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校長からの呼び出し

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「おい。皆んな顔が死んでるぞ!」

テラーくんは、足取りが軽い。


ジェフくんは

「あの校長苦手なんだよ。何か腹黒い感じがして。」


フーちゃんは
「褒められる気がしない。」

テラーくんは
「俺は間違った事はしてねー。
なっ!マリーベルお前もそう思うだろ。」

私は、
「私はジェフくんと同意見。」

ライくんは
「右に同じく。」

「かー!やだね!ジメジメしちゃって!」

最近、テラーくんがチビマッズル化してると思うのは私だけだろうか。

すると、ジェフくん
「この脳筋が!」
とつぶやく!

「おい!お前今なんて言った?」
と喧嘩し出す。

ロンくんは
「やめてよ。ゴメン僕のせいで」

とモジモジと言うが、

フーちゃんとモネちゃんが
「「ロンくんのせいじゃない!」」

モネちゃんは
「そもそも、私だって孤児院の酪農が上手くいかなければ、ロンくんと同じだよ。
皆んなも、親が亡くなればいつ食べ物を手に入れられなくなるか分からないんだよ。」


校長室の前に立ってトントントンとノックする。

「入りなさい。」

と声がした。

山の様な書類に目を通す。
ベルアルド先生がいた。

なんだろ。書類を読んでるだけなのに、絵になる。

サラサラの間の短髪に青い瞳が美しいく、キラキラとしている。

クロードお兄様が月や星の様な美しさだとすると、王太子殿下は清々しい青空の太陽の様な美しさだ。

おっと男の子たちが、イケメンに心を奪われた女の子達をジト目で見ている。

いかんいかん。

すると、書類から目をはなして

「君たちはなぜ呼ばれたか分かるかな?」

と聞いてくる。

誰も何も言わないが、
ロンくんが

「僕がお弁当を持ってこられなくて、皆んなに迷惑をかけました。」

と涙をポタポタと落としながら言う。

ベルアルド校長は、カツカツとこちらに来てロンくんの頭をポンポンと優しく撫でた。

そして、机に腰をかけて腕を組んで言う。

「そうじゃない。君たちは、マリーベルが言う、給食を作ろうと食材や器具の調達の為に農家や鍛冶屋に出入りして、馬車に乗らずに帰っているだろ。

問題に真摯に取組み、考えて行動する君たちの熱意は素晴らしい。でも、君たちはまだ6歳だ。

もし、誘拐されたらどうするんだ。

君たちが、出入りしている鍛冶屋や農家のおじさんたちが、相談に来たんだ。

君たちは、給食を学校で一般化したい。そうすれば、普段食べる事が困難でも、一日一食は確実に確保できる。

沢山の子ども達が命を繋げられて、尚且つ学べるんだ。

だから農業や道具作りについて教えて欲しいって言って回ったらしいね。

この学校を作る時にね、私たちは君たちが回って歩いた地域の住民にも出資してもらってるんだ。

文字が読めない事で、雇用契約だと思ったら奴隷契約になっていたとか、

算数の計算ができなくて、お金の計算ができなくて騙されたって事は

当たり前にある。

そう言った事を防ぐ為に、

全地域で教育を義務化する為のプロジェクトなんだ。

君たちの給食と言うアイデアを聞いて、心打たれたらしくてね。

給食も、プロジェクトの中に入れる事になったんだ。

来年を目処に、給食を開始できる様取り図る予定だ。

それまでは、制服と同様に学校がお弁当を準備する。

君たちは、何も心配しなくていい。

ロン。お前はいい仲間に出会ったな。

裏話をすると、

将来的には学校は国の各区に設置される。

そして全校で給食を取り入れると言う事で、大きな販路ができると商会が気づき始めた。海外や国内の企業が参入を伺い始めた。

よって、お金の流れが生まれた。

君たちは経済を動かしたんだ。

お金は天下の回りものだ。

よくやったな。」


フワリとベルアルト校長が笑う。
皆、美しさに心を奪われる。

「ヤバい。相手は成人の男だぞ!俺しっかりしろ!」

テラーくんは一人でブツブツと言っている。

感動してロンくんはオンオン泣いている。


モネちゃんは鼻血を出して倒れた。

その途端、

ダンッとサマス先生が入ってきて
「モネさん大丈夫?直ぐに保健室へ!」

とあっという間にモネちゃんを抱えて連れ去った。

私とフーちゃんとライくんとジェフくんはしばし、唖然としていた。


というかサマス先生なぜ、モネちゃんが倒れた事が分かったの?!


そんな中でも、笑顔を崩さない校長。恐るべし。

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