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エリンバ王国
召喚の方か……
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「……………んぅ?……まぶし……」
何かの眩しい光を感じて僕の沈んでいたのであろう意識が覚醒する。
頭が靄がかかったかのようにボーッとする。
さっきの光のせいなのか目があまり上手く開かず、目がよく見えない。
体がダルくて動かす気にならず、腕をだらんとさせたまま立ち尽くす。何もする気が起きない。働きたくない人の気持ちがよく分かったような気がするな。
そういえばさっきから考えていなかったが
ここは何処なのだろうか?僕はどうしたんだ?生きてるのか?
さっきまで何があったのか思いだそうとしても思いだせない。思い出すことを脳が拒んでいる。あれか、睡眠が足りなくて授業中ずっと集中出来ないあれなのだろうか。
いや、普通にトラックで引かれてましたね。
僕が思い出せないのはその前の人生の記憶だ。全くもって思い出せないし、まぁ、思い出さなくても良いのだが。
ほらね、あれだよ。黒歴史的なうんぬん。
絶対に暗黒時代があったと思う。痛いよ!痛すぎる!
あの頃は僕は若かったなぁ。
「………あの、勇者…様ですか?」
頭が働いていない状態の僕に話しかけてきた人がいた。あれ、話しかけてくる?
「ゆ、勇者様!!」
「あ、はい!」
突然大きくされた少女のような声に驚き、状況反射でこちらも大きな声でとっさに答える。
うつ向いていた顔を上げて話しかけてきた人の顔を見る。そして、僕は息をのんだ。
姫がいる。
幼いながらも出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる体。
瞳が青くそれに映える白い雪のような綺麗な肌。
美しい艶やかなクリーム色の長めの髪は綺麗なウェーブを描きながら腰まで伸ばされていた。
完璧な姫、王道の容姿をした姫。
おとぎ話から出てきたような14、13位の少女は固まって動けなかった僕を無視して、
僕 の 後 ろ の 方を見て話した。
「あ、あの……何故四人も……」
×××××××××××
「……………んだよ、召喚魔法かよ」
「異世界なんて、小説だけの話かと思ってた。あれかな、ギルドとかあるのかなぁ?」
「勇者って金儲けしていいんかねー?」
「ふぉぉぉ!!!やばいやん!!やべー!」
「……ご理解頂けましたか?」
話の内容が噛み合っていないから、ご理解も何も出来ません。
まさかの変わり者四人組全員が召喚されていた真実に残念に思いながら(また、コイツらとここまで一緒に生きていかなくてはならないのか、みたいな)説明されていた話を思い出す。
「「「「えーと……」」」」
あー、これ誰も聞いていなかったな。
「も、もう一度説明させていただきますとですね……」
青筋を浮かべ、口をひくつかせながらさっきまで説明していた内容を再び話始めた。
やばい、キレてらっしゃる。
長いんで、まとめるね!
ここはマリンバ王国!!唯一勇者召喚が行われている珍しい国だよ!その他の国ではやれる人がいないということでやってないらしいよ!
僕らが召喚される前にも召喚魔法はやったらしいのだけれどもが魔方陣から出す途中に死んだらしいよ!精神が弱いと魔方陣から出てこれないのだって!んだよ、それ。僕らは精神が図太いということですか?え?え?
魔王が支配を強める前に魔王を倒して欲しいんだって!
「なにそれ、面倒くさ」
「え?」
僕が説明を思い出しながら思っていたことをボソッと呟く。どうやら、対面に立っていた姫様にも聞こえたらしい。
あちゃー、と苦笑いをわざと浮かべて姫様に笑いかける。(本当に姫様だった。)姫様はあからさまに説明してと言わんばかりの表情を浮かべた。
仕方がないのでそれに従い説明をしてみることにしてみた。
「まず、僕らにメリットがない!疲れて騒がれて無駄に歩いて戦うのとか一番対応するのに面倒くさいじゃないか。これだから召喚は嫌なんだよな。それに、あれだろ?勇者様なら人全員守れてとーぜんみたいなのあるじゃん?守れなかったらバッシングありありだろ?僕のメンタルなめんなよ。それに転生の方が自由に動けていいのに」
勇者召喚とか、魔王を倒すことが義務だからな。
「………あなたは誰ですか」
ムスッとした顔のまま聞いてくる姫様。そんなんじゃ外交の時とか大変そうだなぁ。と心配してしまうじゃないか、してませんが。
「あ、極度の面倒くさがりで有名の阿部
神真(あべ しんま)です」
「やめい」
友達にチョップされた。
「俺の友達がすみません。俺は佐川遥
(さがわはるか)といいます。一つ聞きたいことが……」
似合わない敬語を吐いて
笑みを浮かべた遥は姫様の手をとりながら目をギラギラさせて姫様に詰め寄った。うわー
コイツ汚いこと考えてるよ絶対に。
「……金はいくら?」
金儲けする気満々かよ。
勇者が姫様に金を要求する図の完成である。
姫様は手を軽く撫でながら一生困らないほど、と短く答えた。
「よし。皆もなろう!世界を救おう!」
うわー汚い願望が見え隠れしてる。
「遥がいーなら。面倒だけど」
他二人も頷いた。
「どうしてこうなったのよ!」
姫様の小さな悲鳴は聞こえなかった。
何かの眩しい光を感じて僕の沈んでいたのであろう意識が覚醒する。
頭が靄がかかったかのようにボーッとする。
さっきの光のせいなのか目があまり上手く開かず、目がよく見えない。
体がダルくて動かす気にならず、腕をだらんとさせたまま立ち尽くす。何もする気が起きない。働きたくない人の気持ちがよく分かったような気がするな。
そういえばさっきから考えていなかったが
ここは何処なのだろうか?僕はどうしたんだ?生きてるのか?
さっきまで何があったのか思いだそうとしても思いだせない。思い出すことを脳が拒んでいる。あれか、睡眠が足りなくて授業中ずっと集中出来ないあれなのだろうか。
いや、普通にトラックで引かれてましたね。
僕が思い出せないのはその前の人生の記憶だ。全くもって思い出せないし、まぁ、思い出さなくても良いのだが。
ほらね、あれだよ。黒歴史的なうんぬん。
絶対に暗黒時代があったと思う。痛いよ!痛すぎる!
あの頃は僕は若かったなぁ。
「………あの、勇者…様ですか?」
頭が働いていない状態の僕に話しかけてきた人がいた。あれ、話しかけてくる?
「ゆ、勇者様!!」
「あ、はい!」
突然大きくされた少女のような声に驚き、状況反射でこちらも大きな声でとっさに答える。
うつ向いていた顔を上げて話しかけてきた人の顔を見る。そして、僕は息をのんだ。
姫がいる。
幼いながらも出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる体。
瞳が青くそれに映える白い雪のような綺麗な肌。
美しい艶やかなクリーム色の長めの髪は綺麗なウェーブを描きながら腰まで伸ばされていた。
完璧な姫、王道の容姿をした姫。
おとぎ話から出てきたような14、13位の少女は固まって動けなかった僕を無視して、
僕 の 後 ろ の 方を見て話した。
「あ、あの……何故四人も……」
×××××××××××
「……………んだよ、召喚魔法かよ」
「異世界なんて、小説だけの話かと思ってた。あれかな、ギルドとかあるのかなぁ?」
「勇者って金儲けしていいんかねー?」
「ふぉぉぉ!!!やばいやん!!やべー!」
「……ご理解頂けましたか?」
話の内容が噛み合っていないから、ご理解も何も出来ません。
まさかの変わり者四人組全員が召喚されていた真実に残念に思いながら(また、コイツらとここまで一緒に生きていかなくてはならないのか、みたいな)説明されていた話を思い出す。
「「「「えーと……」」」」
あー、これ誰も聞いていなかったな。
「も、もう一度説明させていただきますとですね……」
青筋を浮かべ、口をひくつかせながらさっきまで説明していた内容を再び話始めた。
やばい、キレてらっしゃる。
長いんで、まとめるね!
ここはマリンバ王国!!唯一勇者召喚が行われている珍しい国だよ!その他の国ではやれる人がいないということでやってないらしいよ!
僕らが召喚される前にも召喚魔法はやったらしいのだけれどもが魔方陣から出す途中に死んだらしいよ!精神が弱いと魔方陣から出てこれないのだって!んだよ、それ。僕らは精神が図太いということですか?え?え?
魔王が支配を強める前に魔王を倒して欲しいんだって!
「なにそれ、面倒くさ」
「え?」
僕が説明を思い出しながら思っていたことをボソッと呟く。どうやら、対面に立っていた姫様にも聞こえたらしい。
あちゃー、と苦笑いをわざと浮かべて姫様に笑いかける。(本当に姫様だった。)姫様はあからさまに説明してと言わんばかりの表情を浮かべた。
仕方がないのでそれに従い説明をしてみることにしてみた。
「まず、僕らにメリットがない!疲れて騒がれて無駄に歩いて戦うのとか一番対応するのに面倒くさいじゃないか。これだから召喚は嫌なんだよな。それに、あれだろ?勇者様なら人全員守れてとーぜんみたいなのあるじゃん?守れなかったらバッシングありありだろ?僕のメンタルなめんなよ。それに転生の方が自由に動けていいのに」
勇者召喚とか、魔王を倒すことが義務だからな。
「………あなたは誰ですか」
ムスッとした顔のまま聞いてくる姫様。そんなんじゃ外交の時とか大変そうだなぁ。と心配してしまうじゃないか、してませんが。
「あ、極度の面倒くさがりで有名の阿部
神真(あべ しんま)です」
「やめい」
友達にチョップされた。
「俺の友達がすみません。俺は佐川遥
(さがわはるか)といいます。一つ聞きたいことが……」
似合わない敬語を吐いて
笑みを浮かべた遥は姫様の手をとりながら目をギラギラさせて姫様に詰め寄った。うわー
コイツ汚いこと考えてるよ絶対に。
「……金はいくら?」
金儲けする気満々かよ。
勇者が姫様に金を要求する図の完成である。
姫様は手を軽く撫でながら一生困らないほど、と短く答えた。
「よし。皆もなろう!世界を救おう!」
うわー汚い願望が見え隠れしてる。
「遥がいーなら。面倒だけど」
他二人も頷いた。
「どうしてこうなったのよ!」
姫様の小さな悲鳴は聞こえなかった。
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