スペア~ふたつの月~ 本編前に死ぬモブキャラに生まれ変わった私は、かわいい妹の為に絶対死にません。

花かつお

文字の大きさ
上 下
8 / 50
本編

(8)スルーしたかったけど無理だった

しおりを挟む
 すや…すや…

『巫女、新しく神の力を授かった巫女よ…』

ぐーぐー今、私は寝る事に忙しいの

『ねえ、巫女聞こえてるよね。ここは夢の中だよ、だから答えてよ』

 夢の中ですか、そーですか
じゃあ答えるかって言うと……めんどいから、やっぱり寝ます!ご用件は起きた時にして下さいませ。

『本当、そんな事したら君のほうが大変なことになるよ。色んな人の前でこの子は聖女になったリイアちゃんでーすって公開処刑していいの?ねえ巫女』

 なんて恐ろしい宣言が聞こえた
はい、はい答えるよ!
夢の中の相手を見ようとしたら姿が見えない…
まあ、正体は何となく分かってるが

「めんどくさい、分かりきってるからスルーしてたのに、どうせ私を巫女として神託した神様でしょ?」

『当りーさすが先輩が目をつけてこっちに持ってきた魂だね!』

 当りって軽いな。
あと気になる単語が魂を持ってきた?

「それどういう事、詳しく聞かせて欲しいんだけど」

『それは、もちろん君が地球で亡くなったからさ、それを僕の先輩がここに持ってきたんだよ。』

「そっか、やっぱり地球で私は死んじゃったのかそこらへんの事、覚えてないんだけど神様は知ってる?」

『えっそうなの、前世の事、リイアはどんな感じで覚えてるの?』

「うーんと、地球の日本で生きてた性別は女性かな?その時の自分の名前とか思い出せないんだよね。ほんと、後は何となくしか分からない状態」

『そうか、もしかしたら界渡りの時か何かあったかもそこは僕も分からないなあ』

「えーっもういいや、その神様が言ってた先輩って会えないの?」

『今は、無理かな手が離せない仕事でこっちに来れないから』

「なんじゃそりゃってか、聞きたい事があるんだけど、私、すぐ死んじゃうキャラに生まれ変わったのよ。それも、神様が言ってた先輩の指示なの!?」

『先輩の指示じゃないよ僕が勝手にしたこと』

見えない神様のなんだか嬉しそうな雰囲気にイラッとする。

「なに勝手なことしてんのよ。私にも迷惑だしレーアにも迷惑よ!あのスペアシステム!ふざけんじゃないわよ」

『先輩がリイアは前世でゲーム好きだからって聞いていたから僕からの洒落た招待だよ』

 コイツ今すぐ殴ってやりてえ……

「じゃあ、スペアシステムは無くしてよ。あんな死んだ相手からの能力を引き継ぐシステムなんて最低だよ。開発者は頭おかしいでしょ」

『それが面白い所なのに、リイアあとスペアの事、他の人に話したら駄目だよ。まあ喋っても回りにいる僕の配下の精霊たちが記憶を消すけどね。だからリイアが頑張って運命を変えたらいいんだよ。そうしたら、妹はリイアの代用品にはならいし、リイアも生き残って万々歳にね。今なら巫女になった記念に何かして欲しい事があればサービスするけど』

「よし、今すぐ姿を見せろ、そしてオマエを泣かす‼面出せやこのカス野郎」

『へっそんな無理だよ嫌だよ何か戻れない気がする
リイア、やっぱりさっきのサービスは取り消すね。じゃおやすみ』 

「まってカスヤロー 一発殴らせてから消えろやあああ」



「リイア…リイア…」

「リイア、起きたか、何やら魘されていたぞ」
「リイア、夢見が悪かったのすごい寝言だったわ」

悪夢から目覚めたら美形夫婦がいて
少しだけ癒されました。いつも、いつも、スミマセン。
けど悪いのは人の夢の中に出てきた神様カスヤロー
悪いわ。こんど、あったら絶対殴る。

「母さま…嫌な夢を見てました」
「そうなの、じゃあリイアが安心して寝れるまで、そばにいるわ」
そう言って母様逹は私が寝るまで居てくれました。

 勿論その後は悪夢は見ませんでした。

しおりを挟む

スペアシリーズ 第1弾
『スペア~死んでしまった姉の代わりに僕が巫女ってどういう事!?~』
もよろしくお願いします。

感想 0

あなたにおすすめの小説

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬
恋愛
私は公爵家令嬢のエリザベート。弟と妹がおりますわ。嫡男の弟には隣国の姫君。妹には侯爵子息。私には皇太子様の婚約者がおります。勿論、政略結婚です。でもこればかりは仕方が有りません。貴族としての義務ですから。ですから私は私なりに、婚約者様の良い所を見つけようと努力をして参りました。尊敬し寄り添える様にと努力を重ねたのです。でも無理!ムリ!絶対に嫌!あからさまな変態加減。更には引きこもりの妹から明かされる真実?もう開いた口が塞がらない。 ヒロインに隠しキャラ?妹も私も悪役令嬢?ならそちらから婚約破棄して下さい。私だけなら国外追放喜んで!なのに何故か執着されてる。 ヒロイン!死ぬ気で攻略しろ! 勿論、やられたら倍返ししますけど。 (異世界転生者が登場しますが、主人公は異世界転生者では有りません。) 続編として【まだまだ宜しくないヤツだけど、とりあえず婚約破棄しない。】があります。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)

音無砂月
ファンタジー
公爵令嬢として生まれたレイラ・カーティスには前世の記憶がある。 それは自分がとある人物を中心にイジメられていた暗黒時代。 加えて生まれ変わった世界は従妹が好きだった乙女ゲームと同じ世界。 しかも自分は悪役令嬢で前世で私をイジメていた女はヒロインとして生まれ変わっていた。 そりゃないよ、神様。・°°・(>_<)・°°・。 *内容の中に顔文字や絵文字が入っているので苦手な方はご遠慮ください。 尚、その件に関する苦情は一切受け付けませんので予めご了承ください。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!

naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』 シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。 そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─ 「うふふ、計画通りですわ♪」 いなかった。 これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である! 最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

処理中です...