110 / 137
二章 ムーダン王国編
25 予期せぬ出来事
しおりを挟む
ーーーーここの湧き水は冷たくて美味しいよ。
歌うような声音の優しい口調。
サジルは、小鳥でいる方が本当に人間らしいと思う。
道中、気になる事や物があって、聞いても最初のうちは、教科書をまる読みされている感じがしていた。
様子がおかしい時もあったけど、それが今じゃ、立派にガイドが出来るわ。
盗賊退治の後は「何で僕がこんな事まで」とかぶつくさ言っていたけど、お礼を言ったら満更でも無さそうな感情が見えたのには、驚きだ。
その後もいくつかのやり取りで、サジルは感情を垣間見せ、情緒と云うべきものが不安定だったりと、落ち着かない。
意外と口うるさかったサジルにも、情緒が存在した事に、私が振り回されそうだ。
私は、少し黙っていた方が良さそうだと思っていたけど、それがどうやらご不満らしい。
ーーーー難しいお年頃なのかしら。
他愛無い会話をしつつ、サジルに気が付かれないように、細く溜息を付くと、無残な森を見る。
なだらかな丘陵の一部が、歪な丸禿と晒された姿に、メルガルドの苦労が忍ばれた。
それを横目に、湧き出る水をすくう。
サジルの言うとおり、湧き水は冷たくて美味しかった。
急峻な聳える火山はすぐそこに見えて、しかし道のりは険しいという。
小鳥サジルが咥えてきた、熊笹によく似た葉を円錐状に丸めて、チョロチョロと落ちる水を水袋に入れていく。
袋の口をしっかりと閉じて、ダチョウにぶら下げると、休憩しても良いと言うので、私は干した棗を取りだす。
腰を掛けられる場所をサジルが探し出し、影からクッションを取り出してくれる。
こんな所も、ガイド慣れしてきたなぁと思う一因だ。
「お姫様はそのデーツをよく食べてるけど、好きなの?」
ねっとりした、かりん糖みたいな干し果物は一口で食べれるし、何よりも栄養価が高い。一度に沢山入らない私には、ピッタリのおやつだ。
「好きな部類に入るかな」
他にも何が好きなのかを聞かれ、果物に偏る私に、何となくサジルが呆れた顔をしている気がして、ホワイトサーモンだって好きだけど、と言おうとした。
そんな時、ビクン、と小鳥が小さな身体を大きく揺らし、ブワワッと毛羽立たせた。
干した棗の最後の一個を口に入れとようとした私は、そのサジルの尋常じゃない様子に、棗を指先からポトリと落とし、あんぐり口を開けたまま固まってしまう。
《ーーーーあの女!》
如何にも舌打ちしましたっていう雰囲気で、サジルの意識が文字通り、飛んで帰っていった。
何があったんだろう?
「戻るまで、ここで休憩かしらね」
そんな悠長な場合では無い事に気が付いたのは直ぐで、ズズっと山のように大きな大蛇が地を這う音が響いた瞬間、落とした棗が小石と一緒に飛び跳ねては、転がって下山する。
座っている私も振動を感じて、何事かと立ち上がった。
たった今、大きな力が振るわれたのだ。
何か不測の自体が起きたのは間違い無い。
サジルが慌てていた事からも、あの女、と言っていた事からも、フィリアナが何かを仕出かしたのかも知れない。
嫌な予感がして、ふと山間の村の方角を見ると、丁度私の居る場所の上方向、急な斜面が続く木々の密集地に異変があった。
ーーーーえ、禿が増えてる!
これまた歪な円形脱毛症を患ってしまっていた。たった今、一瞬で。
カランカランと落ちてくる石が、私の前に残った木々に引っかかる。
これ、山滑りが起きるんじゃ!?
