スペア~死んでしまった姉の代わりに僕が巫女ってどういう事!?~

花かつお

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(2)とりあえず、責任者出てこい

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朝、鏡をみて愕然とした……


「もう、最悪だ……なんでこうなった」


父から聞いた話を僕は、頭を抱えてうめていた。何が最悪だって…………

亡くなった双子の姉の巫女姫の代わり……

それは、巫女姫は、この世界に神の意志を伝え
そして、王族と結婚して、次の巫女や魔王を倒す勇者を生み出す重要な大切な役目をだから 僕はその代わりの新しい巫女になったらしい。

だけど、

何が一番、問題で最悪なのは、僕の結婚相手が

サイテーな奴だからに決まってるからだ!!!!


朝早くから自室のドアをコンコンとノックの音がする 僕が返事を出す前に、そいつが入ってきた。


「よお、元気か?リン なんだ。せっかく来てやったのに、こっち向けよ」

こちらをニヤリと笑ってみる男ー
ローレ・ラサ・クオン
その容姿は、金髪碧眼で端正な顔立の、長身の持ち主そして、姉がいるのに、女にだらしない性格で昔から僕の事をからかう嫌なヤツだ。


いや、そんなことより、問題は今の僕だーー

自分は、姉とは似ていない二卵性双生児だった、はずなのに……

それまで、下に俯いてた顔をローレのほうに向けるとそれまで、笑っていた男が驚いた顔をして僕を見て

「お前……その顔、はっ!?リカ?おい
 いや、馬鹿なお前、リンだよな?」

「ローレ様、僕はリンです……」

そう、僕の顔は、姉の顔になっていた。
姉の顔は、目はアーモンド型で
唇はサクランボの色をした美少女だった。

それに引換、弟の僕は、平凡な顔立ちで本当にあの姉と血が繋がっているのか疑われた事もあるくらい違っていた。

それが今朝、リカのような顔になってしまった……

本気でありなえい……

そして、
ローレが僕に近づき、僕の顔をマジマジと見ながら

「瞳の色だけは、リンのままだ……」

はっと僕はもう一度だけ鏡を見ると
そこには、瞳の色だけは、平凡な顔立ちの時の僕の眼の色だった。


ー金色ーそれが僕の色。


リカは、緑色だったから、そこだけ変わってないのを見て、何故だか自分はまだ、リンでいいと言われてるみたいで嬉しかったーー。


「ビックリしたな、お前は、瞳の色以外、全身がリカと同じ体になってるなんて……」

「えっ……?」

改めて、体もじっくり見ると……

「なんだってええええぇぇぇぇぇ!?」

そこには、昨日まで無かった胸の膨らみがあった。

「って……気づいてなかったのか?」

「……起きて……ずっと鏡の前で動けなかったんです……」

ボーゼンとしていたら、なぜか、ますます、ヤツの顔が近くなり

「 なあ、リン 」

「何ですか……もう、用事なければ帰ってください」

(どうせ朝帰りのついでに僕の様子を面白おかしく見に来ただけの癖に!)

僕は、内心イラツキながらヤツを部屋から追いだそう。そう、しようとした瞬間。

ローレは口元に微笑みを浮かべて僕の耳元に囁いた。

「 婚前交渉って、知ってる? 」

ハッ?なんだって!?

今なんて言ったんだ!?

目を白黒している間にヤツに囚われてしまい

何もかも遅かったーー。

って朝っぱらなのに、なんだこれ!!!???

ーー嘘だろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!?

そして、明るい光の中、僕の心は羞恥という名の暗闇に落とされたのだったーー。


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