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(9)それでよければ ……構いませんが。
しおりを挟む星はめぐり―今ここにいる。
***
「では、行ってまいりますね。母さん」
「じゃあねぇー母様!」
「いってらしゃい、二人とも頑張ってね。あと、あんまりローレ様をいじめちゃダメですよ」
「「わかってる・ます」」
そう言って双子たちは旅立っていた。
なんと、15歳になる前の日、子供たちは自分から勇者と巫女として僕が住んでいた土地に行って勉強したいと志願してきた。
それを聞いた僕は困ったけれど
お隣の賢者さまは
「一度は、別の土地で暮らしてみるのもいいと思いますよ。勇者と巫女のことを知って、嫌なら、ならなければ、いいことだから、ねえ、リンさん」
それから、あれよあれよという間と話が纏まり
子供たちは、ローレがいる王都に出発した。
ーもちろん、今、双子たちは自分の父親のことを誰かと知っており僕のされたことをネタに顔を合わせるたんびに実の父親をネチネチと嫌味を言って虐めている……。
まあそんな事は置いといて、
僕の方はと言うと――
「リンさん、あの子たちが15になったらお返事すると約束していましたけど、決まりましたか?」
「えーっと、えーっと、
それなんですか、あの子たちが結婚するまで延長というこで……ダメですか、賢者さま?」
「いいよ、私は気が長いから
ああ、断るという選択肢は無いからね」
「……気が長すぎです。賢者さま
僕がおばあちゃんになっても返事しなかったら
どうするんですか……」
「大丈夫、大丈夫、その前にちゃんと君に返事をもらえると信じてるから」
……本当に気が長すぎです。賢者様
宿命は変えられないけれど、
運命は変えられると
昔、だれかに言われた気がする。
そんなわけで、僕は姉の代用品ースペアになったけど
ー生き方は自分で決めたーだから、ここにいるー。
***
王都にて
「ローレ様(父)って、鈍感へたれの上にあんまり、あたま良くないんですよね」
「ほんと、あんなに優しい母様を怒らすってバカだよ」
「お前ら、もういい加減にしろ……」
「仕方ないよ~双子ちゃん達、恵まれてんのに
なくしてから、気付くうっかり鈍感王子なんだから」
「…………」
「「母さん、母様があんまりローレ様を虐めると可哀想って言ったから教えてあげるよ。まだお隣の賢者お父さんの所へはお嫁に行かないみたいだよ~」」
「!?」
「あっマジでじゃあ、僕にもチャンスがあるってことか~」
「はっ!?ルーン貴様は何を言ってる?」
「えっそういうことだけど?僕もリンと結婚できるチャンスがあるってことさ」
「「わー、ライバルが多くて大変だね!ローレ様www」」
END
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