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愛の旅路 Ⅳ
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ロックハート響子のオペを成功させた。
誰もが諦め手を出せない病状。
それを俺が引き受けた。
院長からは何度も止められたが、俺は医者として見放すことは出来なかった。
失敗すれば俺の医者としての将来を潰されてもおかしくない、アメリカの大財閥の娘だった。
そして、ほぼ成功する可能性は無かった。
しかし、80時間を超える長時間のオペの末、響子は一命を取り留めた。
奇跡だった。
俺と保奈美が最後まで立ち、倒れかけた俺を保奈美が支えて二人で泣いた。
ロックハート家からはとんでもない感謝をされ、日本中が俺たちのオペを報道した。
俺と保奈美が数日倒れて眠っている間の出来事だった。
一江が大量の新聞や雑誌を抱えて俺たちに見せた。
報道も録画され、それも見せられた。
保奈美が浮かれて大変だった。
病院に出勤すると、大変な騒ぎになっていた。
「トラ、大騒ぎじゃない!」
「まいってんだよなー」
「アハハハハハハ! 今度アメリカのテレビ局も来るんでしょ?」
「らしいよ。CNNだってさ。俺は別に仕事をやっただけなんだけどなぁ」
「私、録画するね!」
「おい、放映はアメリカだぞ」
「じゃあ、アメリカ行って来る」
「何言ってんだよ。ああ、聖に頼むかー」
「あの人、大丈夫?」
「無理かー。あ、ジャンニーニに頼もう!」
「え、マフィアだって人!」
「ああ、あいつなら大丈夫だ!」
「じゃあ、宜しく!」
世界最大の財閥の一つ、ロックハート家との縁が出来た。
響子は俺に懐き、俺も毎日響子と話すようになった。
昼に俺の部屋に来て、俺の膝に乗るようになり、みんなからからかわれた。
保奈美が爆笑していた。
響子に専任のナースがついた。
「トラ、今度響子ちゃんの専属になった一色さんて、元暴走族なんだって?」
「ああ、結構でかいチームだったようだぞ。その名前がよ、「紅六花」って言うんだってよ」
「カッコイイじゃん!」
「そうだよな。チームのみんなが六花のことが大好きでさ。それでチームの名前になったらしい」
「へぇー! スゴイね!」
「あいつ、ものすげぇ美人じゃん。ロシア人とのハーフらしいよ」
「トラも惚れた!」
「バカ! 俺は保奈美だけだよ。でもさ、あいつあんなに美人なのに、自分じゃ「私はバタ臭い顔なので」なんて言うんだよ。あんだけ完璧だと、そう感じるのかなー」
「知らないよ!」
俺が六花が美しいと言ったので、ちょっとむくれていた。
「保奈美はどうなんだよ?」
「あたし?」
「お前も相当な美人じゃん」
「トラァー!」
「おい!」
保奈美が俺に抱き着いた。
毎日が楽しかった。
素晴らしい友人、上司、部下。
ようやく俺も真っ当な休みが取れるようになり、保奈美と旅行にも出かけられるようになった。
御堂の実家はもちろん。
ニューヨークの聖にさえ会いに行けた。
あいつは俺の勧めで立ち上げた「セイントPMC」を大きく成長させ、傭兵業界で屈指の組織にしていった。
ニューヨークではロックハート家にも一泊し、城のような広大な屋敷で大げさな歓待を受けた。
俺も保奈美も唖然としていた。
奈津江のお兄さんの顕さんとも再会し、俺は顕さんに自分の家の設計を頼んだ。
井上さんの工務店が最近不調と聞いて、すぐに俺の新宅の建設を頼んだ。
井上さんが喜んでくれ、その上顕さんの会社にも真面目な仕事ぶりを認められ、傾いた会社が大いに盛り返した。
中野区に広大な敷地の家が建ち、保奈美と一緒に住んだ。
最初は大き過ぎると保奈美が文句を言ったが、いろんな人間が遊びに来てくれ、俺たちは毎日楽しかった。
長野に別荘まで建てて、長い休みが取れると保奈美と一緒に出掛けてのんびりとした。
屋上にガラスの通路を作り、保奈美が大感激してくれた。
夜は二人でそこで酒を飲んだ。
深夜まで楽しく語り合った。
ある晩、
俺が家に帰ると、保奈美が食事の後で俺に言った。
「あのね、トラ。私、子どもが出来たの」
