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chapter4:Older sister, invasion

上級異端審問官 その7

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ディビッドは店付近で馬車から降りて、徒歩で店に戻って二階の住居スペースに戻ると何だか騒がしい。

扉を開けると何故かジョナサンだけで無く、マキシムとサミュエルがリビングのソファーに座って何処からか買って来たであろう大量のピザやらチキンやらを広げていた。

「何で私の家で勝手にパーティーやってんですか...」

ディビッドは呆れ顔で着ていた司祭服を脱いでハンガーにかける。

「だってここが一番気軽に出来るからなぁ」

とピザを美味しそうに頬張るマキシム。

「そーそー流石にホテルの中じゃこんな風に出来ねぇっすから」

エアヴァルドから持って来たであろう麦酒を瓶のまま煽るサミュエルはなんだかご機嫌だ。

「ディビッド...ごめん」

肩身の狭そうなジョナサンは元の大柄の姿なのになんだか縮こまって誰よりも小さく見える。

「全く...」

ディビッドはそう言ってソファーの空いてる場所に、サミュエルの隣にどっかり座ってチキンを一切れ手に取って口にする。

「坊ちゃん食べて来たんじゃ無いっすか?」

「あそこの食事はほぼ菜食ですよ、ロストックですらもっと肉が出てるのに...身体が持ちませんよ」

チキンをむしゃむしゃとかぶりついて食べるディビッド、先程の食事会の時と違って行儀が悪い。

「まぁ俺たちみたいな肉体労働にはあの食事内容じゃ足りんからなぁ」

「マキシムはいつも人の3倍食べるじゃないですか...ジョナサンですらそんなに食べないのに...燃費が悪すぎですよ」

まぁ確かに一番大柄のジョナサンもせいぜい成人男性の1.5倍くらいで済ませている。

「まーまー坊ちゃん、ピザ食いましょう」

とサミュエルはディビッドにピザを一切れ口に突っ込ませようとする。

「辞めて下さい!気持ち悪い」

実を言うと男が子供以外に給餌行動をするのは、エアヴァルドでは相手に対して性行為を誘う意味合いを持つ。

流石に嫌いなサミュエルにそんな事をされるなんて屈辱以外の何でも無いのだ。

まぁディビッドは積極的にバレンティナにそれを行っていたわけでもあるが。

「んな事言わずに~」

「これだから酔っ払いは嫌なんですよ!」

とクリアランスをかけてサミュエルの酔いを強制的に醒す。

「あー良い気分になってたのに~」

と酔いが醒めてしまい、無理矢理突っ込もうとしたピザを自分で食べはじめる。

「なんなら坊ちゃん、ボクあのお嬢様に変身しちゃいましょうか」

とバレンティナの声色でサミュエルが言うとディビッドの瞳が真っ赤に染まる。

「絶対辞めろ...」

「はは、冗談っすよ~」

低い声で今にも殺しそうな目でサミュエルを見つめるディビッドにサミュエルは笑いながらそう言う。

「まぁ二人とも喧嘩はやめとけ」

マキシムが今にも首を絞めかねそうなディビッドを止める。

「まぁ落ち着けよ...久々に四人で顔合わせたんだし」

ジョナサンも二人に冷静になるように促す。

「...まぁこの場所で殺し合いなんてしたくはないですからね」

とディビッドは不機嫌そうに二つ目のチキンを掴んでまたむしゃむしゃと食べるのだった。
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