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お目覚めの王子様

大食いするはずだったのに…

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アルトと部屋を出て廊下を歩きながら食堂を目指す

「…顔色悪いよ?やっぱりやめとく?」

「いやいやいや!!!だ、大丈夫っ!」

途中、何回もアルトが顔を覗きこんではやめとく宣言をして、タリスは止める
ということを繰り返しながら食堂に向かう

「ほんとに大丈夫?」

「う、うん!大丈夫大丈夫!さぁ、早く食べに行こー!」

タリスは激痛を我慢してアルトの手を引っ張って食堂に走る

(我慢!がまんだ!お腹減ったししにそうだしっ!)

途中、メイドや騎士がタリス達に気づいて声をかけるが、無視してタリスは走る

(やばいやばい!記憶が戻ってきたのはいいけど頭も痛いし!……寝すぎ?んなことないか)

5分ほど全力疾走するとようやく食堂に着いた

「はぁ…はぁ……つ、疲れた」

「タリス…?大丈夫?」

「えっ!?う、うん!大丈夫大丈夫!ほんとに!どこも痛くないし!うん!」

やばい、相当パニクってる

アルトが顔を覗くので、サッと交わしながら食堂のドアを開ける

「……?」

「あれ?」

二人は今気づいた

「「…今って夜中じゃん?」」

ーーーーーーーーーーー
結局あの夜から眠れずに次の日の朝になりましたー

わー

……足がパンパンです
オマケにアルの視線が怖いです

「アルトはいつまで僕のことを見ているの!」

「いや~?タリスが目覚めてくれて、嬉しいだけだよ?」

「っ!!!」

微笑みながらそのような事を言うとは……!
アルってばストレートすぎるっ!

「あれ~?タリス赤くなってる~」

「なってないし!」

ペシペシとアルトの手を叩くと、急にアルトが椅子に座っているタリスの上にまたがった

「なっ!?」

「ふふ~……かなり久々じゃん?ね、いいでしょ?ね!魔法といてさ!」

…魔法を解くという事は、タリスが女の子に戻るということ

「……やだ!」

「え~?なんでぇ~?」

…お前は発情期の獣か!
そんな目で見んな!
こっちが恥ずかしくなるわ!

「ねぇ~?おねがぁい」

「……誰も来ない時なら……いい」

「ならタリスの権力を振りかざして誰も来なくさせればいいじゃん」

「あ、その手があったか~じゃなくて、ダメっ!!!」

「ちぇっ……」

あれ?なんかすんなり諦めてくれた
良かったぁ

「でも明日は食べちゃうからね?」

……はっ!?
いやいやいや!ちょっと待って!

「でも、ギュッてだけ、させて?」

「分かった…」

タリスが頷くと、アルトは優しくタリスを抱きしめた
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