【本編完結】まさか、クズ恋人に捨てられた不憫主人公(後からヒーローに溺愛される)の小説に出てくる当て馬悪役王妃になってました。

花かつお

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本編2

来訪2

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 高貴な、お客様をもてなす為に、目の前に、めちゃくちゃお高そうな食器類が並べられている。

 えっ3段スタンド何かあったの?知らなかった。確かこれって、下のほうから食べるのがルールだったけ?……1番下のサンドイッチ、次は、真ん中のスコーンなど、そして、最後は、1番上のケーキやスイーツを、これを用意したのは、もしかして、マリー様のほうを見ると、僕の目線に気づいたらしい。



「ローちゃんの出産お祝いに持ってきたの、可愛いでしょ、アフタヌーンティーのスリーティアーズ、憧れの3段スタンドよ♡」



 そういえば、前前世の世界では、普通のおっさんサラリーマンだった時に“ヌン活”が流行っていると聞いた時に頭に浮かんだのは、ヌンチャク活動?と思ってた。

 けど、実際は、“アフタヌーンティー活動”の略だと知ったのは、次に生まれ変わった世界、コミック漫画の世界『お父さん、娘の女友だちに転生する。』の主人公の友人の1人、腐女子になった時に、そう言う略なのっ!?て、あとは、ズブズブと沈んだBL沼のおかげで、今世がBL小説の世界に少し設定が違う…………いや、大分違う世界に生まれ変わったと分かった。

 テーブル席には、マリー様と、先ほど慌てて来た僕の旦那様のトワ様と、間違えて先ぶれをハーゼルナッツ帝国に送ってると知って顔色の悪い陛下が座ってる。……ってしれっとノガンも座ってるし!?


「この度は、ハーゼルナッツ帝国のマリーロッテ様、我が家へようこそ、そしてロードナ様への素晴らしい贈り物もありがとうございます。」

「エミュー卿、こちらこそ、突然押しかけたのに御免なさいね。ロードナさんが、嫁いだエミュー領に前から行ってみたいと思ってましたのよ、そしたら昨日、私の目の前に、こちらの国の陛下の先ぶれのお手紙が現れたので、よし行ってみようと思い立ったのよ」

 トワ様、さすが、マリー様の前でも、堂々してる!スパダリご領主様だ。格好良い!

 ってか、マリー様、チラチラ僕を見てニヤニヤしないで、昔、マリー様へのお手紙に、王宮で見たすごい良い人、トワ様の事を書いて送ったんだ。

(それで、この人なのねっ、ローちゃんっ)ってマリー様の心の声が聞こえる気がする。


「マリー陛下、先ぶれの送り先、間違えて申し訳なかった。お詫びに、何かわが国の物で欲しいのがあれば、差し上げますが……」

「大丈夫です。レグルス陛下、ちょうど来たいと思ってましたから、けど、そうですね!ローちゃんが言ってましたけど、王宮の中にあるコーヒーの木のコーヒー豆が欲しいですね♡」

 僕は、マリー様の言葉を聞いて、そうだった。うちの王宮の庭にはコーヒーの木がわんさかあるから、ロイヤルコーヒー豆を作ったよ~ってマリー様に言ってたわ、僕、もう王宮に住んでないから、あのコーヒーが飲めないなんて、スゴク悲しい~~~~~~~っ

「えっコーヒー豆ですか、分かりました。後で王宮の者に用意させておきましょう」

 ええ~っ良いなあ、羨ましい。
 ジトーッとマリー様達の方を見てたら

「ロードナさま、またこれ、どんなして食べるあるか?」

 ノガンが、スリーティアーズ(3段スタンド)を見ながら、僕に聞いてきた。そっか、こちらの世界のお茶会やパーティーは、給仕の人がお茶やお菓子を持ってくるから、スリーティアーズには吃驚するよね。

「あ、ノガンそれは、自分で取って好きなように食べるスタイルなんだ。一応、下から上へ食べ進めるのが基本ルールだったと思うけど……マリー様、どっちから食べたら良かったか、教えてもらっていいですか?」

