特にロンターニ公爵は何だか怪訝そうな顔をしてるわ。

「ザイオン卿、其方は其方でエスコートしたい者が居たのに今宵は余の妻のエスコートすまぬな...」

「いいえ、それにこれから向かうので」

とディビッドは微笑を浮かべてそう言うわね。

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