上 下
3 / 4

03★

しおりを挟む
(……失敗しちゃった)

 覚悟して決めた事が失敗してしまったと、はらはらと涙をこぼし始めたロワンヌに、イーサンはギョッとして驚いたようだ。

「え!? なんで、泣いてるの? さっきから……全然、喋らないし。いつもの可愛い声が聞きたい。どうして黙ってるの?」

 ロワンヌは泣きながら、ただただ首を振るしか出来なかった。イーサンは困った顔で、大きく息をついた。

「とにかく……今夜は帰ろうか。いきなり何をするのかと驚いたけど、そういう気分にもなれないだろう」

 イーサンがそう言って立ちあがろうとすると、ロワンヌは慌てて彼の手を引いて首を横に振った。

「……何。喋らないの? もしかして……今夜は、喋れない……とか?」

 ふとそう思いついたのか、イーサンはそう言い、ロワンヌは彼の言葉に何度も頷いた。

(そうなの! 悪魔との契約で、それは言えないんです!)

 もしかしたら、このまま契約条件を満たせるかもしれないとロワンヌは顔を上げてこくこくと頷いた。

「そういうこと……これって、媚薬だったの?」

 先に付いていた飴がなくなった小さな棒を振って、イーサンはロワンヌに聞いた。

「とすると、俺とそういう事を、したいって事だよね……?」

(そうです! そうです!)

 ロワンヌが必死で何度も頷いた姿を見て、イーサンは暫しの間、考えているようだった。

「媚薬入りの飴を食わされて、ロロちゃんに襲われるなんて、都合の良い夢を見ているような気もするけど……まあ、良いか。そちらがそう望まれるなら、喜んでいただきます」

(いっ……いただきます!?)

 これまでに想像していたイーサンとは全く違う軽い言葉に、ロワンヌは驚いた。

 イーサンは無抵抗のロワンヌが着ていた服を丁寧に脱がして押し倒すと、呆然としている彼女ににっこりと微笑みキスをした。

 口中に侵入したイーサンの熱い舌はロワンヌの舌と絡み合い、唾液の中に先ほどの媚薬が含まれていたのか、彼女の身体はだんだんと熱くなって来た。

 胸を丁寧に揉まれて固くなって来た胸の先を摘まれると、思わず声をあげそうになったので、ロワンヌは口に手を当てた。

(ダメっ……まだ、まだ声は出せない)

 自ら唇を外して口を押さえたロワンヌを不思議そうに見ながら、イーサンは無防備な彼女の胸に齧り付いた。

 柔らかな乳房を吸い込み舐めまわされては、ロワンヌの身体は熱くなり、尋常ではなく高まりゆくうずきに媚薬の効果が含まれている事を感じた。

 お腹をゆっくりとたどり身体の中心部へと降りていく柔らかな唇は、足を押し開き彼女の秘めたる場所へと向かった。

 濡れていた蜜口に舌が入ると同時に、処女のはずなのに身体中が触れるだけで快感を拾うほどに敏感になっていたロワンヌは達してしまった。

(っ……な、何。今の……)

 話には聞いていたものの、頭の中が真っ白になってしまう未知の感覚に、思わず何をしにここに来たかを忘れそうになった。

(いけない……悪魔との、契約が……)

 イーサンは遠慮なく縦筋を押し開き、指を差し込むと、狭い隘路を慣らすようにゆっくりと抜き差しを繰り返した。

 最初は慎ましやかだった水音も、時間をかければかけるほどに大きくなり、敷かれていた白いシーツをぐっしょり濡らすまでになっていた。

 一本の指も抵抗があるほどに狭かった蜜穴は、今では三本の指が悠に入るまでになり、イーサンがゆっくりと指を抜くと恥ずかしいくらいにビチャっという水音がした。

 時間を掛けて念入りに準備を終えたイーサンは、口を押さえて悶えるロワンヌを観察しつつ立ち上がり服を脱ぐと下着姿になった。

「どうして、ここまで何も喋らないのか……よくわからないけど、もう止まれないからね。ごめんね」

 そこに現れた凶悪な物を見てロワンヌは目を見開き、イーサンは優しい笑顔で微笑んだ。血管が浮き出た太い熱杭に、ロワンヌは驚いて声を出してしまいそうになった。

(無理……だけど、これで処女を散らしてさえしまえば……)

