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第一部
054 からかう
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「はいはい。透子。あーんして」
「春くん……もうっ、私。自分で食べられるってば」
私はスプーンでスープを掬って、揶揄う春くんを軽く睨んだ。
理人さんに抱き潰された翌朝、私は身体を綺麗にされて自分のベッドで寝かされていた。
けど、理人さんの言った通りに、足ががくがくして立てなくて、腰が抜けてしまった状態になっていた。
だから、こうして春くんに自分の部屋まで昼ご飯に近い朝ご飯を、持って来てもらっている。
「理人も……溜まっていたのかなー。透子が立てなくなるまで……こんなになるまで、しなくて良いのにね~?」
ベッドから出たいと何度か言って、ようやく私は春くんに抱き上げられてソファに座らせて貰ってから、自分でパンをちぎって食べ出した。
「んっ……このパン。美味しい」
「そう? これ近くに出来たパン屋さんの、パンなんだよ。本当に珍しいんだけど、パンを焼く職人さんの中に、雌も混じっているらしいよ」
「……え?」
「なんか、聞くところによると、そのお店の跡取り娘らしいね。だからもう既に夫も何人か居るらしいけど、皆強くは言えないみたい。だから、自分で働いているみたいだよ」
大きめのマグカップで、自分用に淹れてきたお茶を飲みながら春くんは私の質問に答えた。
「行ってみたい」
「ふふ。そうだよね。透子はこの話をすれば、興味を持つと思った。じゃあ、またパンが切れたタイミングで、俺と買いに行こうか」
「うん」
少しだけ固めのパンだけど、噛めば噛むほど甘味が出てきて美味しい。サンドされているのはツナとトマトとレタスとバター? かな。
「……ねえねえ、透子。これからさ、凛太を揶揄ってみない?」
私がひとしきり食べ終わって一息ついた私は、楽しそうにそう言った春くんを胡乱げに見た。
「え? 凛太さんを揶揄うの? もう、また何か企んでるでしょ」
「え~。そんなことないよ~」
「そういう顔する春くんは、信用できない」
「まあでも……透子は今、自分で立てないから、俺に抵抗出来ないもんね?」
春くんは悪戯っぽく笑うと私を一気に抱き上げてそしてなぜか、私のスマホも持ち窓際にまで連れて来て、一気にカーテンを開いた。
「わー、良い天気だね」
「眩しい。もう、春くん何するの?」
「んー、実験実験。あいつは多分ずっと透子のこと見られるように、眷属をこの巣に貼り付けてるんだと思うんだよね~」
「え?」
「透子。はい。こっちに両手をついて」
「どういうこと?」
春くんは私に大きな継ぎ目のない透明な窓に、手をつかせると自分は左手で腰を強く掴んだ。
「いっぱい声出しても、良いからね~」
彼はそう言うと、私のパジャマの中に大きな右手を差し入れて来た。上は下着を付けていないから、二つのふくらみへと容易に手が届く。
「やぁっ。春くん」
「わあ、至福。想像なんかより、めちゃくちゃ触り心地良いや。すべすべで柔らかくて大きくて気持ちいー。これはずっと触ってても、飽きないなぁ」
「あっああっ。春くん……、いきなり、何」
乳首を摘んで擦ったり、大きな手でぐちゃぐちゃに揉み込んだりとても忙しい。
「もうすぐ。もうすぐだと思うんだけどなー?」
楽しそうな声を出しながら、私の胸を触って首筋に吸い付いたり熱い舌で舐めたりする。
私はどうにかして逃れようとしてもがくけど、足が思うように動かないのもあって春くんの拘束からは逃れられない。
その時、部屋に大きな電子音が響いた。
「透子、出て良いよ」
「んっ……でも、春くん」
「良いから良いから。面白いから」
私は春くんから手渡されたスマホを受け取ると、そのまま名前も見ずに出た。
「はい」
『透子さん、そこのバカに代わってもらって良いですか』
「あ、え? 凛太さん? えっと、ちょっと、も、春くんだめ」
「ふふ、透子。声我慢出来ないくらいに、気持ち良いもんね? うんうん。スピーカーにしたら良いよ」
私はがくがくした手を窓を押さえながら、スマホの画面でスピーカーに切り替えた。
『春、お前死にたいみたいだな』
「はは。やれるもんなら。凛太、覗きは犯罪だよ?」
「ちょっと……春くんやめてってば」
どこまでも面白そうな春くんに、敏感な乳首を摘ままれて急に激しく刺激されて、私は身体をくねらせた。
『お前、覚えとけよ』
凛太さんはどうにか湧き上がる怒りを抑えようとしているのか、いつもは響きの良い声がどんどん低くなっていく。
「俺の奥さんにどうこうするなんて、もう考えない方が良いよ~。まあ、俺一人だけならともかく、ね? ……透子、もっとベッドで楽しもう。もっと、気持ち良くしてあげる」
甘やかすような声を出して、春くんは私の持っていたスマホの終話ボタンを押した。
私を抱き上げてからベッドへと寝かせて、カーテンの隙間がないようにきっちり締めた。
「ね? 面白かったでしょ?」
