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06 暑い★
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「え……なんで」
「美味しそうだから。ねえ。水無瀬さんて、俺のファンって言ってたよね……確かにファンなんだろうけど、そこには恋愛感情って存在してるの?」
話しながらも続ける指を舐めている行為が、ひどく艶めかしいものに思えて来た。私は逃げ腰になりつつも、その場から身体を動かせない。
嫌なら、手を振り払うべきだ。私たち、付き合ってないし。こういうことする、深い関係じゃないし。
けど、嫌じゃなかった場合、どうしたら良いの?
「……えっ……そりゃ、芹沢くんのこと、好きだよ。でも……」
それは、推しのアイドルとしてであって、まさか付き合えるなんて思ってないし、絶対に自分には振り向かないってわかっている人をネタに、皆と一緒に騒いでるのって楽しいし。そういう関係になりたいなんて……今まで、全然考えたこともなかった。
そういった私の良くない本音なんて、お見通しみたいな芹沢くんは、言質を得たとばかりに唇を押し当てた。
柔らかな感触がしたと思ったら、彼の舌は話している途中で開いていた唇の中に押し入った。熱い舌が口の中でとろけると思ったけど、それは錯覚だったみたいで歯列をなぞったと思えば引っ込み思案な私の舌を吸い込んだりと好き勝手して出て行った。
「あっつー……水無瀬さんも、脱いだ方が良いよ。ねえ?」
弟のバンドTシャツが下からまくり上げられて、剥ぎ取られたのは一瞬だった。すぐに背中にあったホックは外されて、汗が溜っていた胸の谷間を芹沢くんが目に止めたのを感じた。
「ちょっ……芹沢くん……?」
「うん。俺のことを好きな女の子と、二人きりで密室の中。もう、こうなるしかない。部屋に入れた後悔なら、後でして」
胸に顔を埋められて、汗を狙うように舐められたのを感じた。そして、晒された生肌に当たる彼の熱い筋肉も、暑さでしっとり濡れているのがわかってしまう。間にある液体が潤滑油になって、ぬるぬるした感触も変な気持ちになるのを助長した。
「ひゃっ……ちょっとちょっと待って! 汚いよね!?」
「いや、暑いし……シャワー浴びても、どうせこうなるよ。同じこと」
これを止めようと言った私の言葉を、シャワーを浴びように誤変換した芹沢くんは、また遠慮なしに事を進めていく。舐められているうちに先の尖った乳首に吸い付いて、あとはもう彼の舌が上半身を縦横無尽に動くのを、戸惑いつつ感じているしかない。
私はというとこれが最初な訳でもなかったので、この後に起こることをはしたなくも期待してしまっている自分が居た。高校生の時に一時付き合った幼馴染は、浮気されて別れてしまった。その時の彼氏と比べてしまうと前戯の経験値が段違い過ぎて、期待しかない。
「ふわっ……はあっ……はあっ……芹沢くん……あつい」
「俺も暑い。けどもう、止められない。ごめん」
いきなり短パンと一緒に下着が足から引き抜かれても、私はどうしても彼を拒めなかった。
付き合う前にしてしまうと、その男とは付き合えないという恋愛マスターの美穂ちゃんによる忠告なども頭にチラついた。
けど、よくよく考えると芹沢くんとは正式に付き合えることはない。お互いに決めた人も居ないというのだから、ここは割り切った一夜で良いのではという……流されてしまいたい願望の私が脳内会議で勝利した。
躊躇することもなく足の間に舌を這わせた芹沢くんは、特に狙いを定めることなく、がむしゃらに周辺を舐めているようだ。さっき、胸の間に溜った汗も舐めていたし、もしかしたら体液フェチなのかもしれない。
舌が一番敏感な部分に触れて私がビクンと大きく身を震わせたら、彼は心得たようにそれを攻めることに決めたようだった。長い間飽きることなく舐められると、快感は一気に加速して駆け上って行った。
私が久しぶりに達した快感に呆然としていると、いつの間にか下着も脱いでいた芹沢くんはどこからか取り出したコンドームをそれに装着していた。
「せりざわくん……?」
「完全にお守りになってたけど、持ってて良かったー……先に言っとくけど、これ一個しかないから、出来るだけ長く持たせたい……」
良くわからない一回だけ宣言をしたと思ったら、彼は足を持ち上げて蜜口に何かが当たったと思えば、ずるんっとすぐに侵入して来た。
「美味しそうだから。ねえ。水無瀬さんて、俺のファンって言ってたよね……確かにファンなんだろうけど、そこには恋愛感情って存在してるの?」
話しながらも続ける指を舐めている行為が、ひどく艶めかしいものに思えて来た。私は逃げ腰になりつつも、その場から身体を動かせない。
嫌なら、手を振り払うべきだ。私たち、付き合ってないし。こういうことする、深い関係じゃないし。
けど、嫌じゃなかった場合、どうしたら良いの?