なだらかな場所に出来ていた禿はいつの間にか塞がり、またメルガルドが怒りそうな案件だと冷や汗が背筋を濡らす。
スローモーションのように山滑りを起しそうなこの状況も、どうにかしないと、と焦る。
ズズンっと足元が大きく揺れた。
ーーーー来るの?!
ロウに持たされた山程の呪符に、確か時間を止めるヤツがあった筈だと、空間収納を探す。
束ごと取り出し、扇子の様に広げたは良いが、目当ての札がこんな時ほど見当たらない。
ーーーーどうしよう!
涙目でワタワタしていたら、私の後ろから、良く知った懐かしい声がした。
「ふむ、これだな、貸してもらうぞ、フィアーーーーあ、様」
「ーーーーえ!?」
「私もいるわよ! まさか忘れたなんて言わないでしょ?」
それは、アルディア王国の宝物庫にいるはずの、ドワーフの老神官と、その契約妖精で。
白い神官服が汚れるのも構わず、膝を付き、一枚目の札を山肌に埋める。
生意気そうな妖精が、私の手からもう一枚呪符を取ると、神官に渡す。
魔力を乗せて呪文を唱えて、呪符が滑り出した山肌に消えていくと、大きな魔法陣が浮かび上がる。
やがて魔法陣が山に染み込んで行くと、崩落はとまり、元の静けさが戻った。
「ランジ神官、スイランも!!」
「やれ、間に合った。ヒヤヒヤしたがな」
飛び付いてお礼を言えば、背中を撫でてくれる。
でもどうしてこんな所に?間に合ったって言うからには、誰かに派遣でもされたのかしら。
聞けば、どうやら予想は合っていたようで、メルガルドが、モリヤ経由で呼び出したらしい。
「それに、ムーダン国境の向こうは儂の故郷でもあるし、顔馴染みもおるしな。採掘の権利を持った長なんだがーーーー」
なるほど、神殿サイドも人使いが荒いと言うことですね、色々と。
そして、ついでとばかりに、メルガルドに放り込まれたと。
「ロウ殿にな。禿げた森•••••同じ事を繰り返す危険性を示唆されていたらしくてなぁ。ドンピシャだった訳だ。サジル、元王子は予想していなかったみたいだが」
そこで私は、漸くサジルの存在を思い出した。
ランジ神官の視線の先に、居たのは人間のサジルで、可愛い小鳥の姿じゃないのは残念だ。
やや青褪めた顔は顰められ、クシャっと前髪を掴んでいる。
「止めようにも、間に合わなかった」
嘘ではないのだろう。震える声が悔しげに、そう呟いた。
「フィリアナがギフトの力を使ったのね?」
サジルはコクン、と頷く。
戦慄く唇が、何かを言おうとしているので待ってみるが、口をパクパクさせるだけだ。
だがそれも治まると、あのやる気の無さそうな、世厭感たっぷりのサジルがそこにいた。
「さぁ、お姫様。行こうか。約束は村に着いてからじゃないとね。ほら、急がないと。フィリアナは、おそらく天秤も使ったからね」
私からは深い深い溜息が出る。
「••••••そう、ね。飼うんだったら、躾くらいはしなさいよ」
「出来の悪いペットでごめんね?」
「悪いなんて、これっぽっちも思って無さそうな謝罪ね。やっぱり貴方は小鳥でいる時の方が人間らしかったわ」
サジルは私の手を恭しく取ると、指先に口付ける。
ギョッとして手を引くが、逆に絡められてしまった。
あ、下方からの気配が寒いです。
「本当は、もっと時間を掛けて行きたかったんだけど、時間切れなのかな。ちょっと乱暴だけど、運ばせてもらうよ。乗ってきたダチョウは、そこの神官に任せればいい
し」
「おお、構わんが」
ランジ神官が頷くと、サジルの影が私のお腹に巻き付く。
フッとサジルが消えたと思ったら、私の身体が上に引っ張られて、浮いた。
木々が真上のお空に見えるーーーー!
違った、私が逆さになってるの?
