そは復讐なりか

こうやさい

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一枚目

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 わたしには好きな人がいます。
 その人はとても正しい人です。
 わたしには見えないほど高い場所にいる人です。

 その人はとても強い人です。
 自分の信じる正しさに向かう努力を惜しまない人です。
 わたしではとても適いません。

 もし最初からそうと知っていれば、届かない方なのだときっと恋をすることはなかったでしょう。
 けれどその時見えていた一面が、それを愛する気持ちが、今もその人から離れてくれません。

 その人に適わないことが悲しいです。
 その人の正しさに従えないことが苦しいです。

 その人を知れば知るほど、自分の出来ない事が、至らなさを思い知ることが増えていきます。
 その方が厭う事を知れば知るほど、わたしが居られる場所がなくなっていきます。

 そうなれないわたしに何の価値があるでしょう。
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