スペア~死んでしまった姉の代わりに僕が巫女ってどういう事!?~

花かつお

文字の大きさ
上 下
9 / 13

(9)それでよければ ……構いませんが。

しおりを挟む
 


星はめぐり―今ここにいる。



***


「では、行ってまいりますね。母さん」

「じゃあねぇー母様!」


「いってらしゃい、二人とも頑張ってね。あと、あんまりローレ様をいじめちゃダメですよ」

「「わかってる・ます」」


そう言って双子たちは旅立っていた。

なんと、15歳になる前の日、子供たちは自分から勇者と巫女として僕が住んでいた土地に行って勉強したいと志願してきた。
それを聞いた僕は困ったけれど
お隣の賢者さまは

「一度は、別の土地で暮らしてみるのもいいと思いますよ。勇者と巫女のことを知って、嫌なら、ならなければ、いいことだから、ねえ、リンさん」

それから、あれよあれよという間と話が纏まり
子供たちは、ローレがいる王都に出発した。

ーもちろん、今、双子たちは自分の父親のことを誰かと知っており僕のされたことをネタに顔を合わせるたんびに実の父親をネチネチと嫌味を言って虐めている……。


まあそんな事は置いといて、

僕の方はと言うと――


「リンさん、あの子たちが15になったらお返事すると約束していましたけど、決まりましたか?」


「えーっと、えーっと、
それなんですか、あの子たちが結婚するまで延長というこで……ダメですか、賢者さま?」


「いいよ、私は気が長いから
ああ、断るという選択肢は無いからね」


「……気が長すぎです。賢者さま

僕がおばあちゃんになっても返事しなかったら
どうするんですか……」


「大丈夫、大丈夫、その前にちゃんと君に返事をもらえると信じてるから」


……本当に気が長すぎです。賢者様


宿命は変えられないけれど、


運命は変えられると


昔、だれかに言われた気がする。


そんなわけで、僕は姉の代用品ースペアになったけど


ー生き方は自分で決めたーだから、ここにいるー。




***



王都にて


「ローレ様(父)って、鈍感へたれの上にあんまり、あたま良くないんですよね」

「ほんと、あんなに優しい母様を怒らすってバカだよ」

「お前ら、もういい加減にしろ……」

「仕方ないよ~双子ちゃん達、恵まれてんのに
なくしてから、気付くうっかり鈍感王子なんだから」

「…………」

「「母さん、母様があんまりローレ様を虐めると可哀想って言ったから教えてあげるよ。まだお隣の賢者お父さんの所へはお嫁に行かないみたいだよ~」」

「!?」

「あっマジでじゃあ、僕にもチャンスがあるってことか~」

「はっ!?ルーン貴様は何を言ってる?」

「えっそういうことだけど?僕もリンと結婚できるチャンスがあるってことさ」

「「わー、ライバルが多くて大変だね!ローレ様www」」



END

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

呪われた令嬢と呼ばれた私が、王太子の妃になりました

ゆる
恋愛
「呪われた娘」と蔑まれ、家族からも見捨てられた公爵令嬢ロミー。 唯一の味方だった母を失い、孤独な日々を送る彼女に持ち上がったのは、侯爵家の嫡男・レオンとの婚約話。しかし、顔も姿も見せないロミーを「呪われた醜女」だと決めつけたレオンは、翌日には婚約を一方的に破棄する。 家族からも嘲笑われ、さらなる屈辱を味わうロミー――だが、その場に現れた王太子アレクセイが、彼女の運命を大きく変えた。 「面白い。そんな貴族社会の戯れ言より、お前自身に興味がある」 そう言ってロミーを婚約者として迎えた王太子。 舞踏会でフードを剥がれ、その素顔が明かされた瞬間、誰もが息を呑む―― ロミーは呪われた娘などではなく、絶世の美貌を持つ先祖返りのハイエルフだったのだ! 彼女を蔑んだ家族と元婚約者には、身分剥奪と破滅の裁きが待っている。 一方、ロミーは王妃となる道を歩みながらも、公爵家の地位を保持し、二重の尊厳を持つ唯一無二の存在へ。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです

新条 カイ
恋愛
 ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。  それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?  将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!? 婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。  ■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…) ■■

王太子に婚約破棄され塔に幽閉されてしまい、守護神に祈れません。このままでは国が滅んでしまいます。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 リドス公爵家の長女ダイアナは、ラステ王国の守護神に選ばれた聖女だった。 守護神との契約で、穢れない乙女が毎日祈りを行うことになっていた。 だがダイアナの婚約者チャールズ王太子は守護神を蔑ろにして、ダイアナに婚前交渉を迫り平手打ちを喰らった。 それを逆恨みしたチャールズ王太子は、ダイアナの妹で愛人のカミラと謀り、ダイアナが守護神との契約を蔑ろにして、リドス公爵家で入りの庭師と不義密通したと罪を捏造し、何の罪もない庭師を殺害して反論を封じたうえで、ダイアナを塔に幽閉してしまった。

【完結】人生で一番幸せになる日 ~『災い』だと虐げられた少女は、嫁ぎ先で冷血公爵様から溺愛されて強くなる~

八重
恋愛
【全32話+番外編】 「過去を、後ろを見るのはやめます。今を、そして私を大切に思ってくださっている皆さんのことを思いたい!」  伯爵家の長女シャルロッテ・ヴェーデルは、「生まれると災いをもたらす」と一族で信じられている『金色の目』を持つ少女。生まれたその日から、屋敷には入れてもらえず、父、母、妹にも虐げられて、一人ボロボロの「離れ」で暮らす。  ある日、シャルロッテに『冷血公爵』として知られるエルヴィン・アイヒベルク公爵から、なぜか婚約の申し込みがくる。家族は「災い」であるシャルロッテを追い出すのにちょうどいい口実ができたと、彼女を18歳の誕生日に嫁がせた。  しかし、『冷血公爵』とは裏腹なエルヴィンの優しく愛情深い素顔と婚約の理由を知り、シャルロッテは彼に恩返しするため努力していく。  そして、一族の中で信じられている『金色の目』の話には、実は続きがあって……。  マナーも愛も知らないシャルロッテが「夫のために役に立ちたい!」と努力を重ねて、幸せを掴むお話。 ※引き下げにより、書籍版1、2巻の内容を一部改稿して投稿しております

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい

LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。 相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。 何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。 相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。 契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

王子の呪術を解除したら婚約破棄されましたが、また呪われた話。聞く?

十条沙良
恋愛
呪いを解いた途端に用済みだと婚約破棄されたんだって。ヒドクない?

処理中です...