【本編完結】まさか、クズ恋人に捨てられた不憫主人公(後からヒーローに溺愛される)の小説に出てくる当て馬悪役王妃になってました。

本編2

来訪

　場面転換したら
　小説や漫画の登場人物の産まれた子を、ど偉い人が家うちに来訪して見に来るシーンは、定番ネタですね。いらしてますよ。

　はい、この方が……


「ふむ、ロードナにほぼ、そっくりだな……見れば見るほど、私の子とは、分からないぞ？」


　じ、じ、実父～～～っ　

　ってなんでやねん。何で、陛下が来てるんだ。ここは定石で、同じ転生者で、僕に魔法のスクロールを沢山くれた、大国の女王マリー様でしょう。ねえ？

　…………そして、バ、バレていたのか……この子が陛下の子って

「いつの間に、気づいてたんですか？陛下のククルーさんへ告白事件あと、すぐさま引き継ぎして、バレないように、速攻でエミュー領に向かったんですけど……？」

　はあっとため息をついた陛下こと、レグルス様がベビーベッドに寝てる赤ん坊のほっぺたをプニプニし出した。

　ちょっと、息子よ！？僕が『ほっぺた、プニプニだねえ～っ』て、さわると嫌がるのに初対面の人間に、なぜ許してるのさぁ！？


「ロードナ、王宮から貴様の主治医がいない事に気づいた。そして、ノガンの夫が妻はロードナの元へ行ったと聞かされた時に何かあると、エミュー領に影をやって、調べたらロードナが童貞で処女と侍女達が噂してると報告が来たからだ。そして、ロードナが妊娠してるとも」


「～～～～っ」


　僕の顔が真っ赤になるのを見て、陛下がニヤリと笑った。




　◆◆◆



「陛下、で先ブレも無しにうちに来たんですかね～」

「いや、出したぞ、昨日」

「だから、王都と配達日数違うから！！こっちにくるの時間かかるんですよ！！ワザとですか」

「まさか、ちゃんと転移魔法で送ったが？」


　コンコンとノックの音が聞こえたので
「はい、どうぞ」と返事をすると、すぐさまドアが開き


「ローちゃん、元気？うっかり、うちに間違えて届いてたわよ～レグルス陛下♡」

　僕と陛下は現れた人物に固まった。

　そう、冒頭で来るかもしれない言った、ど偉い方。

　帝国の女王、マリーロッテ様が優美に佇んでいた。