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12 頑張る精霊達と魔界の王子
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たいへんだ、大変だと騒ぎ回る精霊達はどうしていいかわからずに、右往左往するが、その中でも一番年嵩の風精霊がピシャリと手を打つ。
「落ち着きなさい!光と闇の精霊、そう、アナタとアナタ、それから火と風、水と土もよ。エルディアーナに着いて行って!絶対に守るのよ、良いわね?」
指示を出された精霊達は慌ててエルディアーナを追いかける。
「次は、瓶を持って転んだ男を探して、コレを渡して来なさい。今、丁度学園の車寄せで大騒ぎしてるわ。『シシリア嬢が持っていた小瓶からドラゴンが出てきた』ってね。この空の小瓶と巾着は、きっと証拠になるわ。エルディアーナと仲の良い令嬢達もクラブを終えて帰る所だし、上手くいけば、エルディアーナが早く助かるわ」
それから風の精霊は少し考える。
あの一団はエルディアーナの馬車の御者や騎士にバレない様に裏門へ向かったからーーーー。
「誰か、テオバルドに記憶を届けてくれるかしら。この騒動を知れば直ぐに助けに動くわ」
#####
《エルディアーナ、目を覚まして》
《えるでぃあーな、おねがい、めをあけてー》
《皆んな、もう少し頑張って!エルディアーナの魔力を取って、抑えてー》
《王子とおなじにすればいいのー?》
エルディアーナは、身体を苛む息苦しさと重さが軽くなったのを感じて、瞼を開けた。
「ここはーー」
冷たく、かび臭い。指に触れるのは、剥き出しの石だろうか。
ザリッと触れた指先が掠る。
明り取りの窓も無く、ぼんやりした灯火を追えば、見える鉄格子。魔導ランプの灯りだろうか。
青銅の錆び付いた金具臭さが鼻につく。
人の気配は無い事にホッとする。あるのは精霊達の気配だ。
これなら精霊達と話をしても大丈夫だろう。
久しぶりの症状に苦笑いが出る。
こんなにも苦しいものだったかしら。
ギルベルトのお陰で、すっかりと忘れていた痛み。
今は精霊達が頑張ってくれているので、何とか動ける。
ギルベルトと言えば、大丈夫なのかーーーー。
いくら自浄作用があるとはいえ、毒が過ぎれば万が一もある。
エルディアーナは、背筋を襲う悪寒に身震いした。
シシリアが助けると言っていたが、信用出来ないし、あの魔導師も胡散臭い。
ギルベルトが、【同意】が無ければ取り出せないと言っていた精霊魂を、剥ぎとった男。
『シシリアとか言う女には気を付けろ。あれはお前と同じ【転生者】だ。しかもこの世界はゲームで、自分はヒロインだと抜かしている、頭のネジが無い奴だ』
不意に、先日ギルベルトに言われた言葉が蘇った。
どうやら、シシリアはエルディアーナの想像以上に、根性がひん曲がっているらしい。或は性格が悪いとでも言おうか。
シシリアが転生者だと、もう少し早く言ってくれても良かったとエルディアーナは思う。
この件で、ギルベルトと初めて喧嘩したのでちょっとモヤっとが復活する。
《王子は大丈夫ーあのドラゴンの毒じゃ死なないって》
《おうじはがんじょーなの》
《王子が来るまで僕達が守るのー》
精霊達が言うには、馬車まで引きずられたエルディアーナが気を失ってしまった所に、精霊達が来てくれたのだそうで、その後は、精霊達の結界のお陰で触れる事すら叶わずに、浮かせて牢まで運んだそうだ。
これから如何するか。
シシリアがエルディアーナをどうしたいかによるが、グズグズと時間が経てば選択肢も狭まる。
恐らくシシリアは、エルディアーナを盛大に断罪した後、良くて国外追放だろうか。悪くて処刑とかもありそうだ。
如何にも乙女ゲームにありそうな展開。
ギルベルトを待つ選択をするなら、イザと言う時の脱出経路の確保が必要になる。
これはちょっと現実味が無い。ギルベルトが助けに来ないと言う意味では無く、脱出経路の方だ。
「うーん、せめて方角が解らないと駄目ね」
キュルルっとお腹が鳴る。
アザリーの実、ちゃんと持っていてくれてるかしら、ギル。
ジャムにして、パンケーキに乗せて一緒に食べようと約束したのだ。
あれ位の毒では死なないと、精霊達のお墨付きが出たらお腹は正直だ。
「クリームもタップリで!」
《わーい、クリームすきー。おなかすいたねー》
ついうっかり言ってしまった。
食いしん坊の精霊が言えば連鎖するのか、アチコチでお腹空いた大合唱が始まる。
ーーーー何か持ってなかったかしら?
