2,506 / 2,639
石神家 親子の縁切り Ⅱ
しおりを挟む
亜紀ちゃんと柳ちゃんが棒になってるんで、アジトまで運ばなきゃ。
実は私とハーは、幾つかのアジトを持ってる。
私たちが何かやってタカさんに怒られた場合の(自覚はあるんだよー)秘密の逃げ場所だ。
こんなこともあろうかと、用意したの。
タカさんも知らない。
だから誰も知らない。
不動産屋の高木さんを通さずに、自分たちのお金で探して手に入れた物件だ。
中野駅に近い一戸建てで、パジェロロングのスーパーエクシードも入れてる。
私が公園のベンチに二人を寝かせ、ハーがパジェロを取りに行った。
家の鍵は13桁のキー入力と指紋認証なのだー!
公演のベンチは真ん中に仕切があるので、ちょっとヘンな恰好だけど、亜紀ちゃんと柳ちゃんはベンチに立てかける形だ。
特に亜紀ちゃんはパジャマだしー。
散歩する人たちがみんな見て行った。
「みんな見てるよー」
「ヘンだもんね」
「おい!」
30分ほどでハーが戻って来た。
亜紀ちゃんたちを担いでパジェロの荷台に入れて、取り敢えずアジトに向かった。
「とにかくご飯だよ!」
「お肉だね!」
アジトに亜紀ちゃんたちを放り込んで、皇紀ちゃんに見ててもらった。
私とハーで買物に出る。
「「わしや」に行こう!」
「いいね!」
「わしや」は中野駅前のお惣菜の美味しいお店だ。
二人でどんどん買った。
駅前の肉屋さんで大量のお肉も買う。
アジトへ戻った。
「「ただいまー」」
「ここは僕らの家じゃないよー」
「うるさい! さあ、お肉を焼くよ!」
三人でどんどんお肉を焼いて行く。
その臭いで亜紀ちゃんと柳ちゃんが目を覚ました。
「さあ、ご飯だよー!」
みんなで食べた。
亜紀ちゃんも柳ちゃんもまだ呆然としてるんで、一杯食べれたよ?
食後にインスタントコーヒーを淹れてみんなで話し合った。
「まずさ、お金は大丈夫だね」
「うん、私たちがブラックカードを持ってるし、現金も20万円ある。現金は無くなったら銀行のカードもあるしね。」
「口座には合計で4000万円は入ってるしね」
私とハーは家出の経験者なので、お金の大事さは身に染みてる。
だからタカさんに追い出された時にも、咄嗟にお財布とスマホを握って出て来た。
亜紀ちゃんも柳さんも手ぶらだ。
まー、亜紀ちゃんはショックで棒になっちゃったし。
皇紀ちゃんは電話だけ持って来た。
だから私たちと連絡して「花見の家」に来れたんだ。
皇紀ちゃんの電話は特殊で、「皇紀通信」も出来る。
まー、使わないけどね。
あとは着替えとか買うかぁ。
アジトには私とハーの着替えや下着のストックは多少あったけど、みんなで使うと足りない。
皇紀ちゃんのも無い。
柳ちゃんはオッパイが私たちよりおっきい。
私とハーはTシャツに短パン。
亜紀ちゃんはパジャマ。
柳ちゃんは鍛錬してたんでTシャツとジャージ。
皇紀ちゃんは「Ωコンバットスーツ」。
えーと、あとどのくらいの日数分必要かな?
1週間はいるだろーなー。
タカさんマックスまじまじ怒りだしー。
話し合いは主に私とハーでやっていた。
あ、亜紀ちゃんと柳ちゃんが泣き出した。
「あのさ、そういうことも必要だけどさ」
「なーに、皇紀ちゃん?」
「それよりも、タカさんにどう謝るのかってことを話し合わないと」
いきなり正論をぶっ込んできやがった!
「無理無理!」
「皇紀ちゃん、あの時のタカさんを見てないからそんなこと言えるんだよ!」
「すごかったよぉー!」
「もう、私たちのこと全然見て無かったもん!」
「眼中ナシ!」
「多分、あの場で縋ってたら殺されてた」
「真っ黒の波動だったよ!」
「「業」だよ!」
「エェーーーー!」
しょうがないじゃん。
何しろ、今のタカさんはコワすぎ。
取り敢えず、またJR中野駅前に買い物に出ることにした。
亜紀ちゃんはパジャマなんでお留守番にした。
どうせ今は何も考えられないみたいだし。
柳ちゃんもおかしかったけど、オッパイのことがあるんで連れて出た。
「マルイでいっかぁー」
「どうせ今だけだしね」
マルイでガンガン買った。
取り敢えず、1週間分の下着とTシャツとかパンツとか。
夏場で良かったぁー。
寸法直しは多めにお金を払って速攻でやってもらった。
現金がほとんど無くなった。
お金、おろしとくかぁー。
1階に降りた時。
「キャァー!」
悲鳴が聞こえたよ?
