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70 公園
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公園の中ほどに、距離があっても美しいとわかる女性は隣に居る誰かと一緒に芹沢くんを待っていたようだった。
私とゆうくんと赤星くんの三人は、良い感じの木の陰を見付けたので、そこへと身を隠した。
「っ……かっ……!」
腰を落ち着けようとした私が、雪華の隣に居た人を見て立ち上がり彼の名前を呼びそうになったから、ゆうくんは慌てて私の口を手で塞いだ。
うそうそうそ!
あれって、私の幼馴染で元彼のかっちゃんだ。なんで、雪華の隣に当たり前みたいな顔をして立ってるの?
思いも寄らなかったまさかの人が居ることに呆然としていた私の耳に、信じられない言葉が聞こえて来た。
「もう……あの子と、別れたの? 司。私、そんなに気が長い方でもないんだけど。知ってるわよね?」
「……いいや。何度も話した通り、俺は水無瀬さんと別れるつもりはない。そして、雪華さんと寄りを戻すつもりはない。彼女の写真に関しては、いくらでも……俺の全財産、出してでも良い。買い取る。だから、もう俺たち二人には、近寄らないでくれ」
「あら。可哀想よね。自分は知らないところで、顔も名前も知らない沢山の誰かのオカズになるなんて……可哀想だと思わない? 私たちだって、そんなの嫌よねぇ? ねえ。北村くん?」
「……さっさと、初音と別れろ。あの子は、昔から俺のものだ」
え? 嘘。これ、皆。何を言ってるの?
「……みーちゃん。この話を補足すると、あのみーちゃんの元彼が……みーちゃんが眠っている内に、裸の写真を撮影してて……それを、ばら蒔かれたくなかったら別れろと、芹沢はあの二人から脅されていたんだ。警察に行けば、すぐに解決するかもしれないけど。そんな写真をばら蒔かれたら、みーちゃんは傷付くから。それは、絶対にしたくないって」
ゆうくんが小声で、この事態の衝撃的な流れを私に耳打ちをしてくれた。
「嘘……だから、だから。芹沢くんは……」
雪華にそんなことを止めて欲しいと、何度か会いに行ってたのが……あのSNSに掲載されていた、写真? うそ。信じられない。
「うん。芹沢は、何度かあの女に会いに行って、説得しようとはしたんだ……あ。なんかSNSに載ってた写真、あの場所に芹沢と雪華の二人だけじゃなくて、俺も居るからね。なんか、良い感じに切り取って、画像編集上手いよな。流石、本職だわ。あの女。けど、別にみーちゃんはあの女をフォローしている様子も、なかったし。可愛い系のアカウントしかフォローしてなかったから。あの話題がみーちゃんのタイムラインに流れて来ないことを、祈ってた」
「あ。ゆうくんも……あの画像の時に、一緒に居たんだ……」
私はこんな時だと言うのに、そのことに物凄くホッとした。芹沢くんは私を裏切ってなんか、なかった。
まったくの逆で。私を最低な元彼のリベンジポルノから、どうにかして守ろうとしてくれていただけ。
「そうそう。みーちゃん……辛かったよな。なんか、この前連絡来て凹んでいるのを見て、俺ももしかしたらヤバいかなとは思ったんだけど。こういう事情を、全部話す訳にはいかなくて……ごめん」
「ゆうくんは……何も、悪くないよ」
そうだ。ゆうくんは、友人と友人の彼女のために、どれだけの労力を割いてくれたのか。
もしかしたら、この前に彼女と別れたのだって、私と離れなきゃいけなかった芹沢くんの代わりに一緒に居なきゃいけないからだったのかもしれない。そう聞いたとしても、彼は絶対に否定すると思うけど。
「話にならないわね。司。私たちは、同じじゃない。普通の人とは、全く違うのよ。同類は一緒に居るべきだわ。それに、もう私たち、何度もこの話を話し合ったけど、交わらない平行線でうんざり……ああ。それと、彼女は私と司が会っていることを、もう既に知ってるわよ」
「……水無瀬さんに、直接連絡をしたのか? それは……約束が違う。どういう事だよ。いい加減にしろよ」
私とゆうくんと赤星くんの三人は、良い感じの木の陰を見付けたので、そこへと身を隠した。
「っ……かっ……!」
腰を落ち着けようとした私が、雪華の隣に居た人を見て立ち上がり彼の名前を呼びそうになったから、ゆうくんは慌てて私の口を手で塞いだ。
うそうそうそ!
