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本編
かんちがい
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「じゃあガードルート、僕はこのまま行くから書類が出来たらジョッシュに渡して君も上がってくれ」
「はい。団長はそのまま帰られます?」
「そうだね。施錠もお願いできるかな?いつも通り鍵もジョッシュに渡してくれたら良いよ」
「はい。それではお疲れ様です」
麗しの王子様系、リプリ団長の笑顔は疲れも吹き飛ぶよね。笑顔を返すと手を振ってリプリ団長は執務室を出て行った。私は持っていた書類をトントンとまとめると書類袋に入れた。
いつも通りお茶をしていたら簡単な書類整理を頼まれて午後は掛かり切りになってしまった。残ったところの掃除は明日念入りにしよう。
「ガードルートさん。こんにちは」
「あ、ジョッシュ隊長、リプリ団長とすれ違いませんでした?先程出て行ったところなんです」
「いや…?僕はちょっといつもと違うコースで来たので、団長は城に向かわれたのかもしれませんね」
「はい、これ頼まれていた書類です。…どこかに置き忘れてもダメですよ?」
私は忘れん坊のジョッシュ隊長に念押しした。何度かやったことのある前科者だからだ。頭をかきながらジョッシュ隊長は書類袋を受け取り、照れくさそうに笑った。
「すみません。いつもお世話をかけます」
「ええっと、施錠もするように言われてて、一緒に出てもらっても大丈夫ですか?」
「はい。構いませんよ」
私は成り行き上ジョッシュ隊長と並んで廊下を歩いた。
「黒竜騎士団は実力主義だから、ジョッシュ隊長もお強いんですか?」
「いえいえ、俺はノアなんかに比べたら全然ダメですよ。事務作業が少し出来るのを買われているだけです」
私はワイルド系のジョッシュ隊長の横顔を見た。綺麗な整った顔してるんだけど、どこかやんちゃな印象なんだよね。不思議。
「…ノアさんてそんなに強いんですか?」
「ちょっと洒落にならないくらいの強さはありますね。近隣の国にも名声は鳴り響いていますし、恐ろしい二つ名も持ってますよ」
「え?二つ名ってなんですか?」
「ちょっと大声では言えないんですけど…耳貸してもらえます?」
私は立ち止まって耳に手を当てた。
「ノアの二つ名は…」
「ガードルート」
私とジョッシュ隊長は何にも悪いことはしてないけど飛び上がりそうになった。
今話題だった人の声だったからだ。
「何をしてた?」
「なんにも」
私とジョッシュ隊長はぶんぶんと首を横に振った。ノアさんのとろける蜂蜜色の目は凶悪な光を放っていた。
「はい。団長はそのまま帰られます?」
「そうだね。施錠もお願いできるかな?いつも通り鍵もジョッシュに渡してくれたら良いよ」
「はい。それではお疲れ様です」
麗しの王子様系、リプリ団長の笑顔は疲れも吹き飛ぶよね。笑顔を返すと手を振ってリプリ団長は執務室を出て行った。私は持っていた書類をトントンとまとめると書類袋に入れた。
いつも通りお茶をしていたら簡単な書類整理を頼まれて午後は掛かり切りになってしまった。残ったところの掃除は明日念入りにしよう。
「ガードルートさん。こんにちは」
「あ、ジョッシュ隊長、リプリ団長とすれ違いませんでした?先程出て行ったところなんです」
「いや…?僕はちょっといつもと違うコースで来たので、団長は城に向かわれたのかもしれませんね」
「はい、これ頼まれていた書類です。…どこかに置き忘れてもダメですよ?」
私は忘れん坊のジョッシュ隊長に念押しした。何度かやったことのある前科者だからだ。頭をかきながらジョッシュ隊長は書類袋を受け取り、照れくさそうに笑った。
「すみません。いつもお世話をかけます」
「ええっと、施錠もするように言われてて、一緒に出てもらっても大丈夫ですか?」
「はい。構いませんよ」
私は成り行き上ジョッシュ隊長と並んで廊下を歩いた。
「黒竜騎士団は実力主義だから、ジョッシュ隊長もお強いんですか?」
「いえいえ、俺はノアなんかに比べたら全然ダメですよ。事務作業が少し出来るのを買われているだけです」
私はワイルド系のジョッシュ隊長の横顔を見た。綺麗な整った顔してるんだけど、どこかやんちゃな印象なんだよね。不思議。
「…ノアさんてそんなに強いんですか?」
「ちょっと洒落にならないくらいの強さはありますね。近隣の国にも名声は鳴り響いていますし、恐ろしい二つ名も持ってますよ」
「え?二つ名ってなんですか?」
「ちょっと大声では言えないんですけど…耳貸してもらえます?」
私は立ち止まって耳に手を当てた。
「ノアの二つ名は…」
「ガードルート」
私とジョッシュ隊長は何にも悪いことはしてないけど飛び上がりそうになった。
今話題だった人の声だったからだ。
「何をしてた?」
「なんにも」
私とジョッシュ隊長はぶんぶんと首を横に振った。ノアさんのとろける蜂蜜色の目は凶悪な光を放っていた。
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