上 下
12 / 21

そこまで何かしていたか?

しおりを挟む
 予想通り婚約者殿とは特に話せもしないまま新年の休暇は終わった。
 次の長期休暇は学年が変わる区切りとなる。それまでに彼女はもっと変わってしまうのだろうか。
 楽しみなような不安なような微妙な気持ちだ。

 それはそれとして、どこかで見たような顔になったという気がやはりする。
 あまり顔を合わせたいと思わないので極力無視していたつもりだった義兄義姉の顔にそれでも似た部分があって無意識に彼らに面影でもおっていたのだろうか?
 一度きちんと確認しておくべきか。

 そう思っていざ探してみると意外と見つからない。
 もちろん教室まで行ったり呼び出したりすれば会えるのだろうが、そこまでするほどのことではないだろう。
 学年が違うので会わなくとも不思議ではないのだが、てっきり懲りずに近づく機会を窺っているかと思ってたのに。

 それでも時々注意を向けていると、どうも避けられているらしいと分かった。何時からかは知らないが、最近ではないだろう。
 それならそれで彼らの顔に似ていたという可能性はなくなるので可能性は一つ潰せたわけだが。
 ますます重要性が増したようで気にかかる。

 しかしそこまで避けられるまでの事をしただろうか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

【完結】浮気現場を目撃してしまい、婚約者の態度が冷たかった理由を理解しました

紫崎 藍華
恋愛
ネヴィルから幸せにすると誓われタバサは婚約を了承した。 だがそれは過去の話。 今は当時の情熱的な態度が嘘のように冷めた関係になっていた。 ある日、タバサはネヴィルの自宅を訪ね、浮気現場を目撃してしまう。 タバサは冷たい態度を取られている理由を理解した。

お針子と勘違い令嬢

音爽(ネソウ)
恋愛
ある日突然、自称”愛され美少女”にお針子エルヴィナはウザ絡みされ始める。理由はよくわからない。 終いには「彼を譲れ」と難癖をつけられるのだが……

その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?

荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。 突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。 「あと、三ヶ月だったのに…」 *「小説家になろう」にも掲載しています。

バカ王太子が国王陛下に怒られるだけ

下菊みこと
恋愛
ざまぁ有り。悪役令嬢は救われます。

元悪役令嬢の末路

柊原 ゆず
恋愛
『悪役令嬢』と呼ばれた令嬢のお話です。

嘘つきな私が貴方に贈らなかった言葉

海林檎
恋愛
※1月4日12時完結 全てが嘘でした。 貴方に嫌われる為に悪役をうって出ました。 婚約破棄できるように。 人ってやろうと思えば残酷になれるのですね。 貴方と仲のいいあの子にわざと肩をぶつけたり、教科書を隠したり、面と向かって文句を言ったり。 貴方とあの子の仲を取り持ったり···· 私に出来る事は貴方に新しい伴侶を作る事だけでした。

婚約者とその幼なじみがいい雰囲気すぎることに不安を覚えていましたが、誤解が解けたあとで、その立ち位置にいたのは私でした

珠宮さくら
恋愛
クレメンティアは、婚約者とその幼なじみの雰囲気が良すぎることに不安を覚えていた。 そんな時に幼なじみから、婚約破棄したがっていると聞かされてしまい……。 ※全4話。

処理中です...