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第三話
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それから母のいない生活が始まった。父はいなくなった母親の分まで埋めようと必死だった。
あずさの住んでいる所は小さな田舎町。昔は離婚が珍しく町中には父と母が離婚した事が一気に噂となった。
今の時代の様に周りに離婚した家族はいなかったことで、あずさの学校の友達にも噂は広がっていってしまった。
学校の行事に、父が来ることによって噂は本当なんだと町中の人は噂から確信に変わっていった。
母親が来る事が当たり前の時代。
あずさの家だけいままで来ていた母の姿はなく、父が来ている。
クラスのみんなは、自分の母親に手を振って喜んでいる。
あずさだけは父が来ている恥ずかしさ。
母が来てない寂しさ悔しさ。
そして憎しみの感情を初めて知ることとなった。
それからあずさは、父に学校の行事には来ないでと言っても父は一度も欠かすことなく参加した。
遠足やお弁当持ちの日には、父が作ったお弁当を持たされ、クラスのみんなは可愛い色鮮やかなお弁当のおかず交換をしている。
いまのあずさのお弁当は可愛さのない茶色一色のお弁当。
誰に見せることもなくお弁当を蓋で隠しながら憎しみと共に急いで食べた。
母がいた時には「明日のお弁当のおかずなに入れてほしい?」
「甘い玉子焼き」「ハムにカイワレ大根巻いたもの」「この二つは絶対作ってね」
そんな会話をしていた。
この二つは母が作った定番のお弁当のおかずであり、あずさにとってもこのおかずが入っているのが母のお弁当でした。
母が作ったお弁当を持って行く日はお弁当の蓋を開けるまで楽しみでみんなと交換する楽しさもあり
幸せな一日でした。
しかし、お弁当持ちの日は幸せから地獄へと変わった。
そんな普通の当たり前の事が一瞬にしてなくなる。
母が居なくなったせいであずさの笑顔も一瞬にして奪われた。
父の気持ちとあずさの気持ちにズレが出ていた。
この時あずさの頭の中はいろいろな感情や疑問でいっぱいになっていた。
母に対しての憎しみを父に対してまで憎しみが生まれてしまった。
そんな毎日を送りながら徐々に色ずく仮面を着けながら、あずさも中学生になろうとしていた。
あずさの住んでいる所は小さな田舎町。昔は離婚が珍しく町中には父と母が離婚した事が一気に噂となった。
今の時代の様に周りに離婚した家族はいなかったことで、あずさの学校の友達にも噂は広がっていってしまった。
学校の行事に、父が来ることによって噂は本当なんだと町中の人は噂から確信に変わっていった。
母親が来る事が当たり前の時代。
あずさの家だけいままで来ていた母の姿はなく、父が来ている。
クラスのみんなは、自分の母親に手を振って喜んでいる。
あずさだけは父が来ている恥ずかしさ。
母が来てない寂しさ悔しさ。
そして憎しみの感情を初めて知ることとなった。
それからあずさは、父に学校の行事には来ないでと言っても父は一度も欠かすことなく参加した。
遠足やお弁当持ちの日には、父が作ったお弁当を持たされ、クラスのみんなは可愛い色鮮やかなお弁当のおかず交換をしている。
いまのあずさのお弁当は可愛さのない茶色一色のお弁当。
誰に見せることもなくお弁当を蓋で隠しながら憎しみと共に急いで食べた。
母がいた時には「明日のお弁当のおかずなに入れてほしい?」
「甘い玉子焼き」「ハムにカイワレ大根巻いたもの」「この二つは絶対作ってね」
そんな会話をしていた。
この二つは母が作った定番のお弁当のおかずであり、あずさにとってもこのおかずが入っているのが母のお弁当でした。
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母が居なくなったせいであずさの笑顔も一瞬にして奪われた。
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この時あずさの頭の中はいろいろな感情や疑問でいっぱいになっていた。
母に対しての憎しみを父に対してまで憎しみが生まれてしまった。
そんな毎日を送りながら徐々に色ずく仮面を着けながら、あずさも中学生になろうとしていた。
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