6歳で死んでしまう少女は 精霊さんと共に生き延びる。

節分豆まき

バーミリオン領では、

盛大に豆まきがされる。　


今年はバーミリオン領と桃橘國の姉妹都市記念50周年という事もあり、

役人が投げる豆の中に、色んな賞品が書かれたカードが紛れ込んでいるらしい。


今までにないくらい大きなお祭りになるそうだ。


私は楽しそうなので、何処でも厨房を使って、お家にいる、私のスキルを知る家族や使用人達も連れてきた。


ポルカは楽しそうに。

「これがあいつの言っていた。豆まきかー。

マリーベル。

豆まきの時に、コッソリ雷の精霊王が鬼役に紛れ込んでるかもしれないぞ。

アイツが言ってたんだ、楽しそうだから時々コッソリ遊びに来てるらしい。

神々しい、金の虎柄のパンツを履いてる奴がそうだ。」


因みに、役人は鬼役。市民は人間役だ。

鬼役は、市民のハチマキを奪いに来る。

ハチマキを豆を撒きながら死守すれば、豪華賞品が貰えるのだ。

役人がまく豆の中には賞品カードも紛れこんでいるので要注意だ。

鬼役の役人は部署ごとで、タイプが違うらしい。

鬼の仮装に力を入れる部署もあれば、本気モードの部署もある。

領を守る騎士団は本気モードだ。

銀の盾と銀の鎧をつけて、市民のハチマキを奪う。

因みに豆は、勿体無いので食べ物ではない。豆と呼ばれる小さな柔らかい豆の形をしたクッションだ。

領の子供達は

「おい！お前は、この祭りは初めてか？あの背の高い騎士の鬼には気をつけろ！鎧着てるけどマジで足が速いんだ。

あと、税務部の役人のとこは気をつけろ。あそこは、大人が本気で豆のクッションを投げ合ってるからな。

あれは、大人の戦いだ。」

などと、情報をくれる。

そして、お祭りが始まった。


おおおおー。なんだ！なんだ！全力で追いかけてくるんだけど！！

今私は全力疾走している。

さっそく、注意を受けた背の高い騎士の鬼に狙われてしまった！

うん？！

あれは、楽しそうに豆を巻く

赤い肌の鬼。

パンツは黄金の虎柄だ。

アイツか！雷の精霊王！

でも今それどころじゃない！




ポルカは、早々に鬼にハチマキを取られた為、

役人が投げる豆の中のカードを取るために、役人の近くにいる。

祭りが終わると、ポルカはお酒やおつまみを沢山抱えて戻ってきた。