「ほんとかよ!」
俺は思わず保奈美を抱き上げて、部屋中を回った。
「ちょっと、トラ! もうちょっと優しくして」
「あ、ああ! 悪い!」
慌てて保奈美をそっと椅子に座らせた。
「おい、本当にやっとだなぁ!」
「うん! 私も嬉しい!」
「保奈美、今日はもう寝ろよ」
「バカ! 病気じゃないんだよ!」
「あ、悪い!」
二人で笑った。
保奈美は臨月まで仕事をし、病院を退職した。
多くの人間が惜しんでくれた。
保奈美が出産した。
輝くような美しい女の子だった。
「おい、やけに綺麗だな!」
保奈美が微笑んだ。
「名前はどうしようか?」
「うん、決まってるの」
「なんだ? そうなのか?」
「うん。トラの名前を一つ入れて、《美虎(ミトラ)》」
「おお! 綺麗な名前じゃんか! 保奈美の「美」も入ってるしな!」
保奈美が俺を見詰めていた。
瞳を潤ませ、俺を真剣に見詰めていた。
「トラ、ありがとう」
「おう! これからもお前のために一生懸命生きるぞ!」
「本当にありがとう。この20年間、私は幸せだった」
「俺もだよ! 最高の人生だった!」
保奈美がずっと見詰めていた。
「トラ、これでお別れだね」
「え?」
その時、俺の中で何かが爆発した。
あまりにも膨大な記憶が拡がり、俺は混乱した。
俺のその様子を知ってか、保奈美が俺に言った。
「諸見さんと綾さんがね、私を護ろうとして死んだの」
「あいつらが!」
「うん」
保奈美が諸見と綾の最期を教えてくれた。
もう俺の混乱も鎮まり、全てがなだらかに拡がって続いた。
「あの二人のお陰で、みんなが助かったの。パムッカレの基地も護られた」
「そうだったか……」
「御立派な最期だった。トラ、あなたは素晴らしい人たちに囲まれているのね」
「ああ、いつもそう思っているよ」
保奈美が微笑んだ。
「諸見さんと綾さんは、すぐに光の大天使様に連れて行かれたよ」
「そうか」
「私も光の大天使様のお陰で、こうしてトラとの長い旅を続けられた」
「そうだったか」
鎮まっていた心が、再び爆発しそうになった。
でも、保奈美の前でみっともない真似は出来ないと必死に耐えた。
保奈美も俺と同じように感じた。
満足していると装いながら、何かがあるのだ。
その気持ちに踏ん切りをつけるように保奈美が叫んだ。
「トラ、幸せだった! 最高に幸せだった!」
「保奈美……」
「もうこれでいい。大満足だよ。トラと一緒にこんなに長い時間を過ごせた。《美虎》も生むことが出来た」
「保奈美……」
保奈美が微笑みながら涙を流していた。
でも、悲しそうな雰囲気は全く無かった。
「トラ、私はこれで完璧。これ以上のものはないわ。本当に素晴らしいものをいただいた」
「……」
「光の大天使様のお陰。これからは御一緒にトラのことを見てるね」
「おい……」
「《美虎》はあなたの大切なものを必ず護るから。トラと私の子なんだから、もう絶対よ!」
「保奈美……でもさ……」
俺はまた爆発しそうなほど多くのものが入り込んで、どうにかなりそうだった。
理解は終わっているが、膨大な感情が溢れ渦巻いている。
保奈美の言っていることは分かっているが、俺の嵐がまだ収まっていない。
俺の目からも涙が溢れ出して来る。
「保奈美……お前、本当に満足か?」
「うん、最高だって! もう何もいらない。全部もらったから」
「そっか」
「旅はここまで。トラ、本当にありがとう! トラ、最高に愛してる!」
「俺もだぁ! 保奈美を最高に愛している!」
保奈美の身体が輝いた。
抱き上げた《美虎》と共に、光の粒が拡がって行く。
俺はもう一度保奈美と《美虎》を抱き締めた。
「トラ、ありがとう」
「俺の方こそだ。ありがとう、保奈美!」
保奈美と《美虎》が消えて行った。
俺はまた、前に観た星の見える空間にいた。
背中を抱き締めてくれる女がいた。
「ありがとうな」
「うん」
「《ミトラ》って、そういうことだったのか」
「うん。高虎と保奈美さんの最高の愛が生んだ奇跡なの」
「そうなのか」
俺は一層強く抱きしめられた。
「おい、お前との時間も過ごせるんだろうな?」
「当たり前じゃん! 覚悟しなさいよー!」
「アハハハハハハ!」
俺は笑いながら泣いた。
旅は終わった。
終わってしまった……
誰もが諦め手を出せない病状。
それを俺が引き受けた。
院長からは何度も止められたが、俺は医者として見放すことは出来なかった。
失敗すれば俺の医者としての将来を潰されてもおかしくない、アメリカの大財閥の娘だった。
そして、ほぼ成功する可能性は無かった。
しかし、80時間を超える長時間のオペの末、響子は一命を取り留めた。
奇跡だった。
俺と保奈美が最後まで立ち、倒れかけた俺を保奈美が支えて二人で泣いた。
ロックハート家からはとんでもない感謝をされ、日本中が俺たちのオペを報道した。
俺と保奈美が数日倒れて眠っている間の出来事だった。
一江が大量の新聞や雑誌を抱えて俺たちに見せた。
報道も録画され、それも見せられた。
保奈美が浮かれて大変だった。
病院に出勤すると、大変な騒ぎになっていた。
「トラ、大騒ぎじゃない!」
「まいってんだよなー」
「アハハハハハハ! 今度アメリカのテレビ局も来るんでしょ?」
「らしいよ。CNNだってさ。俺は別に仕事をやっただけなんだけどなぁ」
「私、録画するね!」
「おい、放映はアメリカだぞ」
「じゃあ、アメリカ行って来る」
「何言ってんだよ。ああ、聖に頼むかー」
「あの人、大丈夫?」
「無理かー。あ、ジャンニーニに頼もう!」
「え、マフィアだって人!」
「ああ、あいつなら大丈夫だ!」
「じゃあ、宜しく!」
世界最大の財閥の一つ、ロックハート家との縁が出来た。
響子は俺に懐き、俺も毎日響子と話すようになった。
昼に俺の部屋に来て、俺の膝に乗るようになり、みんなからからかわれた。
保奈美が爆笑していた。
響子に専任のナースがついた。
「トラ、今度響子ちゃんの専属になった一色さんて、元暴走族なんだって?」
「ああ、結構でかいチームだったようだぞ。その名前がよ、「紅六花」って言うんだってよ」
「カッコイイじゃん!」
「そうだよな。チームのみんなが六花のことが大好きでさ。それでチームの名前になったらしい」
「へぇー! スゴイね!」
「あいつ、ものすげぇ美人じゃん。ロシア人とのハーフらしいよ」
「トラも惚れた!」
「バカ! 俺は保奈美だけだよ。でもさ、あいつあんなに美人なのに、自分じゃ「私はバタ臭い顔なので」なんて言うんだよ。あんだけ完璧だと、そう感じるのかなー」
「知らないよ!」
俺が六花が美しいと言ったので、ちょっとむくれていた。
「保奈美はどうなんだよ?」
「あたし?」
「お前も相当な美人じゃん」
「トラァー!」
「おい!」
保奈美が俺に抱き着いた。
毎日が楽しかった。
素晴らしい友人、上司、部下。
ようやく俺も真っ当な休みが取れるようになり、保奈美と旅行にも出かけられるようになった。
御堂の実家はもちろん。
ニューヨークの聖にさえ会いに行けた。
あいつは俺の勧めで立ち上げた「セイントPMC」を大きく成長させ、傭兵業界で屈指の組織にしていった。
ニューヨークではロックハート家にも一泊し、城のような広大な屋敷で大げさな歓待を受けた。
俺も保奈美も唖然としていた。
奈津江のお兄さんの顕さんとも再会し、俺は顕さんに自分の家の設計を頼んだ。
井上さんの工務店が最近不調と聞いて、すぐに俺の新宅の建設を頼んだ。
井上さんが喜んでくれ、その上顕さんの会社にも真面目な仕事ぶりを認められ、傾いた会社が大いに盛り返した。
中野区に広大な敷地の家が建ち、保奈美と一緒に住んだ。
最初は大き過ぎると保奈美が文句を言ったが、いろんな人間が遊びに来てくれ、俺たちは毎日楽しかった。
長野に別荘まで建てて、長い休みが取れると保奈美と一緒に出掛けてのんびりとした。
屋上にガラスの通路を作り、保奈美が大感激してくれた。
夜は二人でそこで酒を飲んだ。
深夜まで楽しく語り合った。
ある晩、
俺が家に帰ると、保奈美が食事の後で俺に言った。
「あのね、トラ。私、子どもが出来たの」
「ほんとかよ!」
俺は思わず保奈美を抱き上げて、部屋中を回った。
「ちょっと、トラ! もうちょっと優しくして」
「あ、ああ! 悪い!」
慌てて保奈美をそっと椅子に座らせた。
「おい、本当にやっとだなぁ!」
「うん! 私も嬉しい!」
「保奈美、今日はもう寝ろよ」
「バカ! 病気じゃないんだよ!」
「あ、悪い!」
二人で笑った。
保奈美は臨月まで仕事をし、病院を退職した。
多くの人間が惜しんでくれた。
保奈美が出産した。
輝くような美しい女の子だった。
「おい、やけに綺麗だな!」
保奈美が微笑んだ。
「名前はどうしようか?」
「うん、決まってるの」
「なんだ? そうなのか?」
「うん。トラの名前を一つ入れて、《美虎(ミトラ)》」
「おお! 綺麗な名前じゃんか! 保奈美の「美」も入ってるしな!」
保奈美が俺を見詰めていた。
瞳を潤ませ、俺を真剣に見詰めていた。
「トラ、ありがとう」
「おう! これからもお前のために一生懸命生きるぞ!」
「本当にありがとう。この20年間、私は幸せだった」
「俺もだよ! 最高の人生だった!」
保奈美がずっと見詰めていた。
「トラ、これでお別れだね」
「え?」
その時、俺の中で何かが爆発した。
あまりにも膨大な記憶が拡がり、俺は混乱した。
俺のその様子を知ってか、保奈美が俺に言った。
「諸見さんと綾さんがね、私を護ろうとして死んだの」
「あいつらが!」
「うん」
保奈美が諸見と綾の最期を教えてくれた。
もう俺の混乱も鎮まり、全てがなだらかに拡がって続いた。
「あの二人のお陰で、みんなが助かったの。パムッカレの基地も護られた」
「そうだったか……」
「御立派な最期だった。トラ、あなたは素晴らしい人たちに囲まれているのね」
「ああ、いつもそう思っているよ」
保奈美が微笑んだ。
「諸見さんと綾さんは、すぐに光の大天使様に連れて行かれたよ」
「そうか」
「私も光の大天使様のお陰で、こうしてトラとの長い旅を続けられた」
「そうだったか」
鎮まっていた心が、再び爆発しそうになった。
でも、保奈美の前でみっともない真似は出来ないと必死に耐えた。
保奈美も俺と同じように感じた。
満足していると装いながら、何かがあるのだ。
その気持ちに踏ん切りをつけるように保奈美が叫んだ。
「トラ、幸せだった! 最高に幸せだった!」
「保奈美……」
「もうこれでいい。大満足だよ。トラと一緒にこんなに長い時間を過ごせた。《美虎》も生むことが出来た」
「保奈美……」
保奈美が微笑みながら涙を流していた。
でも、悲しそうな雰囲気は全く無かった。
「トラ、私はこれで完璧。これ以上のものはないわ。本当に素晴らしいものをいただいた」
「……」
「光の大天使様のお陰。これからは御一緒にトラのことを見てるね」
「おい……」
「《美虎》はあなたの大切なものを必ず護るから。トラと私の子なんだから、もう絶対よ!」
「保奈美……でもさ……」
俺はまた爆発しそうなほど多くのものが入り込んで、どうにかなりそうだった。
理解は終わっているが、膨大な感情が溢れ渦巻いている。
保奈美の言っていることは分かっているが、俺の嵐がまだ収まっていない。
俺の目からも涙が溢れ出して来る。
「保奈美……お前、本当に満足か?」
「うん、最高だって! もう何もいらない。全部もらったから」
「そっか」
「旅はここまで。トラ、本当にありがとう! トラ、最高に愛してる!」
「俺もだぁ! 保奈美を最高に愛している!」
保奈美の身体が輝いた。
抱き上げた《美虎》と共に、光の粒が拡がって行く。
俺はもう一度保奈美と《美虎》を抱き締めた。
「トラ、ありがとう」
「俺の方こそだ。ありがとう、保奈美!」
保奈美と《美虎》が消えて行った。
俺はまた、前に観た星の見える空間にいた。
背中を抱き締めてくれる女がいた。
「ありがとうな」
「うん」
「《ミトラ》って、そういうことだったのか」
「うん。高虎と保奈美さんの最高の愛が生んだ奇跡なの」
「そうなのか」
俺は一層強く抱きしめられた。
「おい、お前との時間も過ごせるんだろうな?」
「当たり前じゃん! 覚悟しなさいよー!」
「アハハハハハハ!」
俺は笑いながら泣いた。
旅は終わった。
終わってしまった……
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