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06 真剣

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 階段に近い部屋はこの集合住宅でも家賃が高いみたいだけど、彼の部屋は思っていたよりかなり広いのだ。

「ありがとうございます……」

 私がきょろきょろと広い部屋を見回していた時に、マックロイさんは温かいお茶を淹れてくれていた。

「礼には及ばない。あ。ミア。先に確認しておきたいんだが……」

「はいっ! なんでしょう?」

 神妙な表情でマックロイさんの顔は、私の顔の間近にまで近づいた。

「俺たちは……付き合うってことで良いよな?」

 あれ? そっか。確かに彼は私が彼のことを好きだから、尋常ではない付き纏いをしていると勘違いしていた。

 そして、彼も私を好ましいと思ったから、家に入れて話を聞こうとした。

 うん。双方色々と勘違いはあったけど、私が目の前のマックロイさんと付き合いたい気持ちは変わらない。つまり両思いで合ってると思う。

「はい! 付き合いたいです!」

 ハキハキとして答えたら、マックロイさんは私を後ろから包み込むようにして抱きしめた。

 自慢ではないけど、生まれてこの方、彼氏なんて居たことがないので、男性とこんな体勢になったことがない。

 心臓はうるさいくらいに高鳴り、カップを持っている手が震えた。

「そっか。良かった……じゃあ、お茶飲んで」

 私は緊張で震える手を落ち着かせながら、お茶をこくんと呑み込んだ。


◇◆◇


 全身の肌に感じる空気が、ひんやりとしている。

 私は今、全裸で横になっているようだった。そして、下の方から聞こえて来る、ピチャピチャとしたなんとも淫らな水音。

「……え?」

 パチっと目を開けて、下を見れば信じられない光景がそこにあった。

「あ。起きた? おはよう」

 マックロイさんは、私の胸の先に吸い付いていたところをチュポンと音をさせて外した。ししどに濡れている足の付け根あたりには、ゆっくりゆっくりと太い指が優しく這い回る。

「マックロイさん……? 待って。私、体動かない……何で」

 そうなのだ。彼が何をしていたとしても、両手両足が痺れたようになっていて動かなくて、それに抵抗することも出来ない。

「うん。ごめん。付き合ってくれるって言ったから、早く俺のものにしたくて……怒る?」

 申し訳なさそうに語る彼の捨てられた子犬のような青い目に、キュンっとときめいた私は何も言えなくなった。

「え……え……けど」

「けど、付き合っていたら、こういう事するのも込みだよね? だから、俺……間違ってないと思うんだけど。それに、結婚もちゃんと考えてるし……ミアとの事は真剣なんだ」

 確かに男女交際で付き合うと言えば、こういうことをするのも込みと言われれば確かにそうだった。結婚前提であれば、何の問題もないだろうし?

 なんだか、言いくるめられているような気もするけど、彼の主張は合っている。
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