 そうすれば、悪魔との契約は成立し、ロワンヌの願いは叶う。

 こくりと喉を鳴らしたロワンヌに覆い被さり、イーサンは美しい顔で間近で微笑んだ。泥濘んでいた蜜口にひたりと硬いものが触れて、押し入ったと思えば、一気に体の奥まで貫かれた。

「っ……」

 イーサンの口中に残っていた媚薬を取り入れたおかげか、処女膜を無くしたという痛みはそれほどではなかったが、ロワンヌの中であの悪魔との契約が成立した気配がした。

 そして、首尾よく今夜の内に契約を果たした彼女に対する、悔しそうな舌打ちまでも聞こえた。

(……やったわ。この契約条件を聞いた時は、絶対に無理かもしれないと思っていたけれど、やってみれば達成することが出来たわ)

 意地悪な悪魔との契約を果たし、嬉しそうに微笑むロワンヌに、動かずに彼女の感応を見ていたイーサンは苦しそうに言った。

「……媚薬が効いているのか、やけに嬉しそうだね。我慢出来ないから、もう動くね」

「あっ……ああっ……イーサンっ」

 ロワンヌの肩を掴み荒々しく腰を揺らしたイーサンの動きは性急で、思わず声を漏らしてしまった。

(しまった……と思ったけど、別に良いんだわ。もう……)

「ロロちゃん……可愛い」

 自分の名前を呼んだと喜んだのかとろけるような笑顔を見せて、イーサンは腰を動かし始めた。

 その行為は、すぐに終わる事だろうと思っていたロワンヌの予想に反し、いつまで経っても終わらない。

 媚薬の効果もあってロワンヌは、高まりゆく快感を逃せないままでいた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

騎士団専属医という美味しいポジションを利用して健康診断をすると嘘をつき、悪戯しようと呼び出した団長にあっという間に逆襲された私の言い訳。

待鳥園子
恋愛
自分にとって、とても美味しい仕事である騎士団専属医になった騎士好きの女医が、皆の憧れ騎士の中の騎士といっても過言ではない美形騎士団長の身体を好き放題したいと嘘をついたら逆襲されて食べられちゃった話。 ※他サイトにも掲載あります。

大嫌いなアイツが媚薬を盛られたらしいので、不本意ながらカラダを張って救けてあげます

スケキヨ
恋愛
媚薬を盛られたミアを救けてくれたのは学生時代からのライバルで公爵家の次男坊・リアムだった。ほっとしたのも束の間、なんと今度はリアムのほうが異国の王女に媚薬を盛られて絶体絶命!? 「弟を救けてやってくれないか?」――リアムの兄の策略で、発情したリアムと同じ部屋に閉じ込められてしまったミア。気が付くと、頬を上気させ目元を潤ませたリアムの顔がすぐそばにあって……!! 『媚薬を盛られた私をいろんな意味で救けてくれたのは、大嫌いなアイツでした』という作品の続編になります。前作は読んでいなくてもそんなに支障ありませんので、気楽にご覧ください。 ・R18描写のある話には※を付けています。 ・別サイトにも掲載しています。

騎士様に甘いお仕置きをされました~聖女の姉君は媚薬の調合がお得意~

二階堂まや
恋愛
聖女エルネの姉であるイエヴァは、悩める婦人達のために媚薬の調合と受け渡しを行っていた。それは、妹に対して劣等感を抱いてきた彼女の心の支えとなっていた。 しかしある日、生真面目で仕事人間な夫のアルヴィスにそのことを知られてしまう。 離婚を覚悟したイエヴァだが、アルヴィスは媚薬を使った''仕置き''が必要だと言い出して……? +ムーンライトノベルズにも掲載しております。 +2/16小話追加しました。