あ、戻った。空はやっぱり青いよねぇ。
「ーーーーウギャー!」
これ、まさかの逆バンジーじゃない!
村に着くまでこの移動なのかしら!?
何度も繰り返される逆バンジーに挫けそうになると、漸く村に着いたらしい。
「はい、到着。大丈夫かい? お姫様」
こうして時間短縮で村に着いた私を迎えたのは、吐き気と。
「サジルッ!誰よ、その女!ーーーーまさか!」
喚くフィリアナと、その声に恐ろしく機嫌の悪くなった、サジルだった。
歌うような声音の優しい口調。
サジルは、小鳥でいる方が本当に人間らしいと思う。
道中、気になる事や物があって、聞いても最初のうちは、教科書をまる読みされている感じがしていた。
様子がおかしい時もあったけど、それが今じゃ、立派にガイドが出来るわ。
盗賊退治の後は「何で僕がこんな事まで」とかぶつくさ言っていたけど、お礼を言ったら満更でも無さそうな感情が見えたのには、驚きだ。
その後もいくつかのやり取りで、サジルは感情を垣間見せ、情緒と云うべきものが不安定だったりと、落ち着かない。
意外と口うるさかったサジルにも、情緒が存在した事に、私が振り回されそうだ。
私は、少し黙っていた方が良さそうだと思っていたけど、それがどうやらご不満らしい。
ーーーー難しいお年頃なのかしら。
他愛無い会話をしつつ、サジルに気が付かれないように、細く溜息を付くと、無残な森を見る。
なだらかな丘陵の一部が、歪な丸禿と晒された姿に、メルガルドの苦労が忍ばれた。
それを横目に、湧き出る水をすくう。
サジルの言うとおり、湧き水は冷たくて美味しかった。
急峻な聳える火山はすぐそこに見えて、しかし道のりは険しいという。
小鳥サジルが咥えてきた、熊笹によく似た葉を円錐状に丸めて、チョロチョロと落ちる水を水袋に入れていく。
袋の口をしっかりと閉じて、ダチョウにぶら下げると、休憩しても良いと言うので、私は干した棗を取りだす。
腰を掛けられる場所をサジルが探し出し、影からクッションを取り出してくれる。
こんな所も、ガイド慣れしてきたなぁと思う一因だ。
「お姫様はそのデーツをよく食べてるけど、好きなの?」
ねっとりした、かりん糖みたいな干し果物は一口で食べれるし、何よりも栄養価が高い。一度に沢山入らない私には、ピッタリのおやつだ。
「好きな部類に入るかな」
他にも何が好きなのかを聞かれ、果物に偏る私に、何となくサジルが呆れた顔をしている気がして、ホワイトサーモンだって好きだけど、と言おうとした。
そんな時、ビクン、と小鳥が小さな身体を大きく揺らし、ブワワッと毛羽立たせた。
干した棗の最後の一個を口に入れとようとした私は、そのサジルの尋常じゃない様子に、棗を指先からポトリと落とし、あんぐり口を開けたまま固まってしまう。
《ーーーーあの女!》
如何にも舌打ちしましたっていう雰囲気で、サジルの意識が文字通り、飛んで帰っていった。
何があったんだろう?
「戻るまで、ここで休憩かしらね」
そんな悠長な場合では無い事に気が付いたのは直ぐで、ズズっと山のように大きな大蛇が地を這う音が響いた瞬間、落とした棗が小石と一緒に飛び跳ねては、転がって下山する。
座っている私も振動を感じて、何事かと立ち上がった。
たった今、大きな力が振るわれたのだ。
何か不測の自体が起きたのは間違い無い。
サジルが慌てていた事からも、あの女、と言っていた事からも、フィリアナが何かを仕出かしたのかも知れない。
嫌な予感がして、ふと山間の村の方角を見ると、丁度私の居る場所の上方向、急な斜面が続く木々の密集地に異変があった。
ーーーーえ、禿が増えてる!