「金を出せぇー!」
向こうの店舗で事件だ!
みんなで向かった。
覆面の2人の男たちがナイフを持って店員さん脅してる。
強盗かぁー。
私たちが近付くと、1人がナイフを向けて来た。
ちゃっちぃ事件だなぁー。
「おい、お前そんなもの持ってると怪我すんぞ?」
「あ? なんだてめぇら!」
まー、そんな反応かー。
《プチ轟雷》
ハーがいきなりぶっ放した。
ばりばりばりばり……
電撃が周囲に発生し、金属のナイフを持った男たちが感電して失神した。
「ワハハハハハハ!」
ハーが大笑いしていた。
店員さんが何が起きたのか分からずに呆然としてる。
みんなで離れて帰った。
警察とか面倒だしぃー。
「あ、ATMに寄ってこう。もう現金ないし」
「うん」
その時、後ろで声が聞こえた。
「みっちゃん! すぐに警察を!」
「はい、店長!」
「あ、電話が通じません!」
「なんで!」
「「!」」
物凄い、嫌な予感がした!
ハーと走ってATMに行った。
銀行カードで「引き出し」を選択。
「出ないよー!」
「ハー!」
二人で全部のカードを試し、ブラックカードでキャッシングも試した。
「「ダメだぁー!」」
「どうしたの?」
皇紀ちゃんが覗き込んで来る。
「さっきの《プチ轟雷》でカードが壊れたよ!」
「え?」
ハーの頭を引っぱたいた。
「ごめーん!」
なんか前にもあったなー。
メキシコだったかなー。
とにかく、アジトへ戻ったよ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「えー、状況を説明します。無一文になりました」
「「「「……」」」」
私とハーのスマホもぶっ壊れてた。
皇紀ちゃんの電話は無事だった。
「「じゃぁー、サバイバルキャンプ! 行くよ!」」
「「「……」」」
そういうことになった。
しょうがないじゃん!
実は私とハーは、幾つかのアジトを持ってる。
私たちが何かやってタカさんに怒られた場合の(自覚はあるんだよー)秘密の逃げ場所だ。
こんなこともあろうかと、用意したの。
タカさんも知らない。
だから誰も知らない。
不動産屋の高木さんを通さずに、自分たちのお金で探して手に入れた物件だ。
中野駅に近い一戸建てで、パジェロロングのスーパーエクシードも入れてる。
私が公園のベンチに二人を寝かせ、ハーがパジェロを取りに行った。
家の鍵は13桁のキー入力と指紋認証なのだー!
公演のベンチは真ん中に仕切があるので、ちょっとヘンな恰好だけど、亜紀ちゃんと柳ちゃんはベンチに立てかける形だ。
特に亜紀ちゃんはパジャマだしー。
散歩する人たちがみんな見て行った。
「みんな見てるよー」
「ヘンだもんね」
「おい!」
30分ほどでハーが戻って来た。
亜紀ちゃんたちを担いでパジェロの荷台に入れて、取り敢えずアジトに向かった。
「とにかくご飯だよ!」
「お肉だね!」
アジトに亜紀ちゃんたちを放り込んで、皇紀ちゃんに見ててもらった。
私とハーで買物に出る。
「「わしや」に行こう!」
「いいね!」
「わしや」は中野駅前のお惣菜の美味しいお店だ。
二人でどんどん買った。
駅前の肉屋さんで大量のお肉も買う。
アジトへ戻った。
「「ただいまー」」
「ここは僕らの家じゃないよー」
「うるさい! さあ、お肉を焼くよ!」
三人でどんどんお肉を焼いて行く。
その臭いで亜紀ちゃんと柳ちゃんが目を覚ました。
「さあ、ご飯だよー!」
みんなで食べた。
亜紀ちゃんも柳ちゃんもまだ呆然としてるんで、一杯食べれたよ?
