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05 心配
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「そんな事はない。ミアは人気があるから、心配だった。ライセンス停止を食らってでも、声を掛けようという面々は多かったし……」
そして複雑そうな表情を見せる、マックロイさん。
嫌われていると思っていたところからの、実は好きだったという逆転は……正直に言うと、私も絆されてしまいたい。
「……あのっ、マックロイさんは私のことなんて、相手にしてないって思ってて……」
私の言葉にマックロイさんは、うんうんと納得するように頷いた。
「やっぱり、そういう誤解をしていたのか。けど、部屋の前まで来てなんで、何も言わなかったんだ? 俺はそれが、ずっと不思議だった」
「そっ……それは」
私は同じ集合住宅の同じ階の住人であることを彼に明かしてしまって良いのか、眉を寄せて悩んだ。
だって、もしかしたらマックロイさんは全て自分の完全なる誤解であることにだって、気がついてしまうかも知れない。
けど……高給取りで美男のマックロイさんと付き合えるなら、付き合いたいと思っている私が居た。
私が勤めている冒険者ギルドでも、難易度S級クエストを受注出来る冒険者なんて、十人も居ない。彼らがどれだけの金額を稼ぎ出すかは、その仕事を斡旋している私のような受付嬢が一番知っているのだ。
そして、間近にある、彼の顔。こんな美形の人、今まで見たいことないと言い切れるくらいに、とても端正なお顔だった。
彼と付き合いたいか、付き合いたくないか? と言われたら、完全に付き合いたいです。
良い感じに誤解してくれていて、本当にありがとうございます。
「……どうした?」
「えっと……えっと! 話すの……恥ずかしくて。そうなんです。マックロイさんとお話したかったけど、今まで恥ずかしかったんです!」
成人して何年か経ち、嘘も方便という言葉の意味を知っている私は、とにかく彼の勘違いに話を合わせ、色々とバレない方向性で行くことにした。
「そうか……もう恥ずかしがることもない。何か温かいものでも淹れよう」
にっこり微笑んだマックロイさんは、私をお姫様抱っこして抱えて、部屋の奥へと進んだ。
「あの……私。重くないですか?」
別にそこまで太っているとは思わないけど、風に吹けば飛びそうに細いかと言われればそうでもない。
私の身長と同じくらいの女性の、平均的な体重だと思う。
「俺は魔法使いとは言え、冒険者だぞ。日々、体は鍛えている。ミアの体なんて軽い」
確かにこうして密着して抱き抱えられると良くわかるけど、彼のローブの中にある体は鍛えられていてがっちりとしていた。
包み込むようにして抱き抱えられて、安心感と幸せを感じてしまうほどに。
私は奥にあったソファに腰掛けさせられて、自分の部屋との差に驚いた。
そして複雑そうな表情を見せる、マックロイさん。
嫌われていると思っていたところからの、実は好きだったという逆転は……正直に言うと、私も絆されてしまいたい。
「……あのっ、マックロイさんは私のことなんて、相手にしてないって思ってて……」
私の言葉にマックロイさんは、うんうんと納得するように頷いた。
「やっぱり、そういう誤解をしていたのか。けど、部屋の前まで来てなんで、何も言わなかったんだ? 俺はそれが、ずっと不思議だった」
「そっ……それは」
私は同じ集合住宅の同じ階の住人であることを彼に明かしてしまって良いのか、眉を寄せて悩んだ。
だって、もしかしたらマックロイさんは全て自分の完全なる誤解であることにだって、気がついてしまうかも知れない。
けど……高給取りで美男のマックロイさんと付き合えるなら、付き合いたいと思っている私が居た。
私が勤めている冒険者ギルドでも、難易度S級クエストを受注出来る冒険者なんて、十人も居ない。彼らがどれだけの金額を稼ぎ出すかは、その仕事を斡旋している私のような受付嬢が一番知っているのだ。
そして、間近にある、彼の顔。こんな美形の人、今まで見たいことないと言い切れるくらいに、とても端正なお顔だった。
彼と付き合いたいか、付き合いたくないか? と言われたら、完全に付き合いたいです。
良い感じに誤解してくれていて、本当にありがとうございます。
「……どうした?」
「えっと……えっと! 話すの……恥ずかしくて。そうなんです。マックロイさんとお話したかったけど、今まで恥ずかしかったんです!」
成人して何年か経ち、嘘も方便という言葉の意味を知っている私は、とにかく彼の勘違いに話を合わせ、色々とバレない方向性で行くことにした。
「そうか……もう恥ずかしがることもない。何か温かいものでも淹れよう」
にっこり微笑んだマックロイさんは、私をお姫様抱っこして抱えて、部屋の奥へと進んだ。
「あの……私。重くないですか?」
別にそこまで太っているとは思わないけど、風に吹けば飛びそうに細いかと言われればそうでもない。
私の身長と同じくらいの女性の、平均的な体重だと思う。
「俺は魔法使いとは言え、冒険者だぞ。日々、体は鍛えている。ミアの体なんて軽い」
確かにこうして密着して抱き抱えられると良くわかるけど、彼のローブの中にある体は鍛えられていてがっちりとしていた。
包み込むようにして抱き抱えられて、安心感と幸せを感じてしまうほどに。
私は奥にあったソファに腰掛けさせられて、自分の部屋との差に驚いた。
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