これまた歪な円形脱毛症を患ってしまっていた。たった今、一瞬で。
カランカランと落ちてくる石が、私の前に残った木々に引っかかる。
これ、山滑りが起きるんじゃ!?
なだらかな場所に出来ていた禿はいつの間にか塞がり、またメルガルドが怒りそうな案件だと冷や汗が背筋を濡らす。
スローモーションのように山滑りを起しそうなこの状況も、どうにかしないと、と焦る。
ズズンっと足元が大きく揺れた。
ーーーー来るの?!
ロウに持たされた山程の呪符に、確か時間を止めるヤツがあった筈だと、空間収納を探す。
束ごと取り出し、扇子の様に広げたは良いが、目当ての札がこんな時ほど見当たらない。
ーーーーどうしよう!
涙目でワタワタしていたら、私の後ろから、良く知った懐かしい声がした。
「ふむ、これだな、貸してもらうぞ、フィアーーーーあ、様」
「ーーーーえ!?」
「私もいるわよ! まさか忘れたなんて言わないでしょ?」
それは、アルディア王国の宝物庫にいるはずの、ドワーフの老神官と、その契約妖精で。
白い神官服が汚れるのも構わず、膝を付き、一枚目の札を山肌に埋める。
生意気そうな妖精が、私の手からもう一枚呪符を取ると、神官に渡す。
魔力を乗せて呪文を唱えて、呪符が滑り出した山肌に消えていくと、大きな魔法陣が浮かび上がる。
やがて魔法陣が山に染み込んで行くと、崩落はとまり、元の静けさが戻った。
「ランジ神官、スイランも!!」
「やれ、間に合った。ヒヤヒヤしたがな」
飛び付いてお礼を言えば、背中を撫でてくれる。
でもどうしてこんな所に?間に合ったって言うからには、誰かに派遣でもされたのかしら。
聞けば、どうやら予想は合っていたようで、メルガルドが、モリヤ経由で呼び出したらしい。
「それに、ムーダン国境の向こうは儂の故郷でもあるし、顔馴染みもおるしな。採掘の権利を持った長なんだがーーーー」
なるほど、神殿サイドも人使いが荒いと言うことですね、色々と。
そして、ついでとばかりに、メルガルドに放り込まれたと。
「ロウ殿にな。禿げた森•••••同じ事を繰り返す危険性を示唆されていたらしくてなぁ。ドンピシャだった訳だ。サジル、元王子は予想していなかったみたいだが」
そこで私は、漸くサジルの存在を思い出した。
ランジ神官の視線の先に、居たのは人間のサジルで、可愛い小鳥の姿じゃないのは残念だ。
やや青褪めた顔は顰められ、クシャっと前髪を掴んでいる。
「止めようにも、間に合わなかった」
嘘ではないのだろう。震える声が悔しげに、そう呟いた。
「フィリアナがギフトの力を使ったのね?」
サジルはコクン、と頷く。
戦慄く唇が、何かを言おうとしているので待ってみるが、口をパクパクさせるだけだ。
だがそれも治まると、あのやる気の無さそうな、世厭感たっぷりのサジルがそこにいた。
「さぁ、お姫様。行こうか。約束は村に着いてからじゃないとね。ほら、急がないと。フィリアナは、おそらく天秤も使ったからね」
私からは深い深い溜息が出る。
「••••••そう、ね。飼うんだったら、躾くらいはしなさいよ」
「出来の悪いペットでごめんね?」
「悪いなんて、これっぽっちも思って無さそうな謝罪ね。やっぱり貴方は小鳥でいる時の方が人間らしかったわ」
サジルは私の手を恭しく取ると、指先に口付ける。
ギョッとして手を引くが、逆に絡められてしまった。
あ、下方からの気配が寒いです。
「本当は、もっと時間を掛けて行きたかったんだけど、時間切れなのかな。ちょっと乱暴だけど、運ばせてもらうよ。乗ってきたダチョウは、そこの神官に任せればいい
し」
「おお、構わんが」
ランジ神官が頷くと、サジルの影が私のお腹に巻き付く。
フッとサジルが消えたと思ったら、私の身体が上に引っ張られて、浮いた。
木々が真上のお空に見えるーーーー!
