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妻と子供達-キリル-

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俺は、お義父様の計らいで、

妻と子供達に会う為に、

マゼンダ伯爵家にやって来た。

妻とシリルは静かに俺の待つ応接間に入って来た。

ベリルはオドオドとして、俺と妻とシリルを交互に見る。


俺は、ゼリスに土下座した。

「すまなかった。俺は、お前達に俺の意見をずっと押し付けて、お前達を苦しませて来た事に気が付いた。

本当にごめん。

ゼリス。シリル。ベリル。

やり直したい。

帰って来て下さい。

シリル、ベリル
今まですまなかった。
今後は、お前達のやりたい事をやっていい。

俺は、お前達のやりたい事
今後は親として見守ろうと思う。」


すると、ゼリスは

「貴方。頭を挙げて下さい。
いつもの貴方らしくないわ。フフフ。

お父様から話は聞いているわ。」


すると、ゼリスはパンパンと手を叩く。

その途端、使用人達が何やら机の上に
食べ物を準備し始める。

そこには、沢山のカットしたフルーツや
チョコレート、クッキーの砕いた物などが置かれた。

そして、俺達の前にワッフルコーンに乗ったソフトクリームが置かれる。

俺は驚いてゼリスや息子達を見る。

ベリルは驚いているが、

ゼリスとシリルは

ふんわりと俺に向かって笑顔を見せる。

ゼリスは

「息子達だけでなく、貴方も私もやりたかった事、沢山やりましょう?ねっ?」

と俺に語りかける。

俺は唖然とするが、

なぜだろう、肩が震えた。
ああ、俺はまた泣いているのだ。
妻ゼリスは、こんな俺を受け入れてくれた。
俺自身、ずっと何年も背を向けてきた本当の俺。

こんなにも簡単に受け入れてくれた。

俺は、床に座ったまま涙が止まらなかった。
ゼリスは俺の背中をそっと撫でる。

ゼリスの言葉を聞いた瞬間。
俺は俺で居ていいそう思えたんだ。

何か、俺の体は軽くなった。そんな気がした。

シリルは

「母上、親父!早く食べないと、溶けちゃうよ。ベリル。お前何をトッピングする?」


俺たちは、何をトッピングするか話しながら、4人で楽しく会話しながら、オリジナルのソフトクリームを作った。

シリルは、柑橘系が好きなようだ。

ベリルは、チョコレートとバナナ。

妻ゼリスは苺とクッキークランチ。

俺は、全部載せだ。

ベリルは

「親父ズリーぞ!俺も俺も!」

と真似をする。

そんな、ベリルを見てみんなで笑う。



初めて食べたソフトクリームはとっても美味しかった。

食べ物が、こんなに美味しいと思ったのは初めてだった。


家族ってこんなに温かいものだったのだと初めて知った。

そして、安心できる、俺が俺でいられる居場所。

そう思えて、初めて俺は息子達が本当の自分で居られる、

家庭という居場所を守ろうと強く思った。
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