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chapter1:Shall We Dance?

銭ゲバ令嬢婚約破棄される

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「バレンティナ!君とは婚約破棄する、この愛らしいビビアナに対して数々の狼藉、全て知っているぞ」

と婚約者であるグランジェルス公の子息エスタバン様から言い渡される。

エスタバン様は見た目だけは素敵ではある。
輝かんばかりの美しい金髪にサファイアブルーの瞳、顔立ちも甘いイケメン...しかし阿保なのだ...とてつもなく...ハニトラに引っかかるとか...はぁ。

エスタバン様の傍にはアランナ男爵令嬢ビビアナがまるで小鹿ちゃんのようにうるうるとした瞳で此方を見つめている。

ビビアナは確かにかわいい...ピンクゴールドのふわふわの髪にうさぎちゃんみたいなルビーの瞳、なんて言うか庇護欲がそそられる小鹿ちゃん系って感じなんだろうけど...ピンクのドレスは谷間がまぁわかる作りで...まぁ腐れビッチだしね...だって私の婚約者だけでなく他の令嬢の婚約者にも手を出してた訳よ...最悪...

きっとその中でも1番地位とお金を持ってるエスタバン様を選んだのね...

いやいやあの腐れビッチ、人様の婚約者にコナをかけて掠め取るから注意しただけで何!しかもエスタバン様!なんでアンタその腐れビッチと抱き合ってる訳よ!

そもそも狼藉って何よ?訳がわからないわ!

「エスタバン様!婚約破棄などど申しますがお父上である公爵閣下からそのお話はされてらっしゃるのですか!」

「真実の愛が有ればその様な障害乗り越えられる」

あーやっぱりエスタバン様は阿呆だわ...お立場って奴を理解してらっしゃらないわ...あんたウルム国の公爵の御子息なのよ!国を引っ張る1人になる方なのよ...本当は阿呆で嫌だけど公爵夫人の座だけが魅力で婚約を了承したものの...ダメだわ...最悪だわ!

「とにかくバレンティナ!お前は影でビビアナを虐めぬいていたであろう!」

「は!何よそれ!虐めてもいないし!」

あ!うっかり地が出ちゃいましたわ!

「嘘を吐くな!ビビアナが泣いていたんだぞ!」

「エスタバン様こわぁい~」

「ああビビアナ...あの女を断罪したらすぐにでも婚約しよう」

そんな頭が痛くなる茶番劇が広げられた中、ばん!とダンスホールの扉が開く。

そこには大体20代くらいの黒と白のトラウゴット教の長めのコート風の司祭服(キャソック)を着たの男だ。
茶色の髪はやや癖があり、特に印象的なのが切長の目でアメジストのような深い紫の瞳...整った顔立ちの青年だ。

司祭服の腕には腕章があり、白い弓のデザインの物があしらわれている。

司祭服の男はにこやかな笑顔のままパチパチと拍手のように手を叩く。

「いやいやいや、なかなかの役者ですねぇ、下手くそすぎて涙が出そうです」

スタスタと司祭服の男は進んで来る。

「なんだなんだ!その姿トラウゴット教の司祭では無いか?結婚式の営業か?」

「あー私そういうのはやらないんですよ...今日はそこのお嬢さんに用事がありましてねぇ」

そう言い出すと着ていた司祭服からカチャリと銀色に輝く2丁の拳銃を取り出す。

「なっ!」

拳銃をビビアナに向けながら司祭服の男はニコニコしながら向かってくる。

「アランナ男爵令嬢ビビアナ...いいや淫欲の悪魔フールフールよ、多数のウルムの貴族の子息の精を随分受けたみたいですねぇ、貴様の邪悪な淫魔の匂いが酷いですよ」

「貴様!何を...」

エスタバン様が言いかけるも司祭服の男がそれを遮る。

「学生諸君!今からここは戦場になるのでお逃げなさい!」

司祭服の男は左手に持つ拳銃を天井に向けてパァン!と放つ、その音にダンスホールにいる生徒たちは悲鳴を上げながら一斉に逃げ出す。

私は初めて聞く発砲音に驚いてしまって逃げる事も忘れて立ち尽くしてしまった。

それにビビアナが悪魔?何が何だかわからないんだけど!
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