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04 結論
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「……それが、僕にとっては一番に良い事だと、イリーナは思うのか?」
「ええ。ランベルト様はディルクージュ王国王太子で、私たち貴族が尊びお仕えしているお方……いずれ結ばれる女性と幼い頃と一緒に居られるなら、それが一番良い事かと」
「……しかし、わからないな。君が婚約者になってエリサという女性が後に現れる。もし、二人が恋に落ちても、示談金付きでの婚約解消という話なら、まだ僕も理解出来るのだが、イリーナは何も悪くないのに、どうして婚約破棄という結果になってしまうと言うんだ」
ランベルト様は私と婚約していたとしたら、何故『婚約解消』ではなく『婚約破棄』になってしまうのかという理由が知りたいようだった。
未婚の女性にとっては『婚約破棄』は、最大の不名誉。する側だって出来るだけ、それをするのは避けたいと思う事は普通だろう。
「ランベルト様とエリサは、恋に落ちて……私が彼女に嫉妬して、彼女に嫌がらせをするようになるんです。それがだんだんと|酷くなって(エスカレートして)しまい、彼女を殺そうとまで企むほどに思い詰めるのですわ」
それが、悪役令嬢イリーナ・アラゴンの役目。
素敵な攻略対象者ランベルト様ほどの人と婚約してしまえば、恋敵を殺してしまうまで恋をして思い詰めてしまうしかないのだ。
これは、ランベルト様が人外とも言えるほどに魅力的な男性でないと成立しない。しかし、乙女の夢を体現している彼はそれだけの多大な魅力を、創造主という神より与えられていた。
「……それは、君が僕の事を、激情と呼べるほどに好きでないと、成立しない事のように思うんだが」
「ええ。私とランベルト様が婚約すると、そうなってしまいます。そこまで、おかしくなるくらいに激しく好きになってしまうのです。ですので、私と婚約することを避けて欲しいのです。どうかお願いします」
よく考えれば凄いことを言っている気はするけれど、事実なのだから仕方ない。すんなりと言葉を返し、私はランベルト様の青い目をじっと見てお願いをした。
それを聞いた彼は、これからどうするべきかと悩んでいるのか、無言のままで見返してくる。
しかし、私はここで引き下がる訳にはいかない。
不幸な未来しか待って居ない悪役令嬢になんて、絶対になりたくない。
ここはもう王太子と婚約するしかないなどという方々から掛かる圧になど、負ける訳にはいかない。
「ああ……わかった。しかし、ただこうして話しただけでは到底信じらるような話ではない。君の話の裏は、細かく取らせてもらう。イリーナの知っている限りの情報を、僕に提供してくれ」
ランベルト様はため息をついてそう言い、主張が認められた私は、思わず手を叩いて喜んだ。
良かったわ! ……私は悪役令嬢イリーナ・アラゴンに転生したけれど、無事に悪役令嬢ではなくなった。
立場的にイリーナがとても美味しい事は、誰も否定しないでしょう。
未来の王太子妃となるならと選ばれるからには、容姿だって派手だけど優れているし、ディルクージュ王国随一と呼ばれるほどに権勢を誇り、裕福なアラゴン公爵家に生まれている。
これで、王太子ランベルト様とはご縁は切れてしまっても、私は後悔しない。
すごく好きになったのに婚約破棄されて、お先真っ暗な不幸になって死んでしまうより、断然ましだもの。
「ええ。ランベルト様はディルクージュ王国王太子で、私たち貴族が尊びお仕えしているお方……いずれ結ばれる女性と幼い頃と一緒に居られるなら、それが一番良い事かと」
「……しかし、わからないな。君が婚約者になってエリサという女性が後に現れる。もし、二人が恋に落ちても、示談金付きでの婚約解消という話なら、まだ僕も理解出来るのだが、イリーナは何も悪くないのに、どうして婚約破棄という結果になってしまうと言うんだ」
ランベルト様は私と婚約していたとしたら、何故『婚約解消』ではなく『婚約破棄』になってしまうのかという理由が知りたいようだった。
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「ランベルト様とエリサは、恋に落ちて……私が彼女に嫉妬して、彼女に嫌がらせをするようになるんです。それがだんだんと|酷くなって(エスカレートして)しまい、彼女を殺そうとまで企むほどに思い詰めるのですわ」
それが、悪役令嬢イリーナ・アラゴンの役目。
素敵な攻略対象者ランベルト様ほどの人と婚約してしまえば、恋敵を殺してしまうまで恋をして思い詰めてしまうしかないのだ。
これは、ランベルト様が人外とも言えるほどに魅力的な男性でないと成立しない。しかし、乙女の夢を体現している彼はそれだけの多大な魅力を、創造主という神より与えられていた。
「……それは、君が僕の事を、激情と呼べるほどに好きでないと、成立しない事のように思うんだが」
「ええ。私とランベルト様が婚約すると、そうなってしまいます。そこまで、おかしくなるくらいに激しく好きになってしまうのです。ですので、私と婚約することを避けて欲しいのです。どうかお願いします」
よく考えれば凄いことを言っている気はするけれど、事実なのだから仕方ない。すんなりと言葉を返し、私はランベルト様の青い目をじっと見てお願いをした。
それを聞いた彼は、これからどうするべきかと悩んでいるのか、無言のままで見返してくる。
しかし、私はここで引き下がる訳にはいかない。
不幸な未来しか待って居ない悪役令嬢になんて、絶対になりたくない。
ここはもう王太子と婚約するしかないなどという方々から掛かる圧になど、負ける訳にはいかない。
「ああ……わかった。しかし、ただこうして話しただけでは到底信じらるような話ではない。君の話の裏は、細かく取らせてもらう。イリーナの知っている限りの情報を、僕に提供してくれ」
ランベルト様はため息をついてそう言い、主張が認められた私は、思わず手を叩いて喜んだ。
良かったわ! ……私は悪役令嬢イリーナ・アラゴンに転生したけれど、無事に悪役令嬢ではなくなった。
立場的にイリーナがとても美味しい事は、誰も否定しないでしょう。
未来の王太子妃となるならと選ばれるからには、容姿だって派手だけど優れているし、ディルクージュ王国随一と呼ばれるほどに権勢を誇り、裕福なアラゴン公爵家に生まれている。
これで、王太子ランベルト様とはご縁は切れてしまっても、私は後悔しない。
すごく好きになったのに婚約破棄されて、お先真っ暗な不幸になって死んでしまうより、断然ましだもの。
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