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天丸の再起 Ⅵ
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トラが「タイガーファング」に乗って来た。
山頂の鍛錬場に着陸する。
「当主の高虎! 来ましたぁ!」
トラに続いて「タイガーファング」から、30人の男たちが降りて来る。
トラから聞いている、九州の我當会の連中だろう。
全員面魂がいい。
流石はトラが引っ張って来た奴らだ。
「トラ!」
「おお、聖!」
トラが明るく笑っていた。
「天丸! なんだ、随分と痩せたな!」
「トラ!」
「おう、でも元気そうだな」
「ああ」
天丸が泣いていた。
するとトラが俺がやったと同じように、天丸を抱き締めた。
「天丸、辛かったな」
「!」
「もう大丈夫だ。大丈夫だぞ」
「トラ!」
天丸が絶叫してトラに抱き着いた。
でかい天丸が、まるで子どものように見えた。
トラは「大丈夫」と言った。
それは自分が絶対に何とかするということだ。
言葉にせずとも、トラがそう決意していることが分かる。
天丸にもそれが伝わったのだ。
何をどうすれば良いのか分からずに苦しんでいた天丸が、トラの約束を感じた。
トラが言えば絶対だ。
俺たちはそれを知っている。
虎白さんが来た。
「おう、そいつらか」
「はい、お願いします」
「使いもんになんのか?」
「「虎相」での威圧に耐えた連中です」
「ほう、そりゃ面白いな」
「まあ、ヤクザですから。潰しても構いません」
「ワハハハハハハハ!」
30人の男たちが顔を見合わせている。
ああ、トラの奴、なんの説明もしねぇで連れて来たか。
男たちはコンバットスーツを着ていたが、若い剣士たちにどこかへ連れて行かれた。
「高虎、いつまでいられる?」
「三日ほど。虎白さん、天丸のこと、ありがとうございました」
「いいよ、何もしてねぇし。あいつは見どころがあるからな。それに聖が上手くやったんだ」
「いいえ、虎白さんが根元で支えてくれたんでしょう? 分かりますよ」
「いや、なんでもねぇ」
虎白さんが視線を逸らし、トラに早く来いと言った。
もう1時間で鍛錬は終わる。
そういう時間にあいつは来た。
トラが俺の脇に来て「もうすぐ終わりだな!」とニコニコして言った。
その夜は虎蘭と虎水が俺たちの家に来て、一緒に夕飯を食べた。
虎白さんも誘ったのだが、遠慮された。
トラが食材を持って来ていて、トラ自身が料理してくれた。
虎蘭が手伝おうとし、虎水が止めてくれた。
キッチンが大きくないので、米と味噌汁は虎蘭たちの家から持って来て貰う。
虎水の料理と聞いて安心した。
トラが真鯛のポワレと牛カツを作った。
みんなが美味いと喜んで食べた。
本当に美味い。
牛カツは衣に香辛料が混ぜてあり、香ばしく唸るような美味さだった。
10枚もトラが揚げたが、たちまち全部なくなった。
「虎蘭、もっと喰えよ」
「はい!」
トラと虎蘭のことは俺も聞いている。
虎蘭はトラに声を掛けられると、本当に嬉しそうな顔をする。
まあ、俺も恋愛には疎いが、こいつは俺以上だ。
トラに甘えることもなく、ずっとトラを見ているだけだ。
俺なんかでも、可愛らしい奴だと思う。
トラも虎蘭を見詰める目が優しい。
トラには「愛」の形は無い。
愛する者を、全力で愛するだけだ。
虎蘭のもどかしさも、だから全然関係ない。
トラに愛されている、それだけのことだ。
酒の用意をし、トラがまたつまみを作った。
マグロの刺身。
ナスの片栗粉揚げ(雪野ナス)。
巾着タマゴ。
山芋とベーコンの衣揚げ。
