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chapter3:Travel Emotions Bergamo

VSアンドラス その1

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アンドラスは黒い霧を集め、大きなオオカミの様な化け物と大剣を産み出す。

オオカミに跨り剣を片手に振り回すと、ゴウッと砂嵐が発生する。

「ディビッド!」

マキシムは大盾を構えてディビッドとその嵐をガードするが、そのままアンドラスは砂嵐の中突進してくる。

ガツン!と盾で剣撃を守るも衝撃が強くよろけてしまう。

「ぐっ!」

マキシムは踏ん張るも足元が砂地故に安定しない。

「人的被害を抑える為とは言えっ!足元が厳しいな!!!」

「それでも何とか堪えて下さい!」

アンドラスは猛スピードで距離を取って再度攻撃を仕掛けてくる。

砂地という悪条件にアンドラスは騎乗しているオオカミのスピードに剣撃を乗せているため、守りに特化したマキシムとは言え辛い所だ。

「こうなったら...」

アンドラスが一回離れて再度此方へ向かおうとした瞬間、ディビッドはエクソダス1922を構えて聖典の一節を読む。

『強欲な者よ!その強欲ゆえに邪悪な企みをくわだてる者よ、その心を神は憎まれる!その者の所有物は全て蝗によって食い荒らされるであろう!』

蝗の災厄の一節を読み上げるとアンドラス目掛けてイナゴの大群が一斉に襲いかかる。

鋼をも砕く顎を持つイナゴに襲われるアンドラスは叫ぶ。

『小癪なぁ!』

イナゴを持っている剣で蹴散らすも、それなりにダメージを与えている様子で身体中黒い霧が漏れている。

その隙を突いてややアンドラスに近づいてディビッドはショットガン化したエクソダス1922の引き金を引くと、拡散する光る弾丸がアンドラスの載っているオオカミに命中し、オオカミが実体を維持出来なくなる。

『何ぃ!』

オオカミの姿が消えてしまうとアンドラスはそのまま砂地に立つ。

「アンドラスの脚は封じました!マキシム!」

「応!」

マキシムはアンドラスの近くへ盾を構えて進む、その後ろをディビッドが付いていく。

『小癪なぁ!小癪なぁあああああ!』

アンドラスは怒号を上げて剣を振るが、マキシムが全てガードする。

『こうなれば...』

とアンドラスは距離を置き、 剣を掲げると円陣が現れる...あれは禁呪!

『さぁ憎しみを増長させよ!友や家族や恋人も殺し合うがいい!!』

禁呪が展開して発動する...しかしディビッド達三人には全く効いていない様子だ。

「...ははっ」

ディビッドから笑いが漏れる。

『効かぬ???』

「300年も眠り込んでて頭が腐ってしまったんですかね???貴方のやり口対策くらいしっかりおこなってますよ」

とディビッドはシャツの袖につけた純銀製のカフスを見せる。

「加護も勿論ですが、精神攻撃を無効にさせる為のアクセサリーを気軽に付けられる時代になったんですよねぇ、昔と違ってね...まぁそこのマキシムに関しては鎧に施されてますがね」

そう、それこそ悪魔討伐を主としている上級異端審問官には禁呪による精神作用を受ければ被害が甚大になる....だから対策として精神攻撃を完全に無効にさせる装備品は必ず着ける様にしているのだ。

因みに気軽にディビッドは言ってはいるが実際無効レベルの技術が確率されたのはつい最近、ジョナサンがディビッドの案をヒントに錬金と術式付与と言った高度な技術に司祭の加護を混ぜて作成したものなのだ。

それまでは術式で解除や司祭のクリアランスで凌ぐか、加護のある装備品を地下墓地などで手に入れるかしか無かったためで、実はディビッドの「こんなゾンビやスケルトンが持ってた古臭くてダサい服着たく無い」とわがままから誕生したのは秘密でもある。
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