「ローちゃんが言ってる通りで、大丈夫よ!ただ、今日の集まりは、格式張ったお茶会じゃないから各人の好みで食べて良いと思ってるわ」

「なるほどある。いちいち、給仕係におかわり持ってくるように言わなくても、いいからベンリあるね」

 ノガンが納得し、そして、部屋中に紅茶の良い香りが広がり、皆の前にお茶が置かれいくーー

 そして、マリー様が

「皆様、お茶が入ったようね。さっそく、頂きましょうか、憧れのヌン活やっと、やっと出来て嬉しいわっ♡
(ったく、うちの国、威厳がどうたら仕来たりが、うるせぇんだよ、クソが、そんな事より、可愛くて好きに飲み食いしたほうがイイだろうが)ねっローちゃん♡」


 マリー様の、すごいイイ笑顔を見て、
 めっちゃ、ヌン活したかったんだと、分かった。うん。


 ◆◆◆



 皆、各自でスリーティアーズから、サンドイッチやスコーンを取って食べて、お茶を楽しんでいたら
 僕の隣に座っていたトワ様が緊張した顔で僕に小さな声で

「ロードナ様、陛下は、エミュー領に何をしに来たのか、分かりますか?」

 ハッそうだった。陛下の影が、エミュー領での事を、陛下に報告してたんだ。
 本当なら、優雅にお茶してる場合じゃない。僕らが陛下の方を見ると、その視線に気づいた陛下が僕らに向かって話しかけてきた。

「エミュー卿、ここに来たのは、ロードナ……いや、今はエミュー夫人か、夫人の子を見に来たついでに、エミュー夫人と主治医のノガン2人に釘を刺しに来ただけだ。あとエミュー夫人の子は、もうエミューの子だぞと、ちゃんと王都では、周知させてるから、心配しなくて良い。」

 陛下がそう言うと、トワ様が少しホッとしたようだ。ん?僕とノガンに釘ィ?

「わっ陛下、またワタシの資料を消そうとやって来たあるか!!ダメあるよ!あれは、今後のお産関係に役立つあるよ~」

 ……ノガンっ消されるって、そっちの事だったの!?てっきり、ノガン本人が闇に葬り去られる事だと思ってたよ。

 陛下が渋い顔して

「いや、駄目だ。消せ、一応、了承したが……まさか、本当に成すとは思わなかったぞ、正直な気持ち、……自分が、実験道具なった気がして、あまり残して欲しくないのが私の気持ちだ。」
 
 陛下、それは御免なさいって、けど、貴方達、ここにマリー様と言う名の第三者いますから、その話は、別の場所でプリーズ。

「あ、あの陛下、そのお話は、別の場所でまたお願いしても宜しいでしょうか……?」

 ハッとここに、ど偉い女王陛下がいらしてる事を思い出した陛下は

「分かった。その件については、後ほど別の場所で話そう。あとエミュー領に来たもう一つの目的は、うちのククルーが出産して落ちついた時に、酒を贈りたいと思って、ここに来た」

 お酒っ!?それも、ククルーさんへの!?

「え、お酒なら王都にも、よい物が集まってますよね?なぜ、エミュー領に?」

「それは、ククルーが毎日酒飲みたい程の酒好きなのに、妊娠してるからと、今は飲むのを我慢しているのを見て、せめて私が良い酒でも用意してやろうと思って、前にエミュー夫人が、エミュー領の海の人魚達に頼んで、海底に沈めて熟成させたワインを作ってるのを聞いていたからだ。あと、エミュー領は、他にも色々と珍しい酒があるだろう?それを直接、自分の目で、確かめたくてな」


 そうなんだ。ククルーナーシュ主人公さん
 お酒好きなんだ。うっ偉いな、好きな物を我慢してるって、僕なんか好きなコーヒー我慢できずに、領地の皆さんを巻き込んで、妊婦さんでも飲めるコーヒー作って貰ったよ。

 …………待てよ、もしや、嫌な予感がする。

「陛下、王宮には、こちらに来る事、王宮の皆さんに、伝えてから来てますよね?」

「ん?勿論、執務室の机に、書き置きを置いて来たぞ?」

 わーん。どうして、ククルーさんの事になると、急に陛下の常識がどっか、居なくなるの
 何でなの?ねえっ?

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