媚薬を飲まされたので、好きな人の部屋に行きました。

入海月子
恋愛
女騎士エリカは同僚のダンケルトのことが好きなのに素直になれない。あるとき、媚薬を飲まされて襲われそうになったエリカは返り討ちにして、ダンケルトの部屋に逃げ込んだ。二人は──。

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

【R18】偽りの夜 聖女は最愛の人の目の前で、同じ顔をした別の男に抱かれる

夕月
恋愛
今夜、聖女ブランシュは、神の子ジスランに抱かれる。 聖なる交わりには立会人が必要とされ、二人の行為を見守るのはジスランの双子の兄、アルマン。この国の第一王子でもある彼は、ブランシュの婚約者だった人だ。 かつて将来を誓い合った最愛の人の目の前で、ブランシュは同じ顔をした別の男に抱かれる――。 ムーンライトノベルズで開催されていた個人企画、NTR企画への参加作品です。 寝取り、寝取られ要素を含みますので、ご注意ください。

【完結】二年間放置された妻がうっかり強力な媚薬を飲んだ堅物な夫からえっち漬けにされてしまう話

なかむ楽
恋愛
ほぼタイトルです。 結婚後二年も放置されていた公爵夫人のフェリス(20)。夫のメルヴィル(30)は、堅物で真面目な領主で仕事熱心。ずっと憧れていたメルヴィルとの結婚生活は触れ合いゼロ。夫婦別室で家庭内別居状態に。  ある日フェリスは養老院を訪問し、お婆さんから媚薬をもらう。 「十日間は欲望がすべて放たれるまでビンビンの媚薬だよ」 その小瓶(媚薬)の中身ををミニボトルウイスキーだと思ったメルヴィルが飲んでしまった!なんといううっかりだ! それをきっかけに、堅物の夫は人が変わったように甘い言葉を囁き、フェリスと性行為を繰り返す。 「美しく成熟しようとするきみを摘み取るのを楽しみにしていた」 十日間、連続で子作り孕ませセックスで抱き潰されるフェリス。媚薬の効果が切れたら再び放置されてしまうのだろうか? ◆堅物眼鏡年上の夫が理性ぶっ壊れで→うぶで清楚系の年下妻にえっちを教えこみながら孕ませっくすするのが書きたかった作者の欲。 ◇フェリス(20):14歳になった時に婚約者になった憧れのお兄さま・メルヴィルを一途に想い続けていた。推しを一生かけて愛する系。清楚で清純。 夫のえっちな命令に従順になってしまう。 金髪青眼(隠れ爆乳) ◇メルヴィル(30):カーク領公爵。24歳の時に14歳のフェリスの婚約者になる。それから結婚までとプラス2年間は右手が夜のお友達になった真面目な眼鏡男。媚薬で理性崩壊系絶倫になってしまう。 黒髪青眼+眼鏡(細マッチョ) ※作品がよかったら、ブクマや★で応援してくださると嬉しく思います! ※誤字報告ありがとうございます。誤字などは適宜修正します。 ムーンライトノベルズからの転載になります アルファポリスで読みやすいように各話にしていますが、長かったり短かったりしていてすみません汗

【R18】騎士団長は××な胸がお好き 〜胸が小さいからと失恋したら、おっぱいを××されることになりました!~

おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
「胸が小さいから」と浮気されてフラれた堅物眼鏡文官令嬢(騎士団長補佐・秘書)キティが、真面目で不真面目な騎士団長ブライアンから、胸と心を優しく解きほぐされて、そのまま美味しくいただかれてしまう話。 ※R18には※ ※ふわふわマシュマロおっぱい ※もみもみ ※ムーンライトノベルズの完結作

処理中です...