「……えっ……そりゃ、芹沢くんのこと、好きだよ。でも……」
それは、推しのアイドルとしてであって、まさか付き合えるなんて思ってないし、絶対に自分には振り向かないってわかっている人をネタに、皆と一緒に騒いでるのって楽しいし。そういう関係になりたいなんて……今まで、全然考えたこともなかった。
そういった私の良くない本音なんて、お見通しみたいな芹沢くんは、言質を得たとばかりに唇を押し当てた。
柔らかな感触がしたと思ったら、彼の舌は話している途中で開いていた唇の中に押し入った。熱い舌が口の中でとろけると思ったけど、それは錯覚だったみたいで歯列をなぞったと思えば引っ込み思案な私の舌を吸い込んだりと好き勝手して出て行った。
「あっつー……水無瀬さんも、脱いだ方が良いよ。ねえ?」
弟のバンドTシャツが下からまくり上げられて、剥ぎ取られたのは一瞬だった。すぐに背中にあったホックは外されて、汗が溜っていた胸の谷間を芹沢くんが目に止めたのを感じた。
「ちょっ……芹沢くん……?」
「うん。俺のことを好きな女の子と、二人きりで密室の中。もう、こうなるしかない。部屋に入れた後悔なら、後でして」
胸に顔を埋められて、汗を狙うように舐められたのを感じた。そして、晒された生肌に当たる彼の熱い筋肉も、暑さでしっとり濡れているのがわかってしまう。間にある液体が潤滑油になって、ぬるぬるした感触も変な気持ちになるのを助長した。
「ひゃっ……ちょっとちょっと待って! 汚いよね!?」
「いや、暑いし……シャワー浴びても、どうせこうなるよ。同じこと」
これを止めようと言った私の言葉を、シャワーを浴びように誤変換した芹沢くんは、また遠慮なしに事を進めていく。舐められているうちに先の尖った乳首に吸い付いて、あとはもう彼の舌が上半身を縦横無尽に動くのを、戸惑いつつ感じているしかない。
私はというとこれが最初な訳でもなかったので、この後に起こることをはしたなくも期待してしまっている自分が居た。高校生の時に一時付き合った幼馴染は、浮気されて別れてしまった。その時の彼氏と比べてしまうと前戯の経験値が段違い過ぎて、期待しかない。
「ふわっ……はあっ……はあっ……芹沢くん……あつい」
「俺も暑い。けどもう、止められない。ごめん」
いきなり短パンと一緒に下着が足から引き抜かれても、私はどうしても彼を拒めなかった。
付き合う前にしてしまうと、その男とは付き合えないという恋愛マスターの美穂ちゃんによる忠告なども頭にチラついた。
けど、よくよく考えると芹沢くんとは正式に付き合えることはない。お互いに決めた人も居ないというのだから、ここは割り切った一夜で良いのではという……流されてしまいたい願望の私が脳内会議で勝利した。
躊躇することもなく足の間に舌を這わせた芹沢くんは、特に狙いを定めることなく、がむしゃらに周辺を舐めているようだ。さっき、胸の間に溜った汗も舐めていたし、もしかしたら体液フェチなのかもしれない。
舌が一番敏感な部分に触れて私がビクンと大きく身を震わせたら、彼は心得たようにそれを攻めることに決めたようだった。長い間飽きることなく舐められると、快感は一気に加速して駆け上って行った。
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「せりざわくん……?」
「完全にお守りになってたけど、持ってて良かったー……先に言っとくけど、これ一個しかないから、出来るだけ長く持たせたい……」
良くわからない一回だけ宣言をしたと思ったら、彼は足を持ち上げて蜜口に何かが当たったと思えば、ずるんっとすぐに侵入して来た。
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