食後にインスタントコーヒーを淹れてみんなで話し合った。
「まずさ、お金は大丈夫だね」
「うん、私たちがブラックカードを持ってるし、現金も20万円ある。現金は無くなったら銀行のカードもあるしね。」
「口座には合計で4000万円は入ってるしね」
私とハーは家出の経験者なので、お金の大事さは身に染みてる。
だからタカさんに追い出された時にも、咄嗟にお財布とスマホを握って出て来た。
亜紀ちゃんも柳さんも手ぶらだ。
まー、亜紀ちゃんはショックで棒になっちゃったし。
皇紀ちゃんは電話だけ持って来た。
だから私たちと連絡して「花見の家」に来れたんだ。
皇紀ちゃんの電話は特殊で、「皇紀通信」も出来る。
まー、使わないけどね。
あとは着替えとか買うかぁ。
アジトには私とハーの着替えや下着のストックは多少あったけど、みんなで使うと足りない。
皇紀ちゃんのも無い。
柳ちゃんはオッパイが私たちよりおっきい。
私とハーはTシャツに短パン。
亜紀ちゃんはパジャマ。
柳ちゃんは鍛錬してたんでTシャツとジャージ。
皇紀ちゃんは「Ωコンバットスーツ」。
えーと、あとどのくらいの日数分必要かな?
1週間はいるだろーなー。
タカさんマックスまじまじ怒りだしー。
話し合いは主に私とハーでやっていた。
あ、亜紀ちゃんと柳ちゃんが泣き出した。
「あのさ、そういうことも必要だけどさ」
「なーに、皇紀ちゃん?」
「それよりも、タカさんにどう謝るのかってことを話し合わないと」
いきなり正論をぶっ込んできやがった!
「無理無理!」
「皇紀ちゃん、あの時のタカさんを見てないからそんなこと言えるんだよ!」
「すごかったよぉー!」
「もう、私たちのこと全然見て無かったもん!」
「眼中ナシ!」
「多分、あの場で縋ってたら殺されてた」
「真っ黒の波動だったよ!」
「「業」だよ!」
「エェーーーー!」
しょうがないじゃん。
何しろ、今のタカさんはコワすぎ。
取り敢えず、またJR中野駅前に買い物に出ることにした。
亜紀ちゃんはパジャマなんでお留守番にした。
どうせ今は何も考えられないみたいだし。
柳ちゃんもおかしかったけど、オッパイのことがあるんで連れて出た。
「マルイでいっかぁー」
「どうせ今だけだしね」
マルイでガンガン買った。
取り敢えず、1週間分の下着とTシャツとかパンツとか。
夏場で良かったぁー。
寸法直しは多めにお金を払って速攻でやってもらった。
現金がほとんど無くなった。
お金、おろしとくかぁー。
1階に降りた時。
「キャァー!」
悲鳴が聞こえたよ?
「金を出せぇー!」
向こうの店舗で事件だ!
みんなで向かった。
覆面の2人の男たちがナイフを持って店員さん脅してる。
強盗かぁー。
私たちが近付くと、1人がナイフを向けて来た。
ちゃっちぃ事件だなぁー。
「おい、お前そんなもの持ってると怪我すんぞ?」
「あ? なんだてめぇら!」
まー、そんな反応かー。
《プチ轟雷》
ハーがいきなりぶっ放した。
ばりばりばりばり……
電撃が周囲に発生し、金属のナイフを持った男たちが感電して失神した。
「ワハハハハハハ!」
ハーが大笑いしていた。
店員さんが何が起きたのか分からずに呆然としてる。
みんなで離れて帰った。
警察とか面倒だしぃー。
「あ、ATMに寄ってこう。もう現金ないし」
「うん」
その時、後ろで声が聞こえた。
「みっちゃん! すぐに警察を!」
「はい、店長!」
「あ、電話が通じません!」
「なんで!」
「「!」」
物凄い、嫌な予感がした!
ハーと走ってATMに行った。
銀行カードで「引き出し」を選択。
「出ないよー!」
「ハー!」
二人で全部のカードを試し、ブラックカードでキャッシングも試した。
「「ダメだぁー!」」
「どうしたの?」
皇紀ちゃんが覗き込んで来る。
「さっきの《プチ轟雷》でカードが壊れたよ!」
「え?」
ハーの頭を引っぱたいた。
「ごめーん!」
なんか前にもあったなー。
メキシコだったかなー。
とにかく、アジトへ戻ったよ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「えー、状況を説明します。無一文になりました」
「「「「……」」」」
私とハーのスマホもぶっ壊れてた。
皇紀ちゃんの電話は無事だった。
「「じゃぁー、サバイバルキャンプ! 行くよ!」」
「「「……」」」
そういうことになった。
しょうがないじゃん!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
222
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる