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はじまったばかりの夏休み
カメのシェアル
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森をでたマサたちは、湖のほとりにやってきた。
「ちょっと、待ってて」
カエルさんが湖にじゃぽんと飛びこむと……
ごごご……ばしゃーん。
島のようにおおきなカメが湖のなかから、うかびあがってきた。
コウラのうえには、うで組みしているカエルさんがたっている。
「しょうかいするよ、おおガメじいさんだよ」
おおガメじいさんは、ゆっくりゆっくり近づいてきて、
「いらっしゃ~い、コウラのうえに」
と、おどけたようにいった。
マサたちは、コウラのうえにジャンプ。
「うっ……いてて~……つっ~」
「えっ……すみません。もっと、ゆっくり、のればよかった?」
エータは、あわててあやまった。
「ウッソー。コウラのうえでピョンピョンジャンプしていいよ。おどってもいいよ。好きにすればいいよ」
エータはムスッとしたあと、コウラのうえでピョンピョンとジャンプしたりクルクルまわったりもした。
ズルッ、ズテンッ。
コケにすべって、しりもちをついたエータは、ズボンがビショぬれだ。
「だいじょうぶ、すぐかわくよ。今日はいい天気」
おおガメじいさんは、笑っている。
「おおガメじいさんは、この湖におお昔からすんでるヌシなんだ。500年ずーっと、すんでるんだよ」
自分のことではないのに、カエルさんはじまんげだ。
「この湖、とってもおおきいけど、深さはどれくらいですか?」
トージはおおガメじいさんに質問をしてみた。
「たしか、500メートルくらい……だったかな?そんなことより、きみたち、ぼくのコウラに手をあててごらん」
マサたちはすぐにコウラに手をあてた。
黒っぽいムシャムシャしたコケでいっぱいのコウラだ。
「最高のパートナーになれそうな子がいる!」
おおガメじいさんはうれしそうにいった。
コウラのうえがグラグラゆれて、マサたちは湖におちてしまいそうだ。
「ええ!最高の、パートナー?おれだったりしない?」
両手でしっかりとコウラをつかんでいるエータは、おおきくひらいた目をおおガメじいさんにむけた。
おおガメじいさんは、ゆっくり首をふった。
「きみじゃないんだよね。きみはとってもおもしろい子だよ。むげんの可能性をもっている。だ、け、ど、きみはべつのちからを使ったほうがいいみたい。あいしょうがカメとバッチリなのは、きみだよ!おちついたかんじがある、き~み!」
「おれのこと?」
マサは、すぐに元気よくいった。
「ちがうー、きみでもないよ」
「じゃあ、おれだね」
トージはにが笑いした。
「そう、きみなんだよ。使ってみる?カメのちから」
「使ってみたいでーす」
「おーい、ルーイくーん」
じゃぼん。
と音がして、湖のなかから子ガメのルーイが顔をだした。
「ジジ、なにー?」
「カメのちからを120パーセント使えそうな、子がいてね。パートナーになってみたら?」
「え、いいの?」
子ガメのルーイがパチンと、水面をたたいてよろこんで、あたりに水がとびちった。
「この子ならいいかなあとおもって」
「だれかは、いわないで。おれが当てるから」
2本足で生活しているカメの〝ルーイ〟は、コウラのうえにのぼった。身長はマサたちと同じくらい。
「おれ、ルーイ。よろしく」
とルーイは、3人の肩にじゅんじゅんに手をのせていった。
そしてエータをみてニコッとした。
「きみでしょ?」
「ぶっぶー、ちがうよー」
「えっ、ちがうの?あっ、きみか」
ルーイはあわててトージをみた。
「そうだよ、ぼくだよ」
「きみのちからになるよ。よろしく、あいぼう」
トージとルーイは、ぎゅっと、あくしゅをした。
すると……ホワン、ポワン。
ふたりから1個ずつひかりの玉がでてきて、トージとルーイのまわりをクルクル、グルグル。まるで、ふざけあうように、じゃれあうように、まわっている。
そして、ふたりのま上でくっついてハートになった。