生憎、鞄はギルの空間だしーーーーあ。
エルディアーナがポケットを探ると、巾着に入れておいた金平糖があった。
うん、糖分だし、これで凌げるかな。
カララと音を立てて掌に乗せた金平糖を、精霊達に配る。
《ありがとうー》
《有り難うー》
《チュゥウー》
ーーーーーーーーん?
ネズミの精霊っていたかしら。
恐る恐るエルディアーナが鳴き声の方を見れば、牢屋には居そうもない、矢鱈と毛並みの良い、金髪のネズミがそこに居た。
「ネズミって金平糖食べるのね」
カリポリと噛み砕くその様子は何処か人間臭い。
「僕はネズミじゃないぞ!」
「ネズミが喋った!?」
何だかとってもデジャヴ。
「だからネズミじゃ無いって言っている!人間如きに名を教えるのも、勿体無いーーーー」
「あ、じゃぁ聞かなくていいです」
「なんでだよ!有難く聞けよ!なんだ、お前ひょっとして魔力過多症か?なら丁度良い、少し貰うぞ」
「聞いてほしいのですか?って人の魔力を勝手にーーーー•••••••え?」
それは一瞬の出来事だった。
エルディアーナの魔力を勝手に吸い取った金髪のヤンキーネズミが消えて、いつの間にか七つ位の小さな男の子が立っていたのだ。金髪の。
「僕は魔界の王子、リカルドだ!」
取り敢えず、自己紹介として、エルディアーナです、と応えておいた。
この王子様は魔界を黙って抜け出したらしく、お忍びで人間界を彷徨っていた所、この場所へ迷い混んだらしい。
「なんか魔導師とやらに追いかけらたんだ。もしかして、王宮とやらに来てしまったのかも?」
ーーーー王宮であっていると思いますよ。
「それで、隠れる為にネズミになって逃げてたんだがーーーー」
「慣れない変化をして魔力を消費、切れる寸前だったと言うことですか?」
「あー、まぁそうとも言う。所でお前は何でこんな場所にいるんだ?」
エルディアーナはさぁ?と答えを濁す。
子供に聞かせたい話じゃないし、他人に言うことでも無いからだ。
ーーが、精霊達は違うようで。
「へー。それは難儀?だったんだな」
流石、魔界の王子というのは嘘では無いらしく、精霊達が見えてるし、話も出来る。
「それに、お前浄化が出来るのか!凄いな!実は僕が人間界に来たのも、浄化が出来る人間を探す為だったんだ。魔人には出来ないからな」
俯いて言ったリカルドは寂しそうな雰囲気だったが、気持ちを切り替えるのが早いのか、直ぐに顔を上げた。
「なぁ、僕に付いて来てくれないか?ここから出れるし、用が済んだらちゃんと送るから」
暗がりで表情は分からないが、真剣さは伝わってくる。
エルディアーナは事情を聞くと、少し考えてから頷いた。
出来るだけの範囲で良ければ、と。
「闇の精霊さん、ギルに言伝を頼める?あ、記憶を見せるってやつも出来るの?うん、お願いね?」
お駄賃の金平糖を掴ませると、闇の精霊はすうっと音も無く消えた。
「この子達も一緒に良いかしら?」
リカルドは一つ頷くと、エルディアーナの手を取ると、精霊達にも声を掛ける。
「転移するから皆僕に掴まって!」
穏やかな熱が全身を満たす。
暗い牢屋には淡い光すら眩しくて、エルディアーナは瞳を閉じる。
クラっとした感覚の後に訪れたのは、緑の香り。
そこは、良く手入れのされている庭園らしき場所だった。
ーーーーそして一か所に漂う夥しい瘴気。
リカルドが瘴気の場所を指して言う。
「あそこで魔王ーーーー僕の父上が病に臥していらっしゃる」
「落ち着きなさい!光と闇の精霊、そう、アナタとアナタ、それから火と風、水と土もよ。エルディアーナに着いて行って!絶対に守るのよ、良いわね?」
指示を出された精霊達は慌ててエルディアーナを追いかける。
