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Chapter2:Jealous lover

闇オークション その5

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『なんて無茶苦茶な...ディビッドといい線言ってるぜ...』

「ギャ!暴力的ギャ!」

ジョナサンとピッピちゃんは屋敷に入るとそこは血の海と化しており、見回すとそこかしこにガードマン達が倒れていた。

『あ!』

倒れている1人...先に潜入させていたガードマンに変装させていた異端審問官を見つける。

『大丈夫か!司祭ブライアン!』

司祭ブライアンは鈍器で殴られて血塗れ姿だ。

『ジョナサン様...は...はい...気を失う前に回復をさせたので大丈夫です...暫く気絶したふりをしてました...』

『一体誰が???』

『実際乱入してきた男達は10人でしたが、暴れていたのは実質1人でして、その男にバールのようなもので...』

『バールのようなもの???』

「ギャ!ギャ!奴が!奴が!」

ピッピちゃんが騒ぐ!

『ディビッド達と合流しないと...じゃあ司祭ブライアン、早く脱出して他の異端審問官に結界を強める様に頼む!』

そう言ってジョナサンは立ち上がり、血で汚れた足跡を追う...きっとその先に会場があるだろうから。


───

「死ねやゴラァ!」

手当たり次第にシルヴィオはバールのようなものを振り回して、ガードマンだろうが参加者だろうが誰彼構わず殴り倒していった。

その中でシルヴィオは主催者である如何にも成金でゴテゴテした装飾品を身につけた貧相な男、ソルディーニ子爵を見つけ、走り出し子爵の脳天にバールのようなものを叩きつけようとする。

「やめろ!」

マキシムが飾られていた剣を取り、子爵を守る様にシルヴィオの攻撃を受け止めた。

ガツンと音が響くと何とエッジ部分が欠けてしまう。

「何て力だ!」

「おーおー俺の攻撃受け止めるとかやるなぁ!」

ガツンガツンと剣とバールのようなものと鍔迫り合いをするも、剣が段々ひしゃげてくる。

「なまくらな剣だなっ!くそっ!」

いつもマキシムが使っている大剣や剣は、悪魔の攻撃をガードしつつ斬り払う為に、ダマスクス鋼製の厚みのあるそうそう刃こぼれしない頑丈な物を使っているのだが、流石に今日は近くには置いてはいない。

「冷静になれ!どうせここにいる全員は法の元に裁かれる!」

「関係ねぇわ!俺のファミリーに手ェ出したんだ!オトシマエはつけて貰う!」

そう言い合いながらマキシムとシルヴィオは、面と向かってジリジリとどちらが先に攻撃するかタイミングを伺いながら睨みあう。

そんな大騒ぎしている隙を見て、ディビッドはバレンティナが囚われている檻まで近づき、鍵を外した。

「????」

ディビッドは檻に入るが、バレンティナは後退る。

「ティナ?私です」

「!」

ディビッドはモーニングを脱いでバレンティナの肩へかけて、首輪を外す。

ジャケットを脱ぐとショルダーホルスターを着けていた、何かあった様に銃は装備していたようだ。

「ディビッド!ディビッド!」

バレンティナはディビッドに抱きつく。

「ティナ...」

「大変なのよ!リュシフェルが!『禁呪の書き板』を誰かに!」

「リュシフェル???」

そんな2人に後ろから声が。

「おいお前!」

振り向くとそこにはダリオが立っていた。

「ダリオ!」

「バレンティナ嬢!こちらへ!」

そうダリオは手を差し伸べるが、バレンティナはディビッドから離れない。

「何故???」

ダリオはディビッドを睨む...術式の気配を察知し見た目が変化している事にダリオは気がつく。

「お前...例のパティシエか...いや...上級異端審問官」

そう言われると、やれやれと言いたいかの様にディビッドはため息を吐いて、マスクを外し髪を留めてたピンを取り、元の髪色に戻す。

「バレては仕方ないですねぇ」

「何でこんな所に!」

ダリオがそう叫んだ時...奴が現れた。

『ハハハ!強欲!憤怒!嫉妬!アアなんて愉快!』

まるで舞台俳優の様に現れる燕尾服の男、明けの明星リュシフェル。

「誰だ...貴様...」

ダリオはロッドを構えて、術式を組もうとする。

「リュシフェル...」

ディビッドはバレンティナを背にし、守る様な大勢を取り、2丁の銃を抜き構えた。
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