スペア~ふたつの月~ 本編前に死ぬモブキャラに生まれ変わった私は、かわいい妹の為に絶対死にません。

花かつお

文字の大きさ
上 下
32 / 50
本編

(32)もう、メタメタになってきた。

しおりを挟む
 そんな残念なイケメン神官長のジュール様に

南の賢者様がニコニコと笑顔で

「ジュール君、ちょっと話が進まないから黙ってくれるかな?」

「えっっっっはい賢者さま、黙りますぅ~」

おう、賢者様、笑顔なのに目がちっとも笑っていないですね
体から醸し出される“テメェ殺すぞ”なオーラを
感じとった残念なイケメンがお口を閉じた所で
賢者様が話し出した。

「さて、お集まりの方に改めて紹介をするね。まずは、私から南に住む賢者であり、そして、この世界ラクーシュを創った管理者の代わりに現在ラクーシュを見守る役割を担ったキャラクターの一人らしい」

はっ?今なんとおっしゃいましたか?

賢者様が自分の事をキャラクターって言いましたよね。

それってメタ発言と言うことですよね。



そして、賢者様がわたしとレーアのほうに

手を向けると

何と賢者様の手が突然、消えたと思ったら

周りの風景がグニャリッと歪み


『アルアルーーー』
『パカパカーーー』

賢者様の手には、アル・ティーラとパカ・クルーが捕まっていた。

「おや、不思議な気配があると思ったら、私の知らない精霊が2柱も、君たちは新しくここの管理者と名のった神の使いかな?」

アル達を捕まえた賢者様は口調は優しいが
底知れぬ怖さを出していた。

(えっ!?アル達が捕まった!?)

わたしが呆然としていると



「アルちゃん、パカちゃんをイジメちゃダメーっ 」

そう叫んだのは、天使な妹レーアだった。

賢者様は、レーアにそう言われてちょっと困った顔つきで

「レーアちゃん、虐めてるつもりは無いよ 」

そうは言ってもアルとパカ達は、賢者様の手から
必死に逃げようともがいてる。

『アルアル~~~~ッ』アルパカ精霊達は手足をばたつかせながら

《このにんげん! おかしいアル!!》

アルの泣きそうな声が私の脳内に響いた。

『パカパカ~ン パカパカーーーーー』

《アルッヤバイ、このにんげんは、ふつうじゃない》

アルとパカ達が賢者様を見て必死に何かしてる。

私も賢者様をマジマジと見てると

目の前に、縦長の画面みたいなのが現れた。

これって!?

私がその謎の四角い画面に表示された物を見たら

……はっあっ!?


鑑定結果

名前

◆チイ*ォ=ス*

◆南の隠れ賢者

(ラクーシュの管理者一人)

HP ****鑑定不可
MP ****鑑定不可

スキル
宿命の糸切り
(運命とか宿命とか赤い糸とかそんなん、知りません。ブッチギリます)
****鑑定不可
****鑑定不可
以下鑑定不可能。

◆称号

作りし**(神?)を超えた*在

(※怒らせたら、厄介です。注意しましょう)



これって、賢者様のステータス?

何でこんなのが見えてんの?


《アルーーパカーー まっまさか、きゅーきゅうかんりしゃ!?》
《これは、**様にほうこくーー》

賢者様は掴んでいるアルとパカに向かって

「おやおや、無断で私の事を鑑定するなんて、躾がなってない精霊達ですね 契約主より作り主を優先するとは 」

わたしは、気づいた。
どうやら、アル達が賢者様を無断で鑑定していたのを
アルと意識共有してる、わたしにも見えたらしい。

えーっとぉ、文字バケしているけど、この鑑定情報。
これは……見たら不味いんじゃ……
わたしは、背中がガクブルと寒気を感じた。

賢者様が捕まえたアル達に向かって


「君達、ちょっと静かにしてもらおうかな」


もう、片方の手をアルとパカの頭の上にかざすとそれまで、喚いていたアルパカ達は静かになり体は、すべての力が抜けてグンニャリとしている。

まっまさか!賢者様、アルパカ達をーー

嘘でしょーー!!死んでないよね?

あわてて、賢者様にわたしは話しかける


「けっけっ賢者様!?アルとパカちゃんは、し、しんじゃったの!?」 

「いやいや、リイアちゃん、精霊達は死んでないから、安心して彼らが、通じていた作り主との意識共有を色々と弄っただけだから、どうやら、この子達は、君らの契約精霊に見せかけた監視役だったみたいだよ」


なんですとーーーっあのアルパカ神のクソバカカス野郎は

って事は、今までの行動もアイツに筒抜けていたって事?

ふ・ざ・け・ん・な!

やっぱり、アルパカ神はいつか、ぶん殴ろうと

心の底から固く誓ったのだった。


しおりを挟む

スペアシリーズ 第1弾
『スペア~死んでしまった姉の代わりに僕が巫女ってどういう事!?~』
もよろしくお願いします。

感想 0

あなたにおすすめの小説

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬
恋愛
私は公爵家令嬢のエリザベート。弟と妹がおりますわ。嫡男の弟には隣国の姫君。妹には侯爵子息。私には皇太子様の婚約者がおります。勿論、政略結婚です。でもこればかりは仕方が有りません。貴族としての義務ですから。ですから私は私なりに、婚約者様の良い所を見つけようと努力をして参りました。尊敬し寄り添える様にと努力を重ねたのです。でも無理!ムリ!絶対に嫌!あからさまな変態加減。更には引きこもりの妹から明かされる真実?もう開いた口が塞がらない。 ヒロインに隠しキャラ?妹も私も悪役令嬢?ならそちらから婚約破棄して下さい。私だけなら国外追放喜んで!なのに何故か執着されてる。 ヒロイン!死ぬ気で攻略しろ! 勿論、やられたら倍返ししますけど。 (異世界転生者が登場しますが、主人公は異世界転生者では有りません。) 続編として【まだまだ宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約破棄しない。】があります。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)

音無砂月
ファンタジー
公爵令嬢として生まれたレイラ・カーティスには前世の記憶がある。 それは自分がとある人物を中心にイジメられていた暗黒時代。 加えて生まれ変わった世界は従妹が好きだった乙女ゲームと同じ世界。 しかも自分は悪役令嬢で前世で私をイジメていた女はヒロインとして生まれ変わっていた。 そりゃないよ、神様。・°°・(>_<)・°°・。 *内容の中に顔文字や絵文字が入っているので苦手な方はご遠慮ください。 尚、その件に関する苦情は一切受け付けませんので予めご了承ください。

魔法少女のなんでも屋

モブ乙
ファンタジー
魔法が使えるJC の不思議な部活のお話です

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...