花は風と共に散る【美醜逆転】

本編

どう思う？

「え？…僕との結婚…ですか？」
ミッキー君はうるうると目を潤ませ、ポロリと涙をこぼした。
「ええっと、そうなの、その辺、どう考えているかなって思って」
この国では交際や結婚を女性からねだるのははしたないこととされている。私は恥ずかしくなってもじもじと手を握ったりした。

「しましょう！」
「え？」
いきなり言い出したミッキー君に私はビックリしてしまう。
「すぐには…無理かな…ガードルートさんの親御さんにまず僕の貯金額を見てもらって…あと身元証明とかもいるのかな…」
ぶつぶつと具体的なことを呟く彼に私はあわあわと言った。
「すぐするんじゃなくて！ミッキー君がどう考えてるのか、知りたかっただけなの」
「え？そうなんですか？」
「うん」

「僕はすぐにでもしたいです」
キッパリと言った。うん、本当に顔に似合わず男らしい態度だよね。
「ええっと、ありがとう」
思わず顔にカアッと熱が昇る。こんなに可愛い格好良い人が私との結婚を望んでくれてるんだと思うとすごく嬉しい。

「ガードルートさんはまだ若いですし、時期をみてからと思っていたんですけど、したいと言ってくれるならすぐに準備します」
茶色のくりくり目が真摯に輝いていた。
「うん。ありがとう。でもとりあえず考えを聞いてみたかっただけなの。わ…私もいずれはミッキー君と…したいなって思ってるから」
「ありがとうございます。いつでもその気になったら言ってくださいね」
「ありがとう」
なんだかそわそわとしてしまう。


素直に受け入れてくれたことがこんなに嬉しいなんて思わなかったから。