新生姜の漬物(既製品)。
トラが菊理媛の大吟醸を持って来たので、みんなで飲む。
トラが、九州の我當会が傘下に入った話をした。
我當会が外道会と揉めたことが切っ掛けになったらしい。
「「ボルーチ・バロータ」が出張ったんでよ、我當会が俺に泣きついて来た」
「そうか」
「ボルーチ・バロータ」や我當会のことを俺以外は知らなかったので、トラが説明する。
「俺が最初に本拠地を襲ったんだ。「ボルーチ・バロータ」の人間がいたんで連れて行こうとしたら、細菌兵器を使おうとした」
「おい、《ニルヴァーナ》か!」
俺が慌てた。
「業」の決戦兵器のはずだ。
あれを使うということは、世界はいよいよ大混乱になる。
しかしトラが笑って言った。
「いや、恐らく別物だよ。強力なものだったろうけどな、多分俺たちのミスリードを図ったんだろう」
「どういうことだ?」
「《ニルヴァーナ》を使う時には、必ず各国の大都市での一斉攻撃になる。それも「虎」の軍に大打撃を与える形でな」
「なるほど。一挙に俺たちの戦力を削いで、同時に手が負えないほどの感染拡大を狙っているってことか」
「そうだ。だからあそこで使われたのは強力な細菌兵器だろうが、そのワクチン開発に俺たちが追われるようにしたかったんだろうな」
「お前を感染させてだな」
「そういうこった」
相変わらず胸糞の悪い、しかし実に効果的な作戦を展開しやがる。
咄嗟に気付いたトラは流石だ。
「九州の外道会の拠点は潰した。「霊素観測レーダー」を乗せた《ウラール》を飛ばして、撃ち漏らした連中も全部潰した。これから本格的に「霊素観測レーダー」を全国に設置するからな。日本以外でもどんどん拠点を作って行くつもりだ」
「じゃあ、これからはドンパチは少なくなるのか?」
「いや、むしろ逆だ。俺たちも黙って《ニルヴァーナ》が使われるのを待ってるつもりはねぇ。生産拠点となるだろう《ハイヴ》の攻略を今まで以上に進めるし、他の拠点もな」
「そうか!」
俺は嬉しくなった。
まだまだトラの役に立てそうだ。
「それにな、妖魔との戦いも多分もっときついものになっていく」
「そうなのか?」
「ああ。先日、ネパールのダウラギリ山で羽入たちが《ハイヴ》攻略をしたんだ。そこで《ハイヴ》内で「ゲート」を開かれて、羽入たちが妖魔に埋もれそうになった」
「なんだと!」
トラはダウラギリ山の《ハイヴ》の構造を話してくれた。
ほぼ水平方向へ伸びるもので、妖魔の反応がほとんど無かったということだった。
その特殊性から、人間が何かの活動をしているのではないかとトラは考えた。
だから破壊ではなく潜入作戦を実施した。
要は、《ニルヴァーナ》の生産拠点の可能性だ。
「完全に誘い込む罠だったぜ。膨大な数の妖魔にトンネルは埋まり、羽入と紅、ハオユーとズハンを救出する術はなかった」
「みんな死んだのか?」
「いや、それがな……」
トラが信じられない結末を語った。
正体不明の何者かが、ダウラギリ山の《ハイヴ》に沿って山を切断したと。
「「ゲート」は俺たちにも破壊出来ないんだ。異空間だからな。それを一瞬で破壊した。おまけに最深部にいた強い奴もなぁ」
「「魔法陣」でぶっ放したらどうなんだ?」
「まあ、最大出力でやればな。でもどこで空間の裂け目が出来るのかは俺たちにも制御出来ない。最悪の場合はぶっ放したエネルギーが「ゲート」に跳ね返って自滅するかもしれん」
聴いていた俺たちも寒気がした。
狭い空間で高威力の技を放てば、そういうこともあるだろう。
虎蘭が聞いた。
「羽入さんたちは、どのように凌いでいたんですか?」
「羽入が流星剣で。他の三人は「オロチブレイカー」で何とかな」