春くんは本当にすっごく楽しそうだったけど、私はその可愛い笑顔を怒るに怒れなくて口を尖らせた。
「春くん……もうっ、私。自分で食べられるってば」
私はスプーンでスープを掬って、揶揄う春くんを軽く睨んだ。
理人さんに抱き潰された翌朝、私は身体を綺麗にされて自分のベッドで寝かされていた。
けど、理人さんの言った通りに、足ががくがくして立てなくて、腰が抜けてしまった状態になっていた。
だから、こうして春くんに自分の部屋まで昼ご飯に近い朝ご飯を、持って来てもらっている。
「理人も……溜まっていたのかなー。透子が立てなくなるまで……こんなになるまで、しなくて良いのにね~?」
ベッドから出たいと何度か言って、ようやく私は春くんに抱き上げられてソファに座らせて貰ってから、自分でパンをちぎって食べ出した。
「んっ……このパン。美味しい」
「そう? これ近くに出来たパン屋さんの、パンなんだよ。本当に珍しいんだけど、パンを焼く職人さんの中に、雌も混じっているらしいよ」
「……え?」
「なんか、聞くところによると、そのお店の跡取り娘らしいね。だからもう既に夫も何人か居るらしいけど、皆強くは言えないみたい。だから、自分で働いているみたいだよ」
大きめのマグカップで、自分用に淹れてきたお茶を飲みながら春くんは私の質問に答えた。
「行ってみたい」
「ふふ。そうだよね。透子はこの話をすれば、興味を持つと思った。じゃあ、またパンが切れたタイミングで、俺と買いに行こうか」
「うん」
少しだけ固めのパンだけど、噛めば噛むほど甘味が出てきて美味しい。サンドされているのはツナとトマトとレタスとバター? かな。
「……ねえねえ、透子。これからさ、凛太を揶揄ってみない?」
私がひとしきり食べ終わって一息ついた私は、楽しそうにそう言った春くんを胡乱げに見た。
「え? 凛太さんを揶揄うの? もう、また何か企んでるでしょ」
「え~。そんなことないよ~」
「そういう顔する春くんは、信用できない」
「まあでも……透子は今、自分で立てないから、俺に抵抗出来ないもんね?」
春くんは悪戯っぽく笑うと私を一気に抱き上げてそしてなぜか、私のスマホも持ち窓際にまで連れて来て、一気にカーテンを開いた。
「わー、良い天気だね」
「眩しい。もう、春くん何するの?」
「んー、実験実験。あいつは多分ずっと透子のこと見られるように、眷属をこの巣に貼り付けてるんだと思うんだよね~」
「え?」
「透子。はい。こっちに両手をついて」
「どういうこと?」
春くんは私に大きな継ぎ目のない透明な窓に、手をつかせると自分は左手で腰を強く掴んだ。
「いっぱい声出しても、良いからね~」
彼はそう言うと、私のパジャマの中に大きな右手を差し入れて来た。上は下着を付けていないから、二つのふくらみへと容易に手が届く。
「やぁっ。春くん」
「わあ、至福。想像なんかより、めちゃくちゃ触り心地良いや。すべすべで柔らかくて大きくて気持ちいー。これはずっと触ってても、飽きないなぁ」
「あっああっ。春くん……、いきなり、何」
乳首を摘んで擦ったり、大きな手でぐちゃぐちゃに揉み込んだりとても忙しい。
「もうすぐ。もうすぐだと思うんだけどなー?」
楽しそうな声を出しながら、私の胸を触って首筋に吸い付いたり熱い舌で舐めたりする。
私はどうにかして逃れようとしてもがくけど、足が思うように動かないのもあって春くんの拘束からは逃れられない。
その時、部屋に大きな電子音が響いた。
「透子、出て良いよ」
「んっ……でも、春くん」
「良いから良いから。面白いから」
私は春くんから手渡されたスマホを受け取ると、そのまま名前も見ずに出た。
「はい」
『透子さん、そこのバカに代わってもらって良いですか』
「あ、え? 凛太さん? えっと、ちょっと、も、春くんだめ」
「ふふ、透子。声我慢出来ないくらいに、気持ち良いもんね? うんうん。スピーカーにしたら良いよ」
私はがくがくした手を窓を押さえながら、スマホの画面でスピーカーに切り替えた。
『春、お前死にたいみたいだな』
「はは。やれるもんなら。凛太、覗きは犯罪だよ?」
「ちょっと……春くんやめてってば」
どこまでも面白そうな春くんに、敏感な乳首を摘ままれて急に激しく刺激されて、私は身体をくねらせた。
『お前、覚えとけよ』
凛太さんはどうにか湧き上がる怒りを抑えようとしているのか、いつもは響きの良い声がどんどん低くなっていく。
「俺の奥さんにどうこうするなんて、もう考えない方が良いよ~。まあ、俺一人だけならともかく、ね? ……透子、もっとベッドで楽しもう。もっと、気持ち良くしてあげる」
甘やかすような声を出して、春くんは私の持っていたスマホの終話ボタンを押した。
私を抱き上げてからベッドへと寝かせて、カーテンの隙間がないようにきっちり締めた。
「ね? 面白かったでしょ?」
春くんは本当にすっごく楽しそうだったけど、私はその可愛い笑顔を怒るに怒れなくて口を尖らせた。
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