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そうしてあげたい

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「……触って、欲しい」

 項垂れたマティアスの息遣いが感じられるまで近づくと、彼の前に跪いた。

「あの……ごめんなさい。わからなくて……どこを触ったら楽になる?」

 私の言葉にマティアスはぐっと息を呑むと、椅子の脚に縛られた足をより大きく開いた。

「ここを触って。ニーナっ。お願い……」

 私は促されるままに、荒い息を吐くマティアスの股間に手を当てた。すごく熱くて固い。

「どうしたら良い?」

「摩って、欲しい」

 私は恥じらいなどは忘れ、思い切って手でさすった。

 なんだか布から突き抜けてしまいそうなくらいにまで、大きくなっている。

 このままだと、とても辛いだろうし、彼は痛いと思う。

 これは、緊急事態だ。この前に命の危険があった時の私のように。マティアスだって、私の前でこんな姿を晒すことには抵抗があるはずだもの。

「マティアス。あの、緊急事態だから。そこから出してあげた方が良いと思うの」

「……え?」

 マティアスはどこか落胆したような、とても驚いた表情になってしまった。私がこんな事を言い出すなんて、思ってもいなかったに違いない。

「その、大きくなりすぎてるから、痛そうで、可哀想で」

 もし、私がこんな状態ならと思うと、顔をしかめて言った。固すぎて、今にも覆っている布から飛び出しそうだ。

「そ……そうだよな。あのクルーガー兄弟に守られて育ったニーナがまさか……」

「え? 何?」

 マティアスは俯き、目を閉じながら意を決したように言った。

「……、わかった。もしかしたらその方が、抜けるのが早いかもしれない……ごめんっ、ニーナ」

 私は真剣に頷きながら、ベルトに手をかけると、前を寛がせた。

 待っていたかのように、そのまま下着を突き破るように、ぐんと前に突き出す。私は息を呑んでそれをみた。

「下着は?」

「そのままで良いよ。さっきよりは、だいぶまだマシだから。ありがとう」

「……触った方が良い?」

「……うん」

 薄い下着の生地の上から触る。熱くて、硬くて、すごく大きい。

「どうやって触った方が良いの?」

「上から、下に向かって、擦って欲しい」

「……これで良い?」

「うん、すごく気持ち良い」

「これでマティアスは楽になる?」

「……ああ、君にこんなことをさせるなんて……うん、っ、楽になった」

 私は黙って、その反復を繰り返した。ぎこちなかった動きもやがてなめらかな動きになり、マティアスがぎゅっと目を閉じて言った。

「ごめん、ニーナ。出る」

「え?」

「っ……はああっ」

 マティアスは呻くと、下着の先がじっとりと濡れて、彼は体を椅子の上で何度か揺すった。白い肌が紅潮してピンク色になって、本当に、色っぽかった。

「マティアス、大丈夫?」

 私を見つめる綺麗な青い目もどこかうつろだ。
「ごめん……ニーナ、一回程度では抜けない。ダメみたいだ」

「ん、どうしたら良い?」

 私は彼を見上げた。両手に持ったままのそれは大きくて硬いまま、下着はじっとりと濡れていてじわじわと私の手の方まで濡らしそうだ。

 その時、ガンっと乱暴な音がして、部屋の扉が開いた。

 私とマティアスはそちらの方向を見る。蹴って扉を開けたのか、そのままの態勢だ。

「ジャンポール」

 マティアスは呻いた。驚いていた私も、持っていた彼のそれを離した。

「これは、どういう?」

 驚きに目を見開いたジャンポールはそのまま固まってしまった。

「ジャンポール、誤解するな、媚薬を飲まされた僕を少しでも楽にしてくれようとしてしたことだ」

「……媚薬?」

 ジャンポールは凛々しいその顔の眉間に、不機嫌そうに皺を寄せた。
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