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タカさん教 Ⅱ
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石神さんが出勤した。
非常に何か言いたげだったが、出勤の時間なので何も言わずに出て行った。
一応は助かった!
亜紀ちゃんと目を合わせる。
とにかく急いで対策を立てないと。
「亜紀ちゃん、アレ、まずいよ!」
「そうですね、どうしましょう、柳さん!」
亜紀ちゃんは顔が青くなっている。
それにしても、まさかあのことがテレビにまで取り上げられるなんて!
ネットで結構な数が挙がっているのは知っていたけど、石神さんはあまりネットを見ないので安心していた。
「なんとか対処しないと」
「どうするの?」
「あ、ラインで集合かけますか!」
「ああ、もう辞めさせた方がいいよ」
「うーん……」
「亜紀ちゃん、まだやるの!」
「だって、折角大勢の人間に広まってるのに」
「亜紀ちゃん!」
まったく呆れた。
亜紀ちゃんのことは大好きなんだけど、時々暴走するこの癖は毎回困っている。
まあ、石神さんのことが大好きでの、今回のことなのだが。
だから私も黙っていた。
というか、後から付き合うようにもなった。
あー、私も悪い。
「真夜と真昼にも知らせないとね」
「そうですよね! じゃあ、今日は「カタ研・タカさん教分科会会議」を!」
「もう!」
「ルーとハーも出席させます」
「……」
仕方ない。
みんなで考えよう……
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
数年前。
タカさんに動画サイトでの「悪人狩り」が見つかって、相当叱られた。
だからもうネットには挙げずに、ただ狩るだけにするようになった。
悪人は多いからね!
「じゃー、今日も! 悪人狩り! 行くよ!」
「亜紀さん、ちょっと!」
さーて、今日はどこにすっかなぁ!
「亜紀さん、こないだ石神さんに怒られたじゃないですかぁ!」
確かに調子に乗って悪人狩りの動画をサイトにアップしてたのは不味かった。
でも、そういうことじゃないんだなぁー。
「真夜、いいこと教えてあげる」
「なんです?」
「「止められて止まるようなものは大したことじゃない。止められてもやるような奴が、俺は好きだな」!」
「はぁ」
「タカさんの言葉だよ! もう最高にカッコイイ!」
「まあ、そうですかね」
「ね!」
「はぁ」
真夜も分かってくれた。
よしよし。
「じゃー、真昼も呼ぶかぁ!」
「行くんですね、やっぱ」
「うん!」
真夜が真昼に連絡してくれた。
真夜と真昼は以前に比べて格段に強くなった。
私と双子で結構鍛えている。
もう二人とも第二階梯を自在に扱える中級ソルジャーの実力であり、今ももっと強くなろうと頑張ってる!
流石私の親友とその妹だぁ!
真昼に連絡し、池袋の北口で待ち合わせることにした。
あそこは一時カラーギャングが一杯いたけど、一時廃れて今また悪人が勢いを増している。
いい狩場だぁ!
真昼はちゃんと制服を着替えてから来ていた。
双子に貰ったカシミアのアニヘショのセーターに黒いデニムで、足はヴィトンのショートブーツ。
アニヘショはウサギとタランチュラだ。
私は白のタートルネックに赤のライダースジャケット、下は革のパンツで足はタカさんが一杯持ってるベルルッティのスカー。
真夜は白のブラウスにシャネルのピンクの革ジャケット、下は白の綿のパンツで足はコンバースのオールスター。
真夜はスタイルがいいし、服のセンスもいいな!
だから私も服を買う時には真夜にいつも付き合って貰って、アドバイスしてくれている。
真昼も真夜の妹だけあって、いい趣味だ。
姉の服装を見て、自然に感性が育つのだろう。
私がタカさんの服装に影響されているのと同じだ。
タカさん、バンザイ!
「夕飯の用意までに帰んないとね」
「はぁ、もう帰りません?」
「なーに、真夜? お腹空いてるの?」
「いえ、そういうわけじゃなく」
「まあ、じゃあ軽くなんかつまみに行こうか! そういえば私もちょっと何か口に入れたいな」
私はいつでも食事が入るぜ!