あれって、私の幼馴染で元彼のかっちゃんだ。なんで、雪華の隣に当たり前みたいな顔をして立ってるの?
思いも寄らなかったまさかの人が居ることに呆然としていた私の耳に、信じられない言葉が聞こえて来た。
「もう……あの子と、別れたの? 司。私、そんなに気が長い方でもないんだけど。知ってるわよね?」
「……いいや。何度も話した通り、俺は水無瀬さんと別れるつもりはない。そして、雪華さんと寄りを戻すつもりはない。彼女の写真に関しては、いくらでも……俺の全財産、出してでも良い。買い取る。だから、もう俺たち二人には、近寄らないでくれ」
「あら。可哀想よね。自分は知らないところで、顔も名前も知らない沢山の誰かのオカズになるなんて……可哀想だと思わない? 私たちだって、そんなの嫌よねぇ? ねえ。北村くん?」
「……さっさと、初音と別れろ。あの子は、昔から俺のものだ」
え? 嘘。これ、皆。何を言ってるの?
「……みーちゃん。この話を補足すると、あのみーちゃんの元彼が……みーちゃんが眠っている内に、裸の写真を撮影してて……それを、ばら蒔かれたくなかったら別れろと、芹沢はあの二人から脅されていたんだ。警察に行けば、すぐに解決するかもしれないけど。そんな写真をばら蒔かれたら、みーちゃんは傷付くから。それは、絶対にしたくないって」
ゆうくんが小声で、この事態の衝撃的な流れを私に耳打ちをしてくれた。
「嘘……だから、だから。芹沢くんは……」
雪華にそんなことを止めて欲しいと、何度か会いに行ってたのが……あのSNSに掲載されていた、写真? うそ。信じられない。
「うん。芹沢は、何度かあの女に会いに行って、説得しようとはしたんだ……あ。なんかSNSに載ってた写真、あの場所に芹沢と雪華の二人だけじゃなくて、俺も居るからね。なんか、良い感じに切り取って、画像編集上手いよな。流石、本職だわ。あの女。けど、別にみーちゃんはあの女をフォローしている様子も、なかったし。可愛い系のアカウントしかフォローしてなかったから。あの話題がみーちゃんのタイムラインに流れて来ないことを、祈ってた」
「あ。ゆうくんも……あの画像の時に、一緒に居たんだ……」
私はこんな時だと言うのに、そのことに物凄くホッとした。芹沢くんは私を裏切ってなんか、なかった。
まったくの逆で。私を最低な元彼のリベンジポルノから、どうにかして守ろうとしてくれていただけ。
「そうそう。みーちゃん……辛かったよな。なんか、この前連絡来て凹んでいるのを見て、俺ももしかしたらヤバいかなとは思ったんだけど。こういう事情を、全部話す訳にはいかなくて……ごめん」
「ゆうくんは……何も、悪くないよ」
そうだ。ゆうくんは、友人と友人の彼女のために、どれだけの労力を割いてくれたのか。
もしかしたら、この前に彼女と別れたのだって、私と離れなきゃいけなかった芹沢くんの代わりに一緒に居なきゃいけないからだったのかもしれない。そう聞いたとしても、彼は絶対に否定すると思うけど。
「話にならないわね。司。私たちは、同じじゃない。普通の人とは、全く違うのよ。同類は一緒に居るべきだわ。それに、もう私たち、何度もこの話を話し合ったけど、交わらない平行線でうんざり……ああ。それと、彼女は私と司が会っていることを、もう既に知ってるわよ」
「……水無瀬さんに、直接連絡をしたのか? それは……約束が違う。どういう事だよ。いい加減にしろよ」
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