「次は、瓶を持って転んだ男を探して、コレを渡して来なさい。今、丁度学園の車寄せで大騒ぎしてるわ。『シシリア嬢が持っていた小瓶からドラゴンが出てきた』ってね。この空の小瓶と巾着は、きっと証拠になるわ。エルディアーナと仲の良い令嬢達もクラブを終えて帰る所だし、上手くいけば、エルディアーナが早く助かるわ」
それから風の精霊は少し考える。
あの一団はエルディアーナの馬車の御者や騎士にバレない様に裏門へ向かったからーーーー。
「誰か、テオバルドに記憶を届けてくれるかしら。この騒動を知れば直ぐに助けに動くわ」
#####
《エルディアーナ、目を覚まして》
《えるでぃあーな、おねがい、めをあけてー》
《皆んな、もう少し頑張って!エルディアーナの魔力を取って、抑えてー》
《王子とおなじにすればいいのー?》
エルディアーナは、身体を苛む息苦しさと重さが軽くなったのを感じて、瞼を開けた。
「ここはーー」
冷たく、かび臭い。指に触れるのは、剥き出しの石だろうか。
ザリッと触れた指先が掠る。
明り取りの窓も無く、ぼんやりした灯火を追えば、見える鉄格子。魔導ランプの灯りだろうか。
青銅の錆び付いた金具臭さが鼻につく。
人の気配は無い事にホッとする。あるのは精霊達の気配だ。
これなら精霊達と話をしても大丈夫だろう。
久しぶりの症状に苦笑いが出る。
こんなにも苦しいものだったかしら。
ギルベルトのお陰で、すっかりと忘れていた痛み。
今は精霊達が頑張ってくれているので、何とか動ける。
ギルベルトと言えば、大丈夫なのかーーーー。
いくら自浄作用があるとはいえ、毒が過ぎれば万が一もある。
エルディアーナは、背筋を襲う悪寒に身震いした。
シシリアが助けると言っていたが、信用出来ないし、あの魔導師も胡散臭い。
ギルベルトが、【同意】が無ければ取り出せないと言っていた精霊魂を、剥ぎとった男。
『シシリアとか言う女には気を付けろ。あれはお前と同じ【転生者】だ。しかもこの世界はゲームで、自分はヒロインだと抜かしている、頭のネジが無い奴だ』
不意に、先日ギルベルトに言われた言葉が蘇った。
どうやら、シシリアはエルディアーナの想像以上に、根性がひん曲がっているらしい。或は性格が悪いとでも言おうか。
シシリアが転生者だと、もう少し早く言ってくれても良かったとエルディアーナは思う。
この件で、ギルベルトと初めて喧嘩したのでちょっとモヤっとが復活する。
《王子は大丈夫ーあのドラゴンの毒じゃ死なないって》
《おうじはがんじょーなの》
《王子が来るまで僕達が守るのー》
精霊達が言うには、馬車まで引きずられたエルディアーナが気を失ってしまった所に、精霊達が来てくれたのだそうで、その後は、精霊達の結界のお陰で触れる事すら叶わずに、浮かせて牢まで運んだそうだ。
これから如何するか。
シシリアがエルディアーナをどうしたいかによるが、グズグズと時間が経てば選択肢も狭まる。
恐らくシシリアは、エルディアーナを盛大に断罪した後、良くて国外追放だろうか。悪くて処刑とかもありそうだ。
如何にも乙女ゲームにありそうな展開。
ギルベルトを待つ選択をするなら、イザと言う時の脱出経路の確保が必要になる。
これはちょっと現実味が無い。ギルベルトが助けに来ないと言う意味では無く、脱出経路の方だ。
「うーん、せめて方角が解らないと駄目ね」
キュルルっとお腹が鳴る。
アザリーの実、ちゃんと持っていてくれてるかしら、ギル。
ジャムにして、パンケーキに乗せて一緒に食べようと約束したのだ。
あれ位の毒では死なないと、精霊達のお墨付きが出たらお腹は正直だ。
「クリームもタップリで!」
《わーい、クリームすきー。おなかすいたねー》
ついうっかり言ってしまった。
食いしん坊の精霊が言えば連鎖するのか、アチコチでお腹空いた大合唱が始まる。
ーーーー何か持ってなかったかしら?