池袋には美味しいお店が一杯あるし。
「まあ、いいですけど。ところで今日の夕飯はなんです?」
「うん、鳥の香草焼き! タカさんが大好きだからね!」
「ああ、いいですね! 私も前に石神さんが作ってくれたのをいただきました!」
「美味しかったでしょ!」
「最高ですよ! あんなに美味しいものは滅多に!」
「私も頂きました! あれ、大好きですよ!」
「だよね! タカさんに作り方は教わってるから……」
私たちが話していると、5人組に囲まれた。
みんな痩せた体形で噛み応えは無さそうだ。
でも、悪人に区別はないぜ!
一人の長身の借り上げ金髪が近付いて話し掛けてきた。
顔がこれでもかって安っぽい。
「ねぇねぇ、タカさんって誰?」
「あ?」
「何か食べに行くの? じゃあ、俺らが案内するよ」
「なんだ、てめぇら?」
私たちの会話を聞いていたようだ。
ロックオンかぁ!
「いいじゃん! ほら、俺らのマンション、近いからさ、そこで御馳走するよ」
「フランクフルトとか」
「「「「「ギャハハハハハハハ!」」」」」
悪人来たぁ!
しかもいい感じのゲスだぁ!
「本当に近いの?」
「ああ、すぐそこ。俺らで金出し合って借りてんだ」
人通りのあるとこは、思い切りできないしなー。
丁度いいのかなー。
「そうなんだ、じゃあ行こうか」
「ほんとかよ!」
「フランクフルト一杯あっから!」
「「「「「ギャハハハハハハハ!」」」」」
「ウフフフフフ」
真夜を見ると、呆れた顔をしながらも、口元が笑ってた。
やっぱ悪人はいいよね!
「それ、アニヘショだろ? いいね!」
「ありがとうございます」
年端の行かない真昼にまで声を掛けて来る。
もう相当なゲスだ。
真昼も口元が緩んでいる。
ルーとハーに気に入られている人間だ。
悪人をぶっ飛ばすのが楽しいに決まってる。
さー、今日はどこまでやっかなぁー!
殺しはしないけど、手足は折るかなぁー!
あ、なんか小瓶を出して後ろで笑ってる。
ヤバいやつかぁ。
小声で私たちが相当な美人だって話し合ってる。
いいぜぇ、とっくり味わわせてやるぜぇ。
真夜と真昼と肩を組んだ。
「楽しみだね!」
「「はい!」」
男たちが笑った。
その顔が歪むのが楽しみだぁ!
非常に何か言いたげだったが、出勤の時間なので何も言わずに出て行った。
一応は助かった!
亜紀ちゃんと目を合わせる。
とにかく急いで対策を立てないと。
「亜紀ちゃん、アレ、まずいよ!」
「そうですね、どうしましょう、柳さん!」
亜紀ちゃんは顔が青くなっている。
それにしても、まさかあのことがテレビにまで取り上げられるなんて!
ネットで結構な数が挙がっているのは知っていたけど、石神さんはあまりネットを見ないので安心していた。
「なんとか対処しないと」
「どうするの?」
「あ、ラインで集合かけますか!」
「ああ、もう辞めさせた方がいいよ」
「うーん……」
「亜紀ちゃん、まだやるの!」
「だって、折角大勢の人間に広まってるのに」
「亜紀ちゃん!」
まったく呆れた。
亜紀ちゃんのことは大好きなんだけど、時々暴走するこの癖は毎回困っている。
まあ、石神さんのことが大好きでの、今回のことなのだが。
だから私も黙っていた。
というか、後から付き合うようにもなった。
あー、私も悪い。
「真夜と真昼にも知らせないとね」
「そうですよね! じゃあ、今日は「カタ研・タカさん教分科会会議」を!」
「もう!」
「ルーとハーも出席させます」
「……」
仕方ない。
みんなで考えよう……
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
数年前。
タカさんに動画サイトでの「悪人狩り」が見つかって、相当叱られた。
だからもうネットには挙げずに、ただ狩るだけにするようになった。
悪人は多いからね!
「じゃー、今日も! 悪人狩り! 行くよ!」
「亜紀さん、ちょっと!」
さーて、今日はどこにすっかなぁ!
「亜紀さん、こないだ石神さんに怒られたじゃないですかぁ!」
確かに調子に乗って悪人狩りの動画をサイトにアップしてたのは不味かった。
でも、そういうことじゃないんだなぁー。
「真夜、いいこと教えてあげる」
「なんです?」
「「止められて止まるようなものは大したことじゃない。止められてもやるような奴が、俺は好きだな」!」
「はぁ」
「タカさんの言葉だよ! もう最高にカッコイイ!」
「まあ、そうですかね」
「ね!」
「はぁ」
真夜も分かってくれた。
よしよし。
「じゃー、真昼も呼ぶかぁ!」
「行くんですね、やっぱ」
「うん!」
真夜が真昼に連絡してくれた。
真夜と真昼は以前に比べて格段に強くなった。
私と双子で結構鍛えている。
もう二人とも第二階梯を自在に扱える中級ソルジャーの実力であり、今ももっと強くなろうと頑張ってる!
流石私の親友とその妹だぁ!
真昼に連絡し、池袋の北口で待ち合わせることにした。
あそこは一時カラーギャングが一杯いたけど、一時廃れて今また悪人が勢いを増している。
いい狩場だぁ!
真昼はちゃんと制服を着替えてから来ていた。
双子に貰ったカシミアのアニヘショのセーターに黒いデニムで、足はヴィトンのショートブーツ。
アニヘショはウサギとタランチュラだ。
私は白のタートルネックに赤のライダースジャケット、下は革のパンツで足はタカさんが一杯持ってるベルルッティのスカー。
真夜は白のブラウスにシャネルのピンクの革ジャケット、下は白の綿のパンツで足はコンバースのオールスター。
真夜はスタイルがいいし、服のセンスもいいな!
だから私も服を買う時には真夜にいつも付き合って貰って、アドバイスしてくれている。
真昼も真夜の妹だけあって、いい趣味だ。
姉の服装を見て、自然に感性が育つのだろう。
私がタカさんの服装に影響されているのと同じだ。
タカさん、バンザイ!
「夕飯の用意までに帰んないとね」
「はぁ、もう帰りません?」
「なーに、真夜? お腹空いてるの?」
「いえ、そういうわけじゃなく」
「まあ、じゃあ軽くなんかつまみに行こうか! そういえば私もちょっと何か口に入れたいな」
私はいつでも食事が入るぜ!
池袋には美味しいお店が一杯あるし。
「まあ、いいですけど。ところで今日の夕飯はなんです?」
「うん、鳥の香草焼き! タカさんが大好きだからね!」
「ああ、いいですね! 私も前に石神さんが作ってくれたのをいただきました!」
「美味しかったでしょ!」
「最高ですよ! あんなに美味しいものは滅多に!」
「私も頂きました! あれ、大好きですよ!」
「だよね! タカさんに作り方は教わってるから……」
私たちが話していると、5人組に囲まれた。
みんな痩せた体形で噛み応えは無さそうだ。
でも、悪人に区別はないぜ!
一人の長身の借り上げ金髪が近付いて話し掛けてきた。
顔がこれでもかって安っぽい。
「ねぇねぇ、タカさんって誰?」
「あ?」
「何か食べに行くの? じゃあ、俺らが案内するよ」
「なんだ、てめぇら?」
私たちの会話を聞いていたようだ。
ロックオンかぁ!
「いいじゃん! ほら、俺らのマンション、近いからさ、そこで御馳走するよ」
「フランクフルトとか」
「「「「「ギャハハハハハハハ!」」」」」
悪人来たぁ!
しかもいい感じのゲスだぁ!
「本当に近いの?」
「ああ、すぐそこ。俺らで金出し合って借りてんだ」
人通りのあるとこは、思い切りできないしなー。
丁度いいのかなー。
「そうなんだ、じゃあ行こうか」
「ほんとかよ!」
「フランクフルト一杯あっから!」
「「「「「ギャハハハハハハハ!」」」」」
「ウフフフフフ」
真夜を見ると、呆れた顔をしながらも、口元が笑ってた。
やっぱ悪人はいいよね!
「それ、アニヘショだろ? いいね!」
「ありがとうございます」
年端の行かない真昼にまで声を掛けて来る。
もう相当なゲスだ。
真昼も口元が緩んでいる。
ルーとハーに気に入られている人間だ。
悪人をぶっ飛ばすのが楽しいに決まってる。
さー、今日はどこまでやっかなぁー!
殺しはしないけど、手足は折るかなぁー!
あ、なんか小瓶を出して後ろで笑ってる。
ヤバいやつかぁ。
小声で私たちが相当な美人だって話し合ってる。
いいぜぇ、とっくり味わわせてやるぜぇ。
真夜と真昼と肩を組んだ。
「楽しみだね!」
「「はい!」」
男たちが笑った。
その顔が歪むのが楽しみだぁ!
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