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そうしてくり返す
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夜中の墓地で土を掘る。
取り出した棺桶の蓋を開ける。
そこには赤子が泣いていた。
彼女が結婚し、時を重ね、子や孫に看取られ亡くなったと聞いて、一目でも会いたいと思ったのは未練なのだろう。
本来なら死ぬ前に会いに行くべきなのだろうが、何せ僕は姿が変わらない。
彼女と別れた後に結婚してできた子供か孫で頼まれたとでも言っておけば周りには通じるだろうが、それが彼女にまで通じるかは分からない。
彼女は人間でなければいけない。
だから化け物の父親がいてはいけない。
怪しまれる可能性は極力排したかった。
……もっとも墓荒らしが怪しくないかといわれるとものすごく怪しいのだが。
その辺りは上手くやれるつもりだった。
そうして開けた棺桶の中にいたのは穏やかそうに眠っている老女ではなく、泣いている赤子だった。
以前と同じ事が起こったとすぐに思った。
少なくとも葬儀はつつがなく済んだらしいので、埋める直前までは変わらなかったか、変わっていても不自然なほどまでは若返っていなかったのだろう。遺体の面差しが違って見えるなんてよくある事だし、息は確かに止まっているのだから。
あるいは僕がここに来てしまったせいだろうか?
何にしろ若返って蘇った事実は変わらない。
抱き上げたとき、懐かしい気持ちがした。
偶然だろうが泣き止んで笑顔を見せた。
そんな事をずっと繰り返している。
僕が近づかなければそのまま何人目か忘れてしまった夫の隣で安らかに眠り続けたのだろうかと考えた事もある。
それとも掘り返さなければ赤子になって蘇ってまた死んでそれをずっと続けるのだろうか?
どちらにしろ様子を見に行かないという選択肢は僕にはない。
前者ならとにかく、後者なら無駄に苦しめるし混乱の元になるだけだ。
彼女まで化け物と呼ばれるようにするわけにはいかない。
それに何より会いたくてたまらない。
巻き込んでしまったことに済まなさと後ろ暗い喜びを感じる。
『ずっと貴方の傍にいさせて』
その願いを彼女はもう持たない。
けれど僕の誓いはもう消えない。
この胸の痛みはいずれ僕を殺してくれるだろうか?
そうなれば彼女は安らかに眠れるようになるのだろうか?
彼女が他に心を向けるのは僕に対する罰なのだろうか?
取り出した棺桶の蓋を開ける。
そこには赤子が泣いていた。
彼女が結婚し、時を重ね、子や孫に看取られ亡くなったと聞いて、一目でも会いたいと思ったのは未練なのだろう。
本来なら死ぬ前に会いに行くべきなのだろうが、何せ僕は姿が変わらない。
彼女と別れた後に結婚してできた子供か孫で頼まれたとでも言っておけば周りには通じるだろうが、それが彼女にまで通じるかは分からない。
彼女は人間でなければいけない。
だから化け物の父親がいてはいけない。
怪しまれる可能性は極力排したかった。
……もっとも墓荒らしが怪しくないかといわれるとものすごく怪しいのだが。
その辺りは上手くやれるつもりだった。
そうして開けた棺桶の中にいたのは穏やかそうに眠っている老女ではなく、泣いている赤子だった。
以前と同じ事が起こったとすぐに思った。
少なくとも葬儀はつつがなく済んだらしいので、埋める直前までは変わらなかったか、変わっていても不自然なほどまでは若返っていなかったのだろう。遺体の面差しが違って見えるなんてよくある事だし、息は確かに止まっているのだから。
あるいは僕がここに来てしまったせいだろうか?
何にしろ若返って蘇った事実は変わらない。
抱き上げたとき、懐かしい気持ちがした。
偶然だろうが泣き止んで笑顔を見せた。
そんな事をずっと繰り返している。
僕が近づかなければそのまま何人目か忘れてしまった夫の隣で安らかに眠り続けたのだろうかと考えた事もある。
それとも掘り返さなければ赤子になって蘇ってまた死んでそれをずっと続けるのだろうか?
どちらにしろ様子を見に行かないという選択肢は僕にはない。
前者ならとにかく、後者なら無駄に苦しめるし混乱の元になるだけだ。
彼女まで化け物と呼ばれるようにするわけにはいかない。
それに何より会いたくてたまらない。
巻き込んでしまったことに済まなさと後ろ暗い喜びを感じる。
『ずっと貴方の傍にいさせて』
その願いを彼女はもう持たない。
けれど僕の誓いはもう消えない。
この胸の痛みはいずれ僕を殺してくれるだろうか?
そうなれば彼女は安らかに眠れるようになるのだろうか?
彼女が他に心を向けるのは僕に対する罰なのだろうか?
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