生憎、鞄はギルの空間だしーーーーあ。
エルディアーナがポケットを探ると、巾着に入れておいた金平糖があった。
うん、糖分だし、これで凌げるかな。
カララと音を立てて掌に乗せた金平糖を、精霊達に配る。
《ありがとうー》
《有り難うー》
《チュゥウー》
ーーーーーーーーん?
ネズミの精霊っていたかしら。
恐る恐るエルディアーナが鳴き声の方を見れば、牢屋には居そうもない、矢鱈と毛並みの良い、金髪のネズミがそこに居た。
「ネズミって金平糖食べるのね」
カリポリと噛み砕くその様子は何処か人間臭い。
「僕はネズミじゃないぞ!」
「ネズミが喋った!?」
何だかとってもデジャヴ。
「だからネズミじゃ無いって言っている!人間如きに名を教えるのも、勿体無いーーーー」
「あ、じゃぁ聞かなくていいです」
「なんでだよ!有難く聞けよ!なんだ、お前ひょっとして魔力過多症か?なら丁度良い、少し貰うぞ」
「聞いてほしいのですか?って人の魔力を勝手にーーーー•••••••え?」
それは一瞬の出来事だった。
エルディアーナの魔力を勝手に吸い取った金髪のヤンキーネズミが消えて、いつの間にか七つ位の小さな男の子が立っていたのだ。金髪の。
「僕は魔界の王子、リカルドだ!」
取り敢えず、自己紹介として、エルディアーナです、と応えておいた。
この王子様は魔界を黙って抜け出したらしく、お忍びで人間界を彷徨っていた所、この場所へ迷い混んだらしい。
「なんか魔導師とやらに追いかけらたんだ。もしかして、王宮とやらに来てしまったのかも?」
ーーーー王宮であっていると思いますよ。
「それで、隠れる為にネズミになって逃げてたんだがーーーー」
「慣れない変化をして魔力を消費、切れる寸前だったと言うことですか?」
「あー、まぁそうとも言う。所でお前は何でこんな場所にいるんだ?」
エルディアーナはさぁ?と答えを濁す。
子供に聞かせたい話じゃないし、他人に言うことでも無いからだ。
ーーが、精霊達は違うようで。
「へー。それは難儀?だったんだな」
流石、魔界の王子というのは嘘では無いらしく、精霊達が見えてるし、話も出来る。
「それに、お前浄化が出来るのか!凄いな!実は僕が人間界に来たのも、浄化が出来る人間を探す為だったんだ。魔人には出来ないからな」
俯いて言ったリカルドは寂しそうな雰囲気だったが、気持ちを切り替えるのが早いのか、直ぐに顔を上げた。
「なぁ、僕に付いて来てくれないか?ここから出れるし、用が済んだらちゃんと送るから」
暗がりで表情は分からないが、真剣さは伝わってくる。
エルディアーナは事情を聞くと、少し考えてから頷いた。
出来るだけの範囲で良ければ、と。
「闇の精霊さん、ギルに言伝を頼める?あ、記憶を見せるってやつも出来るの?うん、お願いね?」
お駄賃の金平糖を掴ませると、闇の精霊はすうっと音も無く消えた。
「この子達も一緒に良いかしら?」
リカルドは一つ頷くと、エルディアーナの手を取ると、精霊達にも声を掛ける。
「転移するから皆僕に掴まって!」
穏やかな熱が全身を満たす。
暗い牢屋には淡い光すら眩しくて、エルディアーナは瞳を閉じる。
クラっとした感覚の後に訪れたのは、緑の香り。
そこは、良く手入れのされている庭園らしき場所だった。
ーーーーそして一か所に漂う夥しい瘴気。
リカルドが瘴気の場所を指して言う。
「あそこで魔王ーーーー僕の父上が病に臥していらっしゃる」
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