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chapter3:Travel Emotions Bergamo
封印都市エルコラーロ その5
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「ようこそエルコラーロ要塞へ!むさ苦しい場所で悪いが歓迎するぞ」
そこにはザナージ大佐が待っていた。
「急きょの願いを聞き入れて下さり感謝ですね」
「はは、何を言うか?あのアンドラスを更に封じてくれるなんて此方としては万々歳さ」
そう言って施設内部へと招かれる。
「まぁ一昨日顔を合わせた面々が今回担当する形だ、何せここに隠りきりだといろいろ疲れるから基本交代制でやってるんでな」
結界術は常に結界を張り続ける必要があるため、一日せいぜい頑張っても休憩を入れて8時間が限界であり、何十人もの術士で交代しながら行う必要がある。
「アンドラスの封印部屋に入るのは結界術を交代する時間でと決まっているんだ...だからもう暫くは休んでくれ、おい!客人に茶を」
ザナージは部下に指示を出して、お茶を用意する。
「まぁここの話は『白の射手』貴方なら良く知ってるかもだが、それこそ300年前賢者マテウスが悪魔アンドラスを打ち倒し、封じる事に成功した場所...しかしアンドラスは自身の封印式の解放には術士の血を...そして受肉に賢者の肉を望む...それこそ貴方みたいな紫色の瞳の...」
そうザナージはディビッドを指さす。
「...まぁ私の祖先の1人だったらしいですからね」
ディビッドはそう語る...姉や聖典の話と共に散々聞かされていた話の一つだからだ。
「マテウスが養子として迎えた子供...その子の実の父親がアンドラスの受肉の媒介の犠牲となった...何とも運命的な話だ」
「運命...いいえ因果ですよ」
「因果?」
「そうです、『原因』があってその『結果』がある...私の祖先の1人がその犠牲となった故に、その血が流れる私や私の子孫にはアンドラスと『因果』が生じたんです...だからアンドラスを『倒す』ための『因果』があるんです」
「何だか難しいな?」
「まぁそうですよねぇ...私もイマイチその辺は分からないですもの」
「分からない?」
「確かに歴史で学んでますし、姉上から散々その話は聞かされてますが私自身の体験じゃ無いですからね...正直そこまで思い入れとか無いんです、でも私や私の子孫はそれに縛られているんですよ...アンドラスを滅ぼすまではね」
「じゃあ貴方がアンドラスを滅ぼす事も?」
「神が『そう』望んだ時にはですね」
「?」
「お分かりの通り私は受肉した悪魔しか滅ぼす事ができませんし、今の状況では復活はまず考えられませんしね」
「そうか...」
ザナージはふむ、と一応納得する。
「それに私やこの2人は加護があるんで、絶対に受肉の対象にはならないですからね」
お茶が用意されたので、それをディビッドは口にする。
「ああ、良い香りのお茶ですね」
そうディビッドはニコニコとした表情を見せた。
そこにはザナージ大佐が待っていた。
「急きょの願いを聞き入れて下さり感謝ですね」
「はは、何を言うか?あのアンドラスを更に封じてくれるなんて此方としては万々歳さ」
そう言って施設内部へと招かれる。
「まぁ一昨日顔を合わせた面々が今回担当する形だ、何せここに隠りきりだといろいろ疲れるから基本交代制でやってるんでな」
結界術は常に結界を張り続ける必要があるため、一日せいぜい頑張っても休憩を入れて8時間が限界であり、何十人もの術士で交代しながら行う必要がある。
「アンドラスの封印部屋に入るのは結界術を交代する時間でと決まっているんだ...だからもう暫くは休んでくれ、おい!客人に茶を」
ザナージは部下に指示を出して、お茶を用意する。
「まぁここの話は『白の射手』貴方なら良く知ってるかもだが、それこそ300年前賢者マテウスが悪魔アンドラスを打ち倒し、封じる事に成功した場所...しかしアンドラスは自身の封印式の解放には術士の血を...そして受肉に賢者の肉を望む...それこそ貴方みたいな紫色の瞳の...」
そうザナージはディビッドを指さす。
「...まぁ私の祖先の1人だったらしいですからね」
ディビッドはそう語る...姉や聖典の話と共に散々聞かされていた話の一つだからだ。
「マテウスが養子として迎えた子供...その子の実の父親がアンドラスの受肉の媒介の犠牲となった...何とも運命的な話だ」
「運命...いいえ因果ですよ」
「因果?」
「そうです、『原因』があってその『結果』がある...私の祖先の1人がその犠牲となった故に、その血が流れる私や私の子孫にはアンドラスと『因果』が生じたんです...だからアンドラスを『倒す』ための『因果』があるんです」
「何だか難しいな?」
「まぁそうですよねぇ...私もイマイチその辺は分からないですもの」
「分からない?」
「確かに歴史で学んでますし、姉上から散々その話は聞かされてますが私自身の体験じゃ無いですからね...正直そこまで思い入れとか無いんです、でも私や私の子孫はそれに縛られているんですよ...アンドラスを滅ぼすまではね」
「じゃあ貴方がアンドラスを滅ぼす事も?」
「神が『そう』望んだ時にはですね」
「?」
「お分かりの通り私は受肉した悪魔しか滅ぼす事ができませんし、今の状況では復活はまず考えられませんしね」
「そうか...」
ザナージはふむ、と一応納得する。
「それに私やこの2人は加護があるんで、絶対に受肉の対象にはならないですからね」
お茶が用意されたので、それをディビッドは口にする。
「ああ、良い香りのお茶ですね」
そうディビッドはニコニコとした表情を見せた。
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