「羽入さんが流星剣を使えば、密集した妖魔を……」
トラが笑って手を振った。
「狭いトンネルだった。それに絶妙に湾曲していたからな。強い技を撃てば自分たちが崩落で埋まる。だからだな」
「ああ、なるほど。すいませんでした」
「謝ることじゃねぇ。虎蘭ならば脱出できたかもしれねぇしな」
「そんな……」
羽入の剣技はまだまだ未熟だ。
「流星剣」であったからこそ、何とか凌いだのだろう。
剣聖の虎蘭であれば、また違ったかもしれない。
俺が聞いた。
「上方を吹っ飛ばすのはどうだ?」
「まあな。でも、周囲が「ゲート」で囲まれていたようだ。紅がそれを察知して、その作戦も断念した」
莫大なエネルギーが「ゲート」に遮られ、自分たちが無事では済まないということだろう。
敵もよく考えている作戦だ。
虎蘭がジッと考え込んでいた。
自分ならばどうするかだ。
そして、言葉にはしなかったが、小さくうなずくのが見えた。
何か考え着いたのだろう。
「それで、何者かが「ゲート」ごとぶった斬ったのか」
「そういうことだ。俺にも誰がどうやったのかは分からん。俺たちが知っているエネルギーの概念じゃねぇ」
「どういうことだ?」
「少なくとも、時空間をそのまま斬る、まあ変更するって感じか。「魔法陣」で時空の裂け目が出来るが、あれを自在に操る方法って言うかな。想像も出来ないよ」
「そうか」
まるで分からん。
「それにな、「霊素観測レーダー」が終始見張ってたんだが、そいつの存在を一切感知出来なかったんだ。その攻撃そのものもな」
「なんだと?」
「そういうことなんだよ。だからさっぱり分からねぇ。まあ、「業」の側も同じだろうからザマァって感じだけどなぁ」
「ほう」
トラが笑っているから、まあそれでいい。
俺たちの敵ではないようだし、取り敢えず放置ってことか。
そしてトラは、自分が来た本当の理由を語った。
トラはやっぱり最高の奴だった。
山頂の鍛錬場に着陸する。
「当主の高虎! 来ましたぁ!」
トラに続いて「タイガーファング」から、30人の男たちが降りて来る。
トラから聞いている、九州の我當会の連中だろう。
全員面魂がいい。
流石はトラが引っ張って来た奴らだ。
「トラ!」
「おお、聖!」
トラが明るく笑っていた。
「天丸! なんだ、随分と痩せたな!」
「トラ!」
「おう、でも元気そうだな」
「ああ」
天丸が泣いていた。
するとトラが俺がやったと同じように、天丸を抱き締めた。
「天丸、辛かったな」
「!」
「もう大丈夫だ。大丈夫だぞ」
「トラ!」
天丸が絶叫してトラに抱き着いた。
でかい天丸が、まるで子どものように見えた。
トラは「大丈夫」と言った。
それは自分が絶対に何とかするということだ。
言葉にせずとも、トラがそう決意していることが分かる。
天丸にもそれが伝わったのだ。
何をどうすれば良いのか分からずに苦しんでいた天丸が、トラの約束を感じた。
トラが言えば絶対だ。
俺たちはそれを知っている。
虎白さんが来た。
「おう、そいつらか」
「はい、お願いします」
「使いもんになんのか?」
「「虎相」での威圧に耐えた連中です」
「ほう、そりゃ面白いな」
「まあ、ヤクザですから。潰しても構いません」
「ワハハハハハハハ!」
30人の男たちが顔を見合わせている。
ああ、トラの奴、なんの説明もしねぇで連れて来たか。
男たちはコンバットスーツを着ていたが、若い剣士たちにどこかへ連れて行かれた。
「高虎、いつまでいられる?」
「三日ほど。虎白さん、天丸のこと、ありがとうございました」
「いいよ、何もしてねぇし。あいつは見どころがあるからな。それに聖が上手くやったんだ」
「いいえ、虎白さんが根元で支えてくれたんでしょう? 分かりますよ」
「いや、なんでもねぇ」
虎白さんが視線を逸らし、トラに早く来いと言った。
もう1時間で鍛錬は終わる。
そういう時間にあいつは来た。
トラが俺の脇に来て「もうすぐ終わりだな!」とニコニコして言った。
その夜は虎蘭と虎水が俺たちの家に来て、一緒に夕飯を食べた。
虎白さんも誘ったのだが、遠慮された。
トラが食材を持って来ていて、トラ自身が料理してくれた。
虎蘭が手伝おうとし、虎水が止めてくれた。
キッチンが大きくないので、米と味噌汁は虎蘭たちの家から持って来て貰う。
虎水の料理と聞いて安心した。
トラが真鯛のポワレと牛カツを作った。
みんなが美味いと喜んで食べた。
本当に美味い。
牛カツは衣に香辛料が混ぜてあり、香ばしく唸るような美味さだった。
10枚もトラが揚げたが、たちまち全部なくなった。
「虎蘭、もっと喰えよ」
「はい!」
トラと虎蘭のことは俺も聞いている。
虎蘭はトラに声を掛けられると、本当に嬉しそうな顔をする。
まあ、俺も恋愛には疎いが、こいつは俺以上だ。
トラに甘えることもなく、ずっとトラを見ているだけだ。
俺なんかでも、可愛らしい奴だと思う。
トラも虎蘭を見詰める目が優しい。
トラには「愛」の形は無い。
愛する者を、全力で愛するだけだ。
虎蘭のもどかしさも、だから全然関係ない。
トラに愛されている、それだけのことだ。
酒の用意をし、トラがまたつまみを作った。
マグロの刺身。
ナスの片栗粉揚げ(雪野ナス)。
巾着タマゴ。
山芋とベーコンの衣揚げ。
新生姜の漬物(既製品)。
トラが菊理媛の大吟醸を持って来たので、みんなで飲む。
トラが、九州の我當会が傘下に入った話をした。
我當会が外道会と揉めたことが切っ掛けになったらしい。
「「ボルーチ・バロータ」が出張ったんでよ、我當会が俺に泣きついて来た」
「そうか」
「ボルーチ・バロータ」や我當会のことを俺以外は知らなかったので、トラが説明する。
「俺が最初に本拠地を襲ったんだ。「ボルーチ・バロータ」の人間がいたんで連れて行こうとしたら、細菌兵器を使おうとした」
「おい、《ニルヴァーナ》か!」
俺が慌てた。
「業」の決戦兵器のはずだ。
あれを使うということは、世界はいよいよ大混乱になる。
しかしトラが笑って言った。
「いや、恐らく別物だよ。強力なものだったろうけどな、多分俺たちのミスリードを図ったんだろう」
「どういうことだ?」
「《ニルヴァーナ》を使う時には、必ず各国の大都市での一斉攻撃になる。それも「虎」の軍に大打撃を与える形でな」
「なるほど。一挙に俺たちの戦力を削いで、同時に手が負えないほどの感染拡大を狙っているってことか」
「そうだ。だからあそこで使われたのは強力な細菌兵器だろうが、そのワクチン開発に俺たちが追われるようにしたかったんだろうな」
「お前を感染させてだな」
「そういうこった」
相変わらず胸糞の悪い、しかし実に効果的な作戦を展開しやがる。
咄嗟に気付いたトラは流石だ。
「九州の外道会の拠点は潰した。「霊素観測レーダー」を乗せた《ウラール》を飛ばして、撃ち漏らした連中も全部潰した。これから本格的に「霊素観測レーダー」を全国に設置するからな。日本以外でもどんどん拠点を作って行くつもりだ」
「じゃあ、これからはドンパチは少なくなるのか?」
「いや、むしろ逆だ。俺たちも黙って《ニルヴァーナ》が使われるのを待ってるつもりはねぇ。生産拠点となるだろう《ハイヴ》の攻略を今まで以上に進めるし、他の拠点もな」
「そうか!」
俺は嬉しくなった。
まだまだトラの役に立てそうだ。
「それにな、妖魔との戦いも多分もっときついものになっていく」
「そうなのか?」
「ああ。先日、ネパールのダウラギリ山で羽入たちが《ハイヴ》攻略をしたんだ。そこで《ハイヴ》内で「ゲート」を開かれて、羽入たちが妖魔に埋もれそうになった」
「なんだと!」
トラはダウラギリ山の《ハイヴ》の構造を話してくれた。
ほぼ水平方向へ伸びるもので、妖魔の反応がほとんど無かったということだった。
その特殊性から、人間が何かの活動をしているのではないかとトラは考えた。
だから破壊ではなく潜入作戦を実施した。
要は、《ニルヴァーナ》の生産拠点の可能性だ。
「完全に誘い込む罠だったぜ。膨大な数の妖魔にトンネルは埋まり、羽入と紅、ハオユーとズハンを救出する術はなかった」
「みんな死んだのか?」
「いや、それがな……」
トラが信じられない結末を語った。
正体不明の何者かが、ダウラギリ山の《ハイヴ》に沿って山を切断したと。
「「ゲート」は俺たちにも破壊出来ないんだ。異空間だからな。それを一瞬で破壊した。おまけに最深部にいた強い奴もなぁ」
「「魔法陣」でぶっ放したらどうなんだ?」
「まあ、最大出力でやればな。でもどこで空間の裂け目が出来るのかは俺たちにも制御出来ない。最悪の場合はぶっ放したエネルギーが「ゲート」に跳ね返って自滅するかもしれん」
聴いていた俺たちも寒気がした。
狭い空間で高威力の技を放てば、そういうこともあるだろう。
虎蘭が聞いた。
「羽入さんたちは、どのように凌いでいたんですか?」
「羽入が流星剣で。他の三人は「オロチブレイカー」で何とかな」
「羽入さんが流星剣を使えば、密集した妖魔を……」
トラが笑って手を振った。
「狭いトンネルだった。それに絶妙に湾曲していたからな。強い技を撃てば自分たちが崩落で埋まる。だからだな」
「ああ、なるほど。すいませんでした」
「謝ることじゃねぇ。虎蘭ならば脱出できたかもしれねぇしな」
「そんな……」
羽入の剣技はまだまだ未熟だ。
「流星剣」であったからこそ、何とか凌いだのだろう。
剣聖の虎蘭であれば、また違ったかもしれない。
俺が聞いた。
「上方を吹っ飛ばすのはどうだ?」
「まあな。でも、周囲が「ゲート」で囲まれていたようだ。紅がそれを察知して、その作戦も断念した」
莫大なエネルギーが「ゲート」に遮られ、自分たちが無事では済まないということだろう。
敵もよく考えている作戦だ。
虎蘭がジッと考え込んでいた。
自分ならばどうするかだ。
そして、言葉にはしなかったが、小さくうなずくのが見えた。
何か考え着いたのだろう。
「それで、何者かが「ゲート」ごとぶった斬ったのか」
「そういうことだ。俺にも誰がどうやったのかは分からん。俺たちが知っているエネルギーの概念じゃねぇ」
「どういうことだ?」
「少なくとも、時空間をそのまま斬る、まあ変更するって感じか。「魔法陣」で時空の裂け目が出来るが、あれを自在に操る方法って言うかな。想像も出来ないよ」
「そうか」
まるで分からん。
「それにな、「霊素観測レーダー」が終始見張ってたんだが、そいつの存在を一切感知出来なかったんだ。その攻撃そのものもな」
「なんだと?」
「そういうことなんだよ。だからさっぱり分からねぇ。まあ、「業」の側も同じだろうからザマァって感じだけどなぁ」
「ほう」
トラが笑っているから、まあそれでいい。
俺たちの敵ではないようだし、取り敢えず放置ってことか。
そしてトラは、自分が来た本当の理由を語った。
トラはやっぱり最高の奴だった。
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