違った、私が逆さになってるの?
あ、戻った。空はやっぱり青いよねぇ。
「ーーーーウギャー!」
これ、まさかの逆バンジーじゃない!
村に着くまでこの移動なのかしら!?
何度も繰り返される逆バンジーに挫けそうになると、漸く村に着いたらしい。
「はい、到着。大丈夫かい? お姫様」
こうして時間短縮で村に着いた私を迎えたのは、吐き気と。
「サジルッ!誰よ、その女!ーーーーまさか!」
喚くフィリアナと、その声に恐ろしく機嫌の悪くなった、サジルだった。
1
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、やりたい放題やって派手に散るつもりでしたが、なぜか溺愛されています
平山和人
恋愛
伯爵令嬢であるオフィーリアは、ある日、前世の記憶を思い出す、前世の自分は平凡なOLでトラックに轢かれて死んだことを。
自分が転生したのは散財が趣味の悪役令嬢で、王太子と婚約破棄の上、断罪される運命にある。オフィーリアは運命を受け入れ、どうせ断罪されるなら好きに生きようとするが、なぜか周囲から溺愛されてしまう。
悪役令嬢に転生したのですが、フラグが見えるのでとりま折らせていただきます
水無瀬流那
恋愛
転生先は、未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢だった。それもステータスによれば、死ぬ確率は100%というDEATHエンド確定令嬢らしい。
このままでは死んでしまう、と焦る私に与えられていたスキルは、『フラグ破壊レベル∞』…………?
使い方も詳細も何もわからないのですが、DEATHエンド回避を目指して、とりまフラグを折っていこうと思います!
※小説家になろうでも掲載しています
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【完結】強制力なんて怖くない!
櫻野くるみ
恋愛
公爵令嬢のエラリアは、十歳の時に唐突に前世の記憶を取り戻した。
どうやら自分は以前読んだ小説の、第三王子と結婚するも浮気され、妻の座を奪われた挙句、幽閉される「エラリア」に転生してしまったらしい。
そんな人生は真っ平だと、なんとか未来を変えようとするエラリアだが、物語の強制力が邪魔をして思うように行かず……?
強制力がエグい……と思っていたら、実は強制力では無かったお話。
短編です。
完結しました。
なんだか最後が長くなりましたが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
完 あの、なんのことでしょうか。
水鳥楓椛
恋愛
私、シェリル・ラ・マルゴットはとっても胃が弱わく、前世共々ストレスに対する耐性が壊滅的。
よって、三大公爵家唯一の息女でありながら、王太子の婚約者から外されていた。
それなのに………、
「シェリル・ラ・マルゴット!卑しく僕に噛み付く悪女め!!今この瞬間を以て、貴様との婚約を破棄しゅるっ!!」
王立学園の卒業パーティー、赤の他人、否、仕えるべき未来の主君、王太子アルゴノート・フォン・メッテルリヒは壁際で従者と共にお花になっていた私を舞台の中央に無理矢理連れてた挙句、誤り満載の言葉遣いかつ最後の最後で舌を噛むというなんとも残念な婚約破棄を叩きつけてきた。
「あの………、なんのことでしょうか?」
あまりにも素っ頓狂なことを叫ぶ幼馴染に素直にびっくりしながら、私は斜め後ろに控える従者に声をかける。
「私、彼と婚約していたの?」
私の疑問に、従者は首を横に振った。
(うぅー、胃がいたい)
前世から胃が弱い私は、精神年齢3歳の幼馴染を必死に諭す。
(だって私、王妃にはゼッタイになりたくないもの)
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる