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「みーちゃんにそのアドバイスしたのって、俺と同じ学部に居る高橋と付き合っている清楚美人の河野さんだろ? あの人が心配していることは、一理はあるけど。芹沢の場合は、普通の思考じゃないから。手探りででも、自分で知っていった方が良いよ」
「え。美穂ちゃんのこと。な、なんでわかったの?!」
もしかして、エスパーなのかもしれない。やばい。彼の話を聞きながら、やっぱり秘密結社っぽい目だけの黒い仮面似合いそうって妄想していたのも、読まれているかもしれない。
「……うーん。みーちゃんとあの河野さんが、仲良さそうなのは前から知ってたし。完全に、大学生の今から真剣な婚活してるもんな。先を見据えた、頭の良い女だよ」
「真剣な、婚活……?」
ゆうくんの言っている意味がわからなくて、私は首を傾げた。
「あの人が付き合っている高橋は俺が見ても、頭が切れる。だが、面倒見が良くて、誰にだって優しい。それに困った奴を、見捨てられないんだ。だから、誰からでも慕われてるし、人が付いてくる。あいつは、会社を経営するのに向いてるんだよ。社長にするには、最適。あんま目立たないし、顔は確かにまぁまぁだけど、将来的に結婚する相手には、最高」
「え……高橋くんは、確かに優しいかも。私も美穂ちゃんと飲みに行った時には、いつも車で送って貰ってる」
私はゆうくんの言葉に、頷いた。あくまで一緒に居る彼女の美穂ちゃんの、おまけのついでに送って貰っているだけだけど。
「だろ? 河野さんは、前から頭良いなって思ってた。もしかしたら、一時は浮気はするかもしれないけど、高橋は苦労を共にした本妻を自分勝手には切れないタイプだから。俺が女だったら、あいつを選ぶ。間違いなく、大事にして貰えるもんな。だから、河野さんのこと感心してた。すげえ良い、青田買いすんなーって」
「美穂ちゃんって、やっぱりすごいんだね……私は、いつも助けて貰ってばっかりなんだけど」
「……まあ、向こうだって、みーちゃんみたいな全然計算ないほのぼのしてる子に癒されてると思うし。持ちつ持たれつじゃない? ……ねーねー。みーちゃん。芹沢を、喜ばせたい?」
「……え! うん!」
いきなりのゆうくんの提案に、私は勢い良く頷いた。
「はは。素直で、良いね。めっちゃ可愛い。あいつ。芹沢の誕生日、もうすぐだよ。サプライズで、何かあげたら? 喜ぶと思うよ」
「え?! そうなの? 知らなかった!! え……どうしよう!!」
流石、芹沢くんの仲の良い友人。ただのファンだった私の知らないプライベート情報が、ジャンジャン出て来ている。
けど、既に今月のお小遣いは夏服なんかを買ってしまって、現在お金ない……どうしよう。適当なバイトを探すにしても、すぐには決まらないかもしれないし。
「香水とか、良いんじゃない? こういうの」
ゆうくんは私がお金のことを考えている隙に、サッと検索していたスマホの画面をさりげなく見せてくれた。
「え! メンズの香水って、結構高いね……」
「香水って……ピンキリだけどね。高いと、人と被らなくて良いんだよねー。匂いって、どうしてもその人を思い出すから。芹沢は今、香水付けないから、みーちゃんの好きな匂いを付けさせれば、良いんじゃないの。あいつ。本当に真面目だから、彼女に貰ったんだったら、割と素直に付けると思うよ」
「高い……けど、せっかくだし、良いのをあげたい」
「え。美穂ちゃんのこと。な、なんでわかったの?!」
もしかして、エスパーなのかもしれない。やばい。彼の話を聞きながら、やっぱり秘密結社っぽい目だけの黒い仮面似合いそうって妄想していたのも、読まれているかもしれない。
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「真剣な、婚活……?」
ゆうくんの言っている意味がわからなくて、私は首を傾げた。
「あの人が付き合っている高橋は俺が見ても、頭が切れる。だが、面倒見が良くて、誰にだって優しい。それに困った奴を、見捨てられないんだ。だから、誰からでも慕われてるし、人が付いてくる。あいつは、会社を経営するのに向いてるんだよ。社長にするには、最適。あんま目立たないし、顔は確かにまぁまぁだけど、将来的に結婚する相手には、最高」
「え……高橋くんは、確かに優しいかも。私も美穂ちゃんと飲みに行った時には、いつも車で送って貰ってる」
私はゆうくんの言葉に、頷いた。あくまで一緒に居る彼女の美穂ちゃんの、おまけのついでに送って貰っているだけだけど。
「だろ? 河野さんは、前から頭良いなって思ってた。もしかしたら、一時は浮気はするかもしれないけど、高橋は苦労を共にした本妻を自分勝手には切れないタイプだから。俺が女だったら、あいつを選ぶ。間違いなく、大事にして貰えるもんな。だから、河野さんのこと感心してた。すげえ良い、青田買いすんなーって」
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「……まあ、向こうだって、みーちゃんみたいな全然計算ないほのぼのしてる子に癒されてると思うし。持ちつ持たれつじゃない? ……ねーねー。みーちゃん。芹沢を、喜ばせたい?」
「……え! うん!」
いきなりのゆうくんの提案に、私は勢い良く頷いた。
「はは。素直で、良いね。めっちゃ可愛い。あいつ。芹沢の誕生日、もうすぐだよ。サプライズで、何かあげたら? 喜ぶと思うよ」
「え?! そうなの? 知らなかった!! え……どうしよう!!」
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けど、既に今月のお小遣いは夏服なんかを買ってしまって、現在お金ない……どうしよう。適当なバイトを探すにしても、すぐには決まらないかもしれないし。
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ゆうくんは私がお金のことを考えている隙に、サッと検索していたスマホの画面をさりげなく見せてくれた。
「え! メンズの香水って、結構高いね……」
「香水って……ピンキリだけどね。高いと、人と被らなくて良いんだよねー。匂いって、どうしてもその人を思い出すから。芹沢は今、香水付けないから、みーちゃんの好きな匂いを付けさせれば、良いんじゃないの。あいつ。本当に真面目だから、彼女に貰ったんだったら、割と素直に付けると思うよ」
「高い……けど、せっかくだし、良いのをあげたい」
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