151 / 841
chapter3:Travel Emotions Bergamo
封印都市エルコラーロ その2
しおりを挟む
封印式の構築方法を細かく書き留める術士達は、自身が行うならと思うも難しいだろうなと、ため息をつく...確かに原理などとても良くわかるが、この規模をたった二人で組むなんて無茶だと思うのだ。
しかしそんな中一人の青年だけはその構築方法に対して他の見方をしていた。
結界を担当する術兵士の一人である、セルジオ ジーナ曹長である。
背はそこそこ、髪はやや赤みを帯びた茶色でオレンジ色の瞳の地味目な青年、スペルソードマスターの称号持ちでもある。
彼は封印式の解放についての方式を密かに探る事...研究者として単に知識欲の為にやっている。
悪魔の犠牲や人間が組んだ時間以外に解放させる方法、組む事ができれば解放させる方法だってあるだろうと思い、いつも封印式を見ては解放する方法を頭に回らせていたのだ。
まず基本部分は変わらないからこの中心の複雑な部分を別の式で組み変えれば...いや、きっとそんな簡単には出来ないか?
中心部をじっと読み解き、セルジオは考える。
「気になりますか?」
と後ろから声をかけられてびっくりし後ろを振り向くと、その封印式を編み出したディビッドがニコニコしていた。
「あ!いやなかなか面白い封印式だなと」
「まぁ普通こんな式考えませんもんね、普通なら5、6人で組む用に分割させるのを前提にするけど基本図以外は全部一人で組みますからね、その分ムラが無いんですよ」
整った顔立ち...アメジストの様な瞳の青年の微笑みにどきりとするセルジオ、女性よりも美しくて色気のある青年に同性ながらも見惚れてしまう。
「綺麗な...」
ついセルジオはそう口に出す。
「?」
「あ!綺麗な封印式で!」
「はは、そう言って下さると嬉しいですね!」
自分で何を言ってるんだと驚くセルジオ、自身が女性ならきっと惚れてしまいそうだ...と思ってしまう。
「おい、ディビッド...」
大柄の鎧兜姿の男にその青年、ディビッドは呼ばれてそちらへ向かう。
大柄の鎧兜姿の男と、更に背の高い男の3人で何か話をしている姿をセルジオは見つめる。
「では私達は一度戻ります、明日エルコラーロで」
と微笑み去っていくディビッド達。
「いやぁ、封印式を組み上げるわ悪魔を倒すわで有名な『白の射手』...あんな色男で赤を宿す瞳持ち...とんでもないハイスペックだよなぁ」
セルジオの同僚はそう言って笑う。
「綺麗な人ですよね...」
「ん?まさか惚れたとか」
「まさか!」
流石に自身はノーマルだ、男に惚れる事は無いと思う。
「はは、でもきっともう婚約してんだろうな、左薬指に婚姻の契り印刻んでるし、思うにかなり嫉妬深いタイプなんだろうなぁ」
「?」
「制約印知らないか?あれは両方の浮気防止の印みたいなもんで、かける側と受ける側で印の図柄がちょっと違うんだ、で『白の射手』はかける側の印...まぁ相手の事が好きすぎて囲う為に刻んだ可能性が高いと見た!」
「ええ?あんな綺麗な人が?」
あの見た目で浮気はされないだろう?とセルジオは思う。
「いやぁあれは嫉妬深くて裏切りとか絶対許さないヤバい男だよ、普通契り印はどちらかが死ぬまで有効だが、あれ自分が死んでも相手側に制約を続ける様にしてるしな...自分が死んでも他の男に渡すものかってとんだ執着心だよ」
「ええ?」
「封印式とか勉強する上でその辺の制約印の勉強もしておくのも手だぞ?結構通じるものがあるからな...まぁその辺って『彼の神』の司祭職の十八番だからそのあたりも勉強する事になるがな」
同僚は笑いながら封印式の図案を見る。
「天才なんてどっか欠けてるって言うけど、あの男はそこが欠けてるんだろうなぁ...ああ怖い怖い」
同僚はそう呟く...ただセルジオはとてもそう思えなかった。
しかしそんな中一人の青年だけはその構築方法に対して他の見方をしていた。
結界を担当する術兵士の一人である、セルジオ ジーナ曹長である。
背はそこそこ、髪はやや赤みを帯びた茶色でオレンジ色の瞳の地味目な青年、スペルソードマスターの称号持ちでもある。
彼は封印式の解放についての方式を密かに探る事...研究者として単に知識欲の為にやっている。
悪魔の犠牲や人間が組んだ時間以外に解放させる方法、組む事ができれば解放させる方法だってあるだろうと思い、いつも封印式を見ては解放する方法を頭に回らせていたのだ。
まず基本部分は変わらないからこの中心の複雑な部分を別の式で組み変えれば...いや、きっとそんな簡単には出来ないか?
