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13 前世の婚約者①
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次の日の朝。
慌てて学校の準備をしようとして、日付を見て落ち着いた……そういえば、今日は週末だった。
この二日間は、昨日からの謎が解けないもやもやした気持ちのままで居るしかない。
私は大きく息をついて、ベッドから起き上がった。会えないなら、仕方ないもんね。
藤崎くん自身に話を聞けばすべては解決するんだけど、私がそれを望んでしたいかという言うと微妙だった。
だって、彼が私のことをどう思って居るのか、わからない。
前世の何がどうしたって思うかもしれないけど、殺したいくらい憎まれていたのかもしれない。
別にあのお姫様が悪いって訳でもなくて、お姫様の両親が何かしたとかで憎まれていたり……物語の中には出て来るよね。そういうとばっちり。
黒木くんは私に何か言おうとしていたようだけど、藤崎くんを見て帰ってしまった。あの時、黒木くんは藤崎くんに近寄るなって言って居たけれど、同じ学校同士だし、近寄らないにしても限界があると思う……。
「おはよう。美波」
「お母さん。おはよう」
私はお母さんに挨拶をして、リビングにある机へと座った。
「今日はどこかへ行くの?」
「うん。絵里香ちゃんと一緒に買い物に行ってから、図書館でテスト勉強するの」
今日は絵里香ちゃんと文房具を見に行ってから、図書館に行く予定だったのだ。テスト勉強は仕方ない。私だって、新入生早々に落ちこぼれになってしまいたくはない。
私は近くにある総合商業施設の名前を言えば、お母さんは軽く頷いた。
「わかったわ。気を付けて行きなさいよ。帰りは遅くならないのよ」
「はーい」
「不審人物の目撃情報だってあるんだからね。見掛けたら、すぐに逃げなさいよ」
私はかじりついていた食パンを食べつつ、うっと喉を詰まらせてしまいそうだった。
不審人物……確かに、私と別れたはずなのに、帰り道を尾行していた藤崎くん……とっても、不審人物だったかもしれない。
「はーい……」
とにかく、この週末はあの二人には会わないんだし、私はテストに向かって勉強しよう……。
◇◆◇
総合商業施設の中で待ち合わせしていた絵里香ちゃんに会うと、私は大きく手を振った。
「絵里香ちゃーん!」
「美波ちゃん!」
手を振って迎えてくれた絵里香ちゃんは、今日は爽やかな青いブラウスに紺色のハーフパンツを合わせていて、すごく爽やかな装いだった。
私は白のワンピースだったので、二人とも爽やかをテーマにコーディネートしていると言えるかもしれない。
なんて……私が心の中で、思って居るだけだけど。
「私の買い物に付き合ってもらって、ごめんね」
絵里香ちゃんは両手を合わせて申し訳ないって風にしたので、私は首を横に振った。
「良いよ良いよ。気にしないで……っていうか、テスト勉強ばっかりで嫌になって来たし、気分転換になって良いよねー!」
ここ最近、勉強勉強で私もいい加減嫌になって来てしまっていたのだ。受験勉強が終わっても、定期的に開催されるテストという難関。
何か前世で悪いことをしたから、テスト地獄に私たちは居るのかもしれない。
私たちは二階にある可愛い文具店に向かって歩き出した。私も可愛いメモ帳があったら買おうと思っている。
「……美波ちゃん。そういえば、さっき黒木くんに会ったよ」
「え!? 黒木くんに?」
黒木くん、私の人生に最近登場し過ぎじゃない……?
それに、偶然にしては、偶然過ぎるっていうか。
慌てて学校の準備をしようとして、日付を見て落ち着いた……そういえば、今日は週末だった。
この二日間は、昨日からの謎が解けないもやもやした気持ちのままで居るしかない。
私は大きく息をついて、ベッドから起き上がった。会えないなら、仕方ないもんね。
藤崎くん自身に話を聞けばすべては解決するんだけど、私がそれを望んでしたいかという言うと微妙だった。
だって、彼が私のことをどう思って居るのか、わからない。
前世の何がどうしたって思うかもしれないけど、殺したいくらい憎まれていたのかもしれない。
別にあのお姫様が悪いって訳でもなくて、お姫様の両親が何かしたとかで憎まれていたり……物語の中には出て来るよね。そういうとばっちり。
黒木くんは私に何か言おうとしていたようだけど、藤崎くんを見て帰ってしまった。あの時、黒木くんは藤崎くんに近寄るなって言って居たけれど、同じ学校同士だし、近寄らないにしても限界があると思う……。
「おはよう。美波」
「お母さん。おはよう」
私はお母さんに挨拶をして、リビングにある机へと座った。
「今日はどこかへ行くの?」
「うん。絵里香ちゃんと一緒に買い物に行ってから、図書館でテスト勉強するの」
今日は絵里香ちゃんと文房具を見に行ってから、図書館に行く予定だったのだ。テスト勉強は仕方ない。私だって、新入生早々に落ちこぼれになってしまいたくはない。
私は近くにある総合商業施設の名前を言えば、お母さんは軽く頷いた。
「わかったわ。気を付けて行きなさいよ。帰りは遅くならないのよ」
「はーい」
「不審人物の目撃情報だってあるんだからね。見掛けたら、すぐに逃げなさいよ」
私はかじりついていた食パンを食べつつ、うっと喉を詰まらせてしまいそうだった。
不審人物……確かに、私と別れたはずなのに、帰り道を尾行していた藤崎くん……とっても、不審人物だったかもしれない。
「はーい……」
とにかく、この週末はあの二人には会わないんだし、私はテストに向かって勉強しよう……。
◇◆◇
総合商業施設の中で待ち合わせしていた絵里香ちゃんに会うと、私は大きく手を振った。
「絵里香ちゃーん!」
「美波ちゃん!」
手を振って迎えてくれた絵里香ちゃんは、今日は爽やかな青いブラウスに紺色のハーフパンツを合わせていて、すごく爽やかな装いだった。
私は白のワンピースだったので、二人とも爽やかをテーマにコーディネートしていると言えるかもしれない。
なんて……私が心の中で、思って居るだけだけど。
「私の買い物に付き合ってもらって、ごめんね」
絵里香ちゃんは両手を合わせて申し訳ないって風にしたので、私は首を横に振った。
「良いよ良いよ。気にしないで……っていうか、テスト勉強ばっかりで嫌になって来たし、気分転換になって良いよねー!」
ここ最近、勉強勉強で私もいい加減嫌になって来てしまっていたのだ。受験勉強が終わっても、定期的に開催されるテストという難関。
何か前世で悪いことをしたから、テスト地獄に私たちは居るのかもしれない。
私たちは二階にある可愛い文具店に向かって歩き出した。私も可愛いメモ帳があったら買おうと思っている。
「……美波ちゃん。そういえば、さっき黒木くんに会ったよ」
「え!? 黒木くんに?」
黒木くん、私の人生に最近登場し過ぎじゃない……?
それに、偶然にしては、偶然過ぎるっていうか。
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