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戦士:秋宮魁斗

直談判

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「ただいま、戻りました。」

城へと戻り上位魔獣2体との遭遇など、事の顛末をルービット王に話した。
王からは良く生き延びた、と一言声をかけられた。

「して、その者達は?」

側近から質問を受ける。そう、ここからが勝負なのだ。

「実はですね、私とヘラが生き延びることが出来たのもこの2人のおかげでして。」

「名乗ってみよ。」

王が口を開いた。

順番に名前を名乗っていく。
2人が少し緊張しているのがわかった。

「よくぞ私の兵を守ってくれた。心より感謝する。」

ここで兵に入れてほしいと言うか?しかし..

「後日、礼をさせてもらう。下がってよいぞ。」

「あ、あの!」

言った。言ってしまった。
このタイミングしかない。2人も一緒に戦わせて欲しいとお願いするんだ。

「こ、この2人も兵に所属させてはいかがでしょうか。」

言った。言ってやったぞ。どうくる。

「秋宮。言い分はわかるが、ルデビト軍は試験を突破した強者だ。いくら助けられたといえど、簡単に入隊させるわけにはいかぬ。」

シン、と静まり返る。やはりそうか。そう簡単にはいかないよな。大人しく次の試験を待つしか。
ごめん、悟。聖羅。

「ありがとう魁斗。もう大丈夫だ。」

覚悟を決めたような悟の表情。諦めだろうか。俺に力ではどうにもできない。

「では、ルービット王。」

悟が小さく手を挙げる。

「今期入隊した中で、1番強い兵士と戦わせてください。」

突然の悟の発言。王だけでなく、家来たちもざわつく。

「何を言い出すんだ!まぐれで上位魔獣を退けたくらいでいい気になるな!」

家来の1人が叫ぶ。悟の力を知らなければ無理もない。

「中野とやら。ステータスを見せてみよ。」

「ステータス?」

首をかしげる悟。そうか、ステータスの存在すら知らないんだ。
慌ててステータスの出し方を教える。ステータスすら知らない悟に、家来たちは嘲笑している。
だが確かに悟と聖羅のステータスは気になる。あれだけの強さ、間違いなくとんでもない数値だろう。

こ、これは!?

ひ、低い。攻撃力が200ほどしかないだと!?

「何してんだ?早く見せろ!」

家来からの催促。こんなステータスを見せれば間違いなく入隊はできないぞ。

「え、ええと。」

「やっぱり上位魔獣なんて嘘じゃないのか?秋宮。」

「そいつが上位魔獣を退けるなんて無理だろ。」

くそ、好き放題言いやがって。俺のことはいいが、悟や聖羅を悪く言われるのは心底腹が立つ。でも、どうしたら..

「俺のことはいいです。でも、魁斗のことを悪く言うのはやめていただけませんか。どうぞ、ステータスです。」

悟。
おそらく自分のステータスが低いというのは勘付いているだろう。それなのに。

案の定、城内は笑いに包まれた。
当然だ。あのステータスで1番強い奴を出せと言っているのだから。とんだ恥ずかしい奴だと思われるだろう。

「もういいから帰りな!」

「あんま嘘はつくものじゃないぜ3人とも。」

散々な言われようだ。俺が兵に誘ったばっかりに。

「ごめん2人とも。帰ろうか。」

諦めようと、声をかけたときだった。

「いいじゃないですか。戦わせてみては。」

後ろから入ってきたのはアレクだった。

「彼らからは、何かとんでもないものを感じます。強い人が入るのは国にとってもいい事。弱ければそこで正式にダメだと言えばいい。」

アレクさん..

「それもそうだな。1戦、組んでみるか。」

さすがは3騎士。
アレクの発言力のおかげで、入隊試験にこぎつけた。

「では早速明日だ。アダンとアルフレッドを呼んでくれ。」
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