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証拠

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「……君の兄さん達は許してくれないだろうな」
 私を後ろから抱きしめて頭にキスを降らせながら言った。
「そんなの、関係ないわ」
「関係あるんだよ。君だって貴族の娘だろう? 僕と結婚すると言ったところで家に閉じ込められて終わってしまう」

 私は後ろを振り返り、マティアスの唇に軽く噛みついた。柔らかくて、甘くて、気持ち良い。
「私、今日はここに泊まる」
「メロディ?」
 マティアスはまた目を見張り、信じられない。と言うように口をぱくぱくさせた。
「流石に傷物になった娘が伯爵家にお嫁に行けないでしょう?」
「メロディ」
「……責任、取ってくれるでしょう?」
「それはもちろん……でも、本当に良いの?」
「マティアス、しつこい」

 私はそっと彼のはだけたシャツのボタンに手をかけた。ひとつひとつ外していく。鍛えられた筋肉が露になっていく。私はその美しい肉体にため息をつきながら、手を添わせた。
「メロディ、やっぱり……」
 私はその後に続く言葉を食べるように彼にキスを仕掛けた。そっと舌をだしてためらいがちに開いた唇に入っていく。ぬるりとした感覚。彼にとってははじめてかもしれないけれど、私には久しぶりのマティアスとの深いキスだ。くちゅくちゅと音をさせて舌が絡み合う。口の端からこぼれた唾液を吸ってこくんと飲み込む。マティアスは消極的に舌を出してくれるけどまだ動こうとしない。
 私は口を一度離して、彼の首元に口づけた。ぺろりと舌を這わせると汗の味がする。彼のものだと思うとどこか美味しいものに感じてしまう。

「んん、メロディ」
「動かないで、マティアス」
 私の強い言葉に観念したように動かなくなったマティアスの乳首に吸い付いた。ぺろぺろと犬のように舐めて彼の様子を伺う。マティアスははあはあと息をつきながら私を見下ろしている。

「ん、気持ち良い?」
「……すごく気持ち良いよ、でもダメだ」
 その言葉にムッとした私はこの前のように股間に手を添わせ硬くなっている彼自身を撫でた。そっと彼の前にひざまづくと前をくつろがせ下着を下ろした。

 んん、と息を呑む。
 大きいし、すごく狂暴なかたちをしている。これが私の中に入るの?
 
 この前のように上から下へと手を滑らせる。硬くて、どこか柔らかくて、熱くて、ベルベットのような触感で、触ると気持ち良い。
 私はぺろりとその先を舐めた。ぐっと一気に大きくなり、それは凶暴さを増した。
「メロディ……君がそんなこと……」
「何をするのも私が決めるの。私が結婚するのはマティアスだけ」

 ぐっと一瞬考え込んだマティアスは私を抱き上げると、ベッドルームへと入っていった。
「後で泣いても知らないよ」
「泣かないわ。貴方の傍にいられるなら」

 とさっと音をさせてベッドへと押し倒された。
「ドレス、先に脱ごうか?」
 マティアスは私の顔にキスを落としながら囁いた。
「……手伝って」

 マティアスが後ろにある結び目をほどいくと、ふるっと胸の先が顔を出した。私は慌てて手を前で合わせる。
「さっきまでの勢いが嘘みたいだな」
 くすっと笑うとマティアスは深いキスをして、私の両手を取り上げながら、胸を触り出した。
「メロディ、可愛い。それに、大きくて手に余るな、服の上から押さえていたの?」
「言わないで、気にしてるの」
 拗ねた口調で言う私にマティアスは笑った。

「君なら大きくても小さくても関係ないよ」
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