中心部をじっと読み解き、セルジオは考える。
「気になりますか?」
と後ろから声をかけられてびっくりし後ろを振り向くと、その封印式を編み出したディビッドがニコニコしていた。
「あ!いやなかなか面白い封印式だなと」
「まぁ普通こんな式考えませんもんね、普通なら5、6人で組む用に分割させるのを前提にするけど基本図以外は全部一人で組みますからね、その分ムラが無いんですよ」
整った顔立ち...アメジストの様な瞳の青年の微笑みにどきりとするセルジオ、女性よりも美しくて色気のある青年に同性ながらも見惚れてしまう。
「綺麗な...」
ついセルジオはそう口に出す。
「?」
「あ!綺麗な封印式で!」
「はは、そう言って下さると嬉しいですね!」
自分で何を言ってるんだと驚くセルジオ、自身が女性ならきっと惚れてしまいそうだ...と思ってしまう。
「おい、ディビッド...」
大柄の鎧兜姿の男にその青年、ディビッドは呼ばれてそちらへ向かう。
大柄の鎧兜姿の男と、更に背の高い男の3人で何か話をしている姿をセルジオは見つめる。
「では私達は一度戻ります、明日エルコラーロで」
と微笑み去っていくディビッド達。
「いやぁ、封印式を組み上げるわ悪魔を倒すわで有名な『白の射手』...あんな色男で赤を宿す瞳持ち...とんでもないハイスペックだよなぁ」
セルジオの同僚はそう言って笑う。
「綺麗な人ですよね...」
「ん?まさか惚れたとか」
「まさか!」
流石に自身はノーマルだ、男に惚れる事は無いと思う。
「はは、でもきっともう婚約してんだろうな、左薬指に婚姻の契り印刻んでるし、思うにかなり嫉妬深いタイプなんだろうなぁ」
「?」
「制約印知らないか?あれは両方の浮気防止の印みたいなもんで、かける側と受ける側で印の図柄がちょっと違うんだ、で『白の射手』はかける側の印...まぁ相手の事が好きすぎて囲う為に刻んだ可能性が高いと見た!」
「ええ?あんな綺麗な人が?」
あの見た目で浮気はされないだろう?とセルジオは思う。
「いやぁあれは嫉妬深くて裏切りとか絶対許さないヤバい男だよ、普通契り印はどちらかが死ぬまで有効だが、あれ自分が死んでも相手側に制約を続ける様にしてるしな...自分が死んでも他の男に渡すものかってとんだ執着心だよ」
「ええ?」
「封印式とか勉強する上でその辺の制約印の勉強もしておくのも手だぞ?結構通じるものがあるからな...まぁその辺って『彼の神』の司祭職の十八番だからそのあたりも勉強する事になるがな」
同僚は笑いながら封印式の図案を見る。
「天才なんてどっか欠けてるって言うけど、あの男はそこが欠けてるんだろうなぁ...ああ怖い怖い」
同僚はそう呟く...ただセルジオはとてもそう思えなかった。
0
お気に入りに追加
346
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



【R18】仲のいいバイト仲間だと思ってたら、いきなり襲われちゃいました!
奏音 美都
恋愛
ファミレスのバイト仲間の豪。
ノリがよくて、いい友達だと思ってたんだけど……いきなり、襲われちゃった。
ダメだって思うのに、なんで拒否れないのー!!

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ヤンデレ義父に執着されている娘の話
アオ
恋愛
美少女に転生した主人公が義父に執着、溺愛されつつ執着させていることに気が付かない話。
色々拗らせてます。
前世の2人という話はメリバ。
バッドエンド苦手な方は閲覧注意です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる