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皇紀&風花 結婚式 Ⅲ

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 翌日の12月14日。 
 まず、大聖堂でローマ教皇(マジだよ!)が式典を行ない、僕と風花さんの結婚式(だそうです)。
 大聖堂の中に入ると、その豪華絢爛の極みに圧倒された。
 メインの式典ホールの正面は高さ40メートルの巨大なガラスの壁で、鮮やかなステンドグラスがある。
 どうやら巨大な薔薇のようで、色とりどりのガラスで構成され、周囲に天使たち。
 最上の天使は奈津江さんらしい。
 その下にレイと虎のレイ。
 天井の一部もガラス張りで、そこには響子ちゃんが薔薇の中心にいる。
 装飾を施されたベージュ色の大理石の柱には、どうやらクロピョン、百万モメン、シロピョン、オロチとニジンスキーたち、タマさん、タヌ吉さんと野薔薇ちゃん、モハメドさん(おっきいよ)、ワキンとミミクン、ルドンメ、巫炎、などなど。
 アザゼルさんやハスハさんなどは、壁に浮彫で彫られているようだ。
 でも、それらは知っている人間にしか分からない。
 床は白い大理石で、大きなマルタ十字が青の大理石で描かれている。
 後から聞いたら、タカさんがマルタ騎士団(聖ヨハネ騎士団)が大好きだかららしい。
 マルタ騎士団は現在、「虎」の軍に加入してくれている。
 タカさんが直接交渉に行ったそうだ。
 座席は多くは木の長椅子だけど、前の方はクッション付きの白いソファ椅子になっている。
 正面のステンドグラスの前に幅150メートルの壇が設けられており、高さ1メートルほどの淡いブルーの大理石で作られていた。
 両脇には階段状の設えがあり、今日はそこに聖歌隊のみなさんがいらっしゃる(なんで?)。
 全体に白を基調とした美しく清楚な空間だった。
 天使の衣装のルーとハーが僕たちの横で全部話して聞かせてくれた。
 なんで僕たちは何も知らされていないんだろう?
 
 僕と風花さんの衣装は、「ローテスラント」のレジーナ様(こう呼ばないと大変なことになるよー)が用意してくれたものだった。
 「RUH=HER」でも良かったらしいけど、タカさんがレジーナ様の高貴なセンスを欲したらしい。
 着てみて分かったけど、やっぱり格式が違うと感じた。
 僕は最高級の白のシルクを中心に、美しく輝くグリーンの刺繍が全身を品よく覆っている燕尾服のようなもの。
 チョッキはド派手なオレンジの地に金糸の豪奢な刺繍が盛り上がっている。
 上着には幾つか、輝く緑のシルクのカットが入っていて、宝石や金銀も散りばめられている。
 風花さんは純白のレースの豪華なウェディングドレス。
 淡いピンクの刺繍がまた品よく施され、やはり宝石があちこちに付いている。
 風花さんのネックレスやイヤリングなどのアクセサリーもとんでもなく豪勢だ。
 あの、僕たち中卒で、風花さんはお肉屋さん、僕は単なるエンジニアなんですけどー。
 そのタカさんは、先日レジーナさんに貰ったという銀色の甲冑を着ていた。
 僕たち以上に目立っていて、物凄く御機嫌だった。
 なんだろ、アレ?

 二人ともクリスチャンじゃないんだけど、全然お構いなしで何が何だか分からないうちに儀式が始まった。
 僕の入場から聖歌隊(ベルリン少年合唱団や、他の超有名な聖歌隊)の合唱が始まり、風花さんは後から甲冑のタカさんが手を引いて入って来た。
 正面のステージに、階段で上がる。
 参列したのはお姉ちゃんと柳さん、御堂家のみなさん、塩野社長とご家族と風花さんと親しい従業員のみなさん、六花さんと吹雪ちゃん、栞さんと士王君、鷹さん、蓮花さんとジェシカさん、麗星さんと道間家の方々、院長先生夫妻と一江さんやタカさんの部下の方々、ロックハート家のみなさん、「紅六花」の幹部のみなさんと竹流君、早乙女家のみなさん、千万組の皆さん、「絶怒」の人たち、野薔薇ちゃんと宮城俊雄君という少年、タヌ吉さん、タマさん、イリスさん、聖さんと家族の方々と「セイントPMC」の上の人たち、ジャンニーニさん一家、顕さんご家族と柏木さんや高木さんとご近所河合さん、佐野さんご夫婦、橘弥生さんと徳川さん、井上さんや木村さんや「ルート20」の人たち、石神家本家の方々と斬さんもいて、カタ研のみなさんと「人生研究会」幹部たち、エイミーさんたちや青さんたち、緑子さんと旦那さんそして『虎は孤高に』の主演陣、ミユキさんと南さん、その他の大勢の僕たちと親しい人たち。
 中でも群を抜いて威容を放っていたのは、レジーナ様とその眷属の方々!
 タカさんは別格だけど、とにかく僕たち以上に物凄い衣装だった。
 内輪と言っていいのかもしれないけど、凄い数になった。
 マクシミリアンさんは、「虎騎士団」の人たちと、会場の壁側で正装で立っていた。
 ローマ教皇の祝福の儀(なんかスゴイ錫杖を持ってた!)、聖歌隊の合唱(長時間)、本番の式典そのもの、他によく分からない儀式など、計4時間。
 天使の姿になったルーとハーがずっと傍にいて、儀式での動作を指示してくれた。
 本当に疲れた。
 ヘトヘトになっていると、今度は披露宴だとタカさんに言われた。

 「これから3日間やるからな」
 「「!」」
 「まずは音楽イヴェントな。そこからエキシビジョン仕合、ああ、間にいろんな催しもやるしよ!」
 「「……」」
 「人類史上最高の結婚披露宴な!」
 「「……」」





 場所を競技場へ移しての披露宴的な、まったく僕らには分からない催し多数。
 まず、来賓挨拶が大変だった。
 ローマ教皇庁(教皇や枢機卿、マクシミリアンさんとその部隊の幹部たち)、アメリカ(大統領や側近、政府軍部の高官たち)、イギリス(以下、同じだよー!)、イタリア、ベルギー等々のEU各国首相・大統領、フィリピン、トルコ、その他アジア諸国、南アフリカ共和国や中東や中南米各国、総勢80カ国。
 他にも、セイントーラの皆さんはともかく、世界的な歌手やオーケストラなんかはどうなの?
 世界中の著名組織や集団もいる。
 例えば、日本からは自由党の大臣たちと警察幹部たちや自衛隊幹部たちやヤマトテレビの役員たちなど。
 同様に、今は「虎」の軍に協力的な組織が無数にあり、トルコのジャンダルマなどもその一つだ。
 レジーナさんたちもそうなんだけど、世界中で秘密になっている組織の人たちも多い。
 マルタ騎士団の方々は、タカさんが嬉しそうに迎えに行ったそうだ。
 来賓の総数はローマ教皇庁だけで120名、各国や組織の総計は1万人を超え、「虎」の軍で6万人、その他にアラスカの住民たちのうち、抽選で各1万人が3日間の昼夜入れ替え制だ。
 住民の予約チケットは10分で終わった(無料だよ!)。

 祝辞だけで8時間。
 みんな、祝辞など聞きながら飲み食いしていた。
 タカさんはほとんど全く聞いておらず、兄弟も喰いに夢中だった。
 タカさんは、以前にレジーナ様に頂いたという物凄いスーツ(?)を着て、また上機嫌だった。

 最初のローマ教皇と御堂さんの祝辞だけはタカさんも真剣に聞いていた。
 そしてもう一方、なんと小島将軍までが来て下さった。
 タカさんはその時と御堂さんの時だけ、姿勢を正して直立して聴いていた。
 もう一人、石神家の虎白さんの時には脂汗を流していた。
 物凄い心配そうだ。
 石神家の親戚なので、散々頼み込んで引き受けてもらったらしい。
 苦手そうだもんなー、虎白さん。
 なんかスゴイ緊張してて、3分黙った後で、「おめでとう」と言い、最後は裂帛の気合で会場中が揺れた。
 マイクが粉々になった。
 タカさんが頭を抱えていた。






 これ、本当に僕たちのためのものなの?
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