はじけたハートはキラキラとしたひかりのつぶとなって、ふたりにふりそそいだ。
「ちょっと、待ってて」
カエルさんが湖にじゃぽんと飛びこむと……
ごごご……ばしゃーん。
島のようにおおきなカメが湖のなかから、うかびあがってきた。
コウラのうえには、うで組みしているカエルさんがたっている。
「しょうかいするよ、おおガメじいさんだよ」
おおガメじいさんは、ゆっくりゆっくり近づいてきて、
「いらっしゃ~い、コウラのうえに」
と、おどけたようにいった。
マサたちは、コウラのうえにジャンプ。
「うっ……いてて~……つっ~」
「えっ……すみません。もっと、ゆっくり、のればよかった?」
エータは、あわててあやまった。
「ウッソー。コウラのうえでピョンピョンジャンプしていいよ。おどってもいいよ。好きにすればいいよ」
エータはムスッとしたあと、コウラのうえでピョンピョンとジャンプしたりクルクルまわったりもした。
ズルッ、ズテンッ。
コケにすべって、しりもちをついたエータは、ズボンがビショぬれだ。
「だいじょうぶ、すぐかわくよ。今日はいい天気」
おおガメじいさんは、笑っている。
「おおガメじいさんは、この湖におお昔からすんでるヌシなんだ。500年ずーっと、すんでるんだよ」
自分のことではないのに、カエルさんはじまんげだ。
「この湖、とってもおおきいけど、深さはどれくらいですか?」
トージはおおガメじいさんに質問をしてみた。
「たしか、500メートルくらい……だったかな?そんなことより、きみたち、ぼくのコウラに手をあててごらん」
マサたちはすぐにコウラに手をあてた。
黒っぽいムシャムシャしたコケでいっぱいのコウラだ。
「最高のパートナーになれそうな子がいる!」
おおガメじいさんはうれしそうにいった。
コウラのうえがグラグラゆれて、マサたちは湖におちてしまいそうだ。
「ええ!最高の、パートナー?おれだったりしない?」
両手でしっかりとコウラをつかんでいるエータは、おおきくひらいた目をおおガメじいさんにむけた。
おおガメじいさんは、ゆっくり首をふった。
「きみじゃないんだよね。きみはとってもおもしろい子だよ。むげんの可能性をもっている。だ、け、ど、きみはべつのちからを使ったほうがいいみたい。あいしょうがカメとバッチリなのは、きみだよ!おちついたかんじがある、き~み!」
「おれのこと?」
マサは、すぐに元気よくいった。
「ちがうー、きみでもないよ」
「じゃあ、おれだね」
トージはにが笑いした。
「そう、きみなんだよ。使ってみる?カメのちから」
「使ってみたいでーす」
「おーい、ルーイくーん」
じゃぼん。
と音がして、湖のなかから子ガメのルーイが顔をだした。
「ジジ、なにー?」
「カメのちからを120パーセント使えそうな、子がいてね。パートナーになってみたら?」
「え、いいの?」
子ガメのルーイがパチンと、水面をたたいてよろこんで、あたりに水がとびちった。
「この子ならいいかなあとおもって」
「だれかは、いわないで。おれが当てるから」
2本足で生活しているカメの〝ルーイ〟は、コウラのうえにのぼった。身長はマサたちと同じくらい。
「おれ、ルーイ。よろしく」
とルーイは、3人の肩にじゅんじゅんに手をのせていった。
そしてエータをみてニコッとした。
「きみでしょ?」
「ぶっぶー、ちがうよー」
「えっ、ちがうの?あっ、きみか」
ルーイはあわててトージをみた。
「そうだよ、ぼくだよ」
「きみのちからになるよ。よろしく、あいぼう」
トージとルーイは、ぎゅっと、あくしゅをした。
すると……ホワン、ポワン。
ふたりから1個ずつひかりの玉がでてきて、トージとルーイのまわりをクルクル、グルグル。まるで、ふざけあうように、じゃれあうように、まわっている。
そして、ふたりのま上でくっついてハートになった。
はじけたハートはキラキラとしたひかりのつぶとなって、ふたりにふりそそいだ。
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