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プロローグ

プロローグ2

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俺たち二人はお店の前にやってきた。

心身ともに疲れてしまった。

なぜかって、当然女の子たちに見つかってしまったからですよ。

何枚サイン書いたか覚えてないです。ハァ~

「香織、大丈夫か」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん」

「そうか、なら良かった」

俺たちは店内に入っていった。
それから色んなものを買った。

服や帽子の他にも妹に似合いそうなものは容赦無く買っていった。

まぁお金は大会の賞金があるから、全然問題なかった。

俺のものといったら男物の店で一瞬で見て選んだパンツとジャージ上下である。

色々と買って二人はお店を後にした。

「もう1時か、昼ごはんでも食べに行こうぜ」

「そうだね、私お腹空いちゃった」

そんな話をしていると、

ピクッ

「なんだこの殺気は⁈」
とても嫌な視線を感じた。

「どうしたのお兄ちゃん?」

ドカ~ン

キャー
車の爆発と共に黒煙が立ち登り悲鳴が聞こえてくる。

「何が起きてるんだ⁈」
「大丈夫か、香織?」

「私は大丈夫だよ」

その時

「誰か助けて」

爆発が起こった方からそう叫び声がした。

「お兄ちゃん、私は大丈夫だから助けに行ってあげて」

「あぁわかった、何かあったら逃げるんだぞ!」

そう言い残して俺は助けを求める人の方へ走り出した。

駆けつけてみるとそこには、大量に出血をして倒れている男性がいた。

その横には娘らしき女の子が泣いていた。

「今助けるから心配しないで大丈夫だから」

そういうと俺は爆発した車の中にあった鉄の棒のようなものと爆発でできた火を使うことにした。

鉄の棒を火で炙って出血しているところを焼いて止血した。

荒技すぎる方法だが仕方がなかったので痛みは勘弁してほしいと心で思っていた。

本当にすまない。

そうこうしているうちに救急車が到着した。

これで一安心かなと思っていると、

「本当にありがとうございました」と、

小さな女の子が俺に向かって深々と頭を下げた。

「いいんだよ、お父さんしっかり回復するといいね」

「それじゃまたね」

「うんまたね、お兄ちゃん」

そう言うと救急車に乗り込んで病院へと向かっていった。

その時またさっきのような殺気に似た視線がした。

「今度は何なんだよ」

後ろを振り向くとそこには香織がいた。
それと香織に向かっていく一台の車が目に入った。

俺は瞬時に反応して香織の方へ全速力で走っていった。

ドカ~ン

間に合わなかった。

またしても家族を事故で死なせてしまった。
「くそ!、くそ!」
「俺は何のために強くなったんだ」

「香織を守るために強くなったのに」
「くそ!」

すると突如、目の前が真っ暗になり酷い頭痛が俺を襲う。
俺はそのまま気を失って倒れてしまった。

俺は倒れて寝ている間夢を見ていた。

「おに....」
「お兄ちゃ.....」
「お兄ちゃん!」

そこには死んだはずの香織が立っていた。

「香織!、生きていたのか!」

「お兄ちゃん私は死んだよ、ごめんね」
「だけど心配しないで大丈夫だから」

「何が大丈夫なんだよ」

「まぁまぁいいじゃない、それより私が居なくてもちゃんと朝起きてね」

「それとちゃんと稽古も続けてよね私が居ないからって辞めないでね」

急にそんなことを言われたので俺は混乱していた。

そんな俺を見ながら香織は笑顔で

「じゃあまたね、お兄ちゃん」

そういうと香織は暗闇の中へ消えていった。

その途端強制的に目覚めさせられるようにして目を覚ました。

目を覚ました場所は病院のベットだった。

その時机の上のスマホに着信が来た。

スマホを見るとあれから3日が経っていた。

着信を確認するとそこには妹のお葬式が今日ある事と場所が表示されていた。

「はぁ⁈、何だよそれ」

俺はベットから飛び降り、勢いよくドアを開けて廊下を猛ダッシュで走り出した。

ずっと寝ていたせいか体もだるいし、頭も痛い本当に災厄だと思った。

息切れをしながらも妹の所まで走り続けた。

葬儀場に到着した。

看板に書いてある香織の名前を見た瞬間体がずっしりと重たくなるのを感じた。

自動ドアを通りゆっくりと香織の方へ歩いていく、
香織の顔を見た途端死んだということが本当であるとわかった。

「守れなくて本当にごめん」
「俺は何のために頑張ったんだろうな」

目から涙がこぼれ落ちた。

自分が泣いていることに気づいて慌てて涙を拭いた。

「ごめん、泣いてたら怒るよな」
「夢の中で言っていたことちゃんと守るからな」

そう言って火葬場から立ち上がる煙を見て呟いた。

                                                                        つづく
























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