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何故かは分からないけれど
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ゲームでは子爵家を継ぐルート以外少なくとも端から見て幸せそうとは思えなかった。
好きな人といられればそれでいいとはゲームだとしても言えなかった。
ならば子爵家を継ぐルートを選ぶように行動すればいいのかというとそれは多分違う。
ヒロインは既に選択肢が減ってしまったルーク様と出会ったけれど、リーゼロッテのお義兄さまの可能性はまだそれよりも多い。
乙女ゲームでよくある攻略対象がヒロインに惚れる切っ掛けというのに欲しい言葉をくれたとか悩みの解決の糸口をもらったなどがある。
ルーク様にも悩みはあった。それは「家族と上手くいっていない」という物だった。
そりゃあそうだろう、義妹はルーク様に惚れていて、公爵家は近隣諸国を含めどうしても政略で縁を繋がなければいけない家なんてない。
ならばリーゼロッテに激甘な両親がはっきりとかそれとなくかはしらないが彼女との結婚を勧めないはずがない。
けれど妹としか思っていない相手を即座にそう見ることは、むしろ妹に対する愛情があるからこそ難しいだろうし、かといって今まで育ててもらった恩もある以上はっきり断ることは出来なかったのだろう。
そこでヒロインのかけた言葉は単独で聞けば陳腐なものだけれども、視野が狭くなっていたルーク様からすれば福音に近いものだっただろう。
けど、気づいてなかったゲームのリーゼロッテじゃあるまいし、それを放置する必要がどこにある?
結果としてヒロインと恋に落ちることがなくなるかもしれないが、だからといってそれまでの間苦しめておきたいとは思わない。
……ただの自己満足で、その先にもっと不幸になるかもしれないけれど。
それでも不幸なままでいて欲しくない。
だから完璧な義妹になる。
恋情を抱いても表には決して出さない。
お義兄さまを幸せにしてくれるなら、どんな相手を連れてきても祝福する。両親が反対したとしても味方してもいい。
そうやって生きると決めた。
好きな人といられればそれでいいとはゲームだとしても言えなかった。
ならば子爵家を継ぐルートを選ぶように行動すればいいのかというとそれは多分違う。
ヒロインは既に選択肢が減ってしまったルーク様と出会ったけれど、リーゼロッテのお義兄さまの可能性はまだそれよりも多い。
乙女ゲームでよくある攻略対象がヒロインに惚れる切っ掛けというのに欲しい言葉をくれたとか悩みの解決の糸口をもらったなどがある。
ルーク様にも悩みはあった。それは「家族と上手くいっていない」という物だった。
そりゃあそうだろう、義妹はルーク様に惚れていて、公爵家は近隣諸国を含めどうしても政略で縁を繋がなければいけない家なんてない。
ならばリーゼロッテに激甘な両親がはっきりとかそれとなくかはしらないが彼女との結婚を勧めないはずがない。
けれど妹としか思っていない相手を即座にそう見ることは、むしろ妹に対する愛情があるからこそ難しいだろうし、かといって今まで育ててもらった恩もある以上はっきり断ることは出来なかったのだろう。
そこでヒロインのかけた言葉は単独で聞けば陳腐なものだけれども、視野が狭くなっていたルーク様からすれば福音に近いものだっただろう。
けど、気づいてなかったゲームのリーゼロッテじゃあるまいし、それを放置する必要がどこにある?
結果としてヒロインと恋に落ちることがなくなるかもしれないが、だからといってそれまでの間苦しめておきたいとは思わない。
……ただの自己満足で、その先にもっと不幸になるかもしれないけれど。
それでも不幸なままでいて欲しくない。
だから完璧な義妹になる。
恋情を抱いても表には決して出さない。
お義兄さまを幸せにしてくれるなら、どんな相手を連れてきても祝福する。両親が反対したとしても味方してもいい。